日本を語るワインの会235

ワイン235恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。近藤社長と並んで今年五月にロシア外務省が発表した入国禁止対象者に選ばれた株式会社産業経済新聞社代表取締役会長の飯塚浩彦氏、六月に前任の飯塚会長からバトンを受け継いだ株式会社産業経済新聞社代表取締役社長の近藤哲司氏、渡辺美奈代氏の夫としてマネジメントも手掛ける株式会社Minayo代表取締役の矢島昌樹氏、芸能生活三十七年になるタレント・歌手の渡辺美奈代氏、生物学的な見地から男系の皇統の維持を主張する動物行動学研究家・エッセイストの竹内久美子氏、大阪桐蔭高校時代には四番打者として春夏連覇に貢献した千葉ロッテマリーンズの藤原恭大選手、来年からは社会人としてアセット・マネジメント業界で働く第十四代真心笑顔親善大使の三谷美優氏をお迎えし、政治からスポーツまで様々な話題に花を咲かせました。
即断したホテル一棟貸しに
観光庁から特別感謝状が
 会長は第一次安倍政権の前に、安倍晋三を首相にする会の副会長だった。今年七月の銃撃による死は本当に想定外だった。彼の死に対して海外でも多くの国から失望の声が聞かれた。フィリピンのドゥテルテ大統領やアメリカのトランプ大統領ら強面で恐れられていた政治家も、安倍氏の言うことは聞いた。アメリカ議会でも堂々と演説した。国内でも集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法案が可決されるなど、多大な功績を残した。安倍氏に勝る首相は、日本では当面出てこないだろう。
 安倍氏は、男系の皇統の必要性を大物政治家で唯一完璧に理解していた。政治家でも一般人でも、女性天皇と女系天皇の区別がつかない人が多い。安倍氏が女系天皇を望んでいたという報道もあったが、それは間違いだ。行動力も素晴らしく、新型コロナ陽性者の宿泊療養施設としてホテルを利用する件も、当時首相だった安倍氏から会長の携帯電話に直接要請の電話があった。他のホテルであれば役員会等手続きが必要だが、旧知でオーナー代表の会長であればすぐに判断してくれるだろうと、安倍氏は考えたのだろう。安倍氏と会長にはそんなことが可能な連帯感があったのだ。要請を会長は即断で受け、安倍氏はその後すぐに記者会見で発表した。
 この決断をした二〇二〇年四月の段階では、新型コロナについてわかっていないことの方が多く、対応も未確定、さらにワクチンもまだ存在していなくて、世の中的にも不安が満ちている時だった。ホテル社長は療養者の受け入れについて、ひょっとしたらその後の風評被害でホテル事業が大きなダメージを受けるかもしれないと、とても不安になった。しかし会長は、元々ゼロから始めた事業なのだから、国のためにゼロになったら本望だとホテル社長に伝えて即断した。その後、コロナ療養施設以外にも、海外からの入国者の一時待機施設としての提供も実施した。結果、隔離施設ガチャと称して、海外からの入国で隔離施設に入る際、アパホテルなら「当たり」という風潮が生まれた。その理由はオープンしたばかりだったアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉や、完成したがオープン前だったアパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉など最新の大型ホテルを隔離施設として提供したからだ。今はホテルとしての営業を行っている〈両国駅タワー〉だが、隅田川の夜景が美しく、部屋によっては東京スカイツリーも見えるホテルとして人気だ。
 療養施設となったホテルには自衛隊の専用の部隊がやってきて、ホテル内のゾーニングなどの指示・実施を行った。療養者への食事の出し方等、細かなオペレーションも全て自衛隊の指示に従って行われた。アパホテルはこれまで約七十棟を行政機関および各自治体に提供、今も約五十棟が貸し出しを続けている。この提供に対して、アパグループは二〇二二年の十一月、観光庁長官から「特別感謝状」の贈呈を受けた。
ロシアの入国禁止対象者は
親日本政府と見なされた人
 藤原恭大選手は、大阪桐蔭高校では中日ドラゴンズの根尾昂選手と同級生だ。二〇一八年のドラフト会議で三球団から一位指名を受けて、抽選の結果交渉権を得た千葉ロッテマリーンズに入団した。根尾選手も同じドラフト会議で中日が一位指名。大阪桐蔭高校からは他にも、北海道日本ハムファイターズの柿木蓮選手や読売ジャイアンツの横川凱選手が指名を受け、同じ高校から四人がドラフト指名をされた。大阪桐蔭高校の野球部員は三学年で六十人。人数を絞った精鋭を、監督が丁寧に指導している。練習はとてもハードだが、パワハラなどは一切ない。
 渡辺美奈代氏は夫である矢島昌樹氏と共に、YouTubeやTikTok等のSNSでの動画配信を活発に行っており、それを観た視聴者から昔と変わらないと高い評価を得ている。今は還暦になったら、赤いミニスカートを着用するのが目標だ。渡辺氏は二〇二一年七月七日、千葉ロッテマリーンズの公式戦で始球式を行ったが、その時バッターボックスで空振りをしたのが藤原恭大選手だった。一九八〇年代に一世を風靡したおニャン子クラブのメンバーだったが、同じくメンバーで今でも芸能界で活躍しているのは、新田恵利氏、国生さゆり氏、渡辺満里奈氏などかなり多い。同じくメンバーだった生稲晃子氏は、今年参議院議員選挙に出馬して見事当選をしている。
