恒例「日本を語るワインの会」が代表邸で行われました。『海賊と呼ばれた男』『日本国紀』等ベストセラーを連発している作家の百田尚樹氏、山口県下関市出身で父親が安倍晋太郎氏の選挙参謀だった釘島総合法律事務所代表弁護士の釘島伸博氏、銀行から世界的コンサルティング会社を経て、今は早稲田大学ビジネススクールで教授として教鞭を執る相葉宏二氏をお迎えし、日本人の優秀さ、オリンピックに現れた中国の根深い問題等について語り合いました。
日弁連の声明は
弁護士の総意ではない
弁護士の総意ではない
釘島伸博氏の父親は安倍晋太郎氏の選挙参謀で、釘島氏が十八歳の時に一人でインドを旅行するための条件は、まず安倍晋太郎氏と会うことだった。晋太郎氏は釘島氏に親書を渡し、いざとなったら使うようにと言った。ムンバイの領事館を表敬訪問しようとした釘島氏だが、最初はけんもほろろに扱われたのに、安倍晋太郎氏の親書を見せると掌を返したように歓待された。人が良すぎるところがあった安倍晋太郎氏だが、癌になっていなければ首相になっていただろう。
相葉宏二氏の父親は旧帝国海軍の飛行機乗りで、彗星という爆撃機の偵察役だった。先の大戦末期には大分海軍航空隊に所属していた。高商を卒業し一時期銀行勤めをしていた父親は、特攻には合理性がないと志願を拒否。しかし上官に毎日殴られてやむなく志願したが、出撃する前に終戦となった。しかし玉音放送直後の宇垣纏中将以下二十二名、十一機の彗星による特攻部隊に加えられ、飛び立つ羽目に。終戦後の特攻命令には従う気がなかった父親は、目的地の沖縄には向かわず故郷の宮崎県都城市に着陸し、しばらく隠れていたという。
百田尚樹氏が著した『日本国紀』は二〇一八年に出た単行本が六十五万部、昨年十一月に出た文庫と愛蔵版が五十一万部のベストセラーになった。単行本が出た時には朝日新聞、毎日新聞から全力で批判され、歴史学者から重箱の隅をつつくような間違いの指摘があった。中国の環球時報からも批判された。それだけ良い本だったということだろう。
本来刑事事件においての弁護士の役割には、罪を犯した人が再犯を繰り返さないように改心させることも含まれているはずだ。しかしそうではなく、大金を払ってでも罪を軽くしたい人の罪を、多額の報酬を得て求刑より減らすことを生業としている弁護士もいる。国選弁護人の報酬は安いが、ヤメ検弁護士にはそれしかできないで、これで食っている人もいる。一般の人々は日弁連が声明を出せば弁護士の総意だと思うが、そんなことはない。日弁連の上層部は弁護士の中でも変な人々の集まりだ。
相葉宏二氏の父親は旧帝国海軍の飛行機乗りで、彗星という爆撃機の偵察役だった。先の大戦末期には大分海軍航空隊に所属していた。高商を卒業し一時期銀行勤めをしていた父親は、特攻には合理性がないと志願を拒否。しかし上官に毎日殴られてやむなく志願したが、出撃する前に終戦となった。しかし玉音放送直後の宇垣纏中将以下二十二名、十一機の彗星による特攻部隊に加えられ、飛び立つ羽目に。終戦後の特攻命令には従う気がなかった父親は、目的地の沖縄には向かわず故郷の宮崎県都城市に着陸し、しばらく隠れていたという。
百田尚樹氏が著した『日本国紀』は二〇一八年に出た単行本が六十五万部、昨年十一月に出た文庫と愛蔵版が五十一万部のベストセラーになった。単行本が出た時には朝日新聞、毎日新聞から全力で批判され、歴史学者から重箱の隅をつつくような間違いの指摘があった。中国の環球時報からも批判された。それだけ良い本だったということだろう。
本来刑事事件においての弁護士の役割には、罪を犯した人が再犯を繰り返さないように改心させることも含まれているはずだ。しかしそうではなく、大金を払ってでも罪を軽くしたい人の罪を、多額の報酬を得て求刑より減らすことを生業としている弁護士もいる。国選弁護人の報