 今年五月にロシア外務省が発表した入国禁止対象者リストには、産経新聞の飯塚浩彦氏や近藤哲司氏の他にメディアでは、読売新聞、日本経済新聞の社員が挙げられていて、朝日新聞と毎日新聞の社員はいない。この線引は非常に不可解だ。ウクライナに侵攻したロシアに対する批判的なスタンスは、朝日・毎日も読売・産経も基本的には変わらない。にもかかわらず引かれたこの線は、日本政府に対して批判的かどうかという、ロシアとは無関係な別の基準で行われているように思える。
男系の皇統維持には
生物学的な理由がある
 竹内久美子氏は皇統が男系男子で継承されるべきであることを、生物学的に解説している。人間は二十二対の常染色体と一対の性染色体を持っている。性染色体が男性はXY、女性はXXとなり、男性は男性しか持たない性染色体Yを、父親からのみ受け継いでいくことになる。常染色体と性染色体のXは「交差」という現象で最初の個体の遺伝子は薄まり、四〜五世代でほとんど跡形も無くなる。しかし性染色体YはXとの「交差」をほとんど起こさず、その遺伝子を継承し続ける。つまり最初の天皇と言われる神武天皇から今上天皇まで、性染色体Yとその遺伝子はほぼ同じものが受け継がれているということだ。これが男系男子で皇統をつなぐ「生物学的な意味」となる。染色体や遺伝子を知らない昔の人がそんなことを考慮した訳がないという反論もあるが、血縁者か非血縁者かと遺伝子の共有を直感的に見抜くことは、人間に遺伝的にプログラムされたことだ。これを感覚的に察知して、昔の人は父から息子への継承に拘ったのだろう。男系男子の皇統は、権力者による皇統乗っ取りも防ぐ。過去の日本の八人十代にわたる女性天皇は、天皇の后である皇后か生涯独身を貫くかだった。皇后であった女性天皇の、配偶者であった前の天皇との子供が後に天皇に即位することはあっても、男系を崩すことはなかった。しかし今女性天皇が即位すれば、独身を貫くべきだとは誰にも言えないし、結婚するとなったら、配偶者が皇族ではない場合が十分考えられる。子供も作ることになり、女系天皇がOKであれば、男女問わずその子が天皇になるかもしれない。そうなれば、天皇の父親の家の系譜に繋がる新しい王朝の誕生である。この女性天皇の配偶者が海外の男性ならどうだろう。新しい王朝は、海外の出自の王朝となるのだ。こう考えれば、女系天皇を認めることのリスクの高さが認識できるだろう。
広さや雰囲気ではなく
選んでもらえるホテルが
「いいホテル」
 十二月十二日はアパホテルの誕生日。一九八四年のこの日に、第一号ホテルであるアパホテル〈金沢片町〉がオープンした。現在アパホテルネットワークは全国七百十六ホテル、十一万二百二十室。これには別オーナーがアパホテルブランドで運営しているフランチャイズホテルや、アパホテルブランドではないがアパ直で予約ができ、アパポイントが貯まるアパ直参画ホテルを含んでいる。アパ直参画ホテルはこのネットワークの良さを理解していき、将来はフランチャイズホテルに…というポジションだ。さらに建設中、計画中のホテルは二十四棟、八千七百三十二室にも及び、その成長のペースは全く衰えていない。単体や二つ目などのホテル経営は大変だが、沢山できるとだんだん楽になっていく。
 コロナ前のアパグループの決算だと、経常利益が毎日一億円ほど出ていたことになる。いいホテルとは選んでもらえるホテルのことだ。伝統があるとか雰囲気が良いとか、部屋やロビーが広くても選ばれなくて赤字となるホテルが、いいホテルだと言われるのはおかしなことだ。アパグループの高利益の秘密は、自社ブランドのホテルを自社運営、自社保有していることだ。それぞれが一〇%の利益を弾き出し、結果売上一千億円、経常利益三百億円を越え、利益率三〇%体制を実現している。これが所有だけ、運営だけをやっている不動産会社やホテルチェーンとは異なるところだ。
 アパグループはコロナ禍でも、黒字を維持している。それはビジネス客を中心として、アパホテル会員が累計二千万人以上いるからだ。部屋はビジネス客だけではなく、観光客でも便利なようにデザインし、部屋の面積は広くはないがベッドやテレビは大きいものを設置している。
 集客のためのインターネット活用は、第一号ホテルのオープンから力を入れていて、会員制度も最初からあった。会社の費用で五万円分宿泊すると、本人に五千円がキャッシュバックされるという仕組みで多くの人が会員になり、ポイントのために全国どこでもアパホテルに宿泊するという流れが生まれている。
 この「日本を語るワインの会」が開催されている会長邸は大通りから一本入ったところでわかりにくく、カーナビを使っていても迷う人がいる。アメリカなどでも高級住宅地は同様の立地だ。しかし一度、この会長邸に泥棒が入ったことがある。夜の八時、たまたま誰もいない時に三人組の賊がガラスを割って侵入したのだが、とたんに警備システムの警報が鳴り出し、警備会社の車がすぐにやってきて、賊はすぐに逃走した。法人の登記簿には代表取締役の住所が出ているので、経営者は何らかの対応を求められるのだが、警備システムは自分自身の出入りでもスイッチを切り忘れると鳴るので、扱いに困る時がある。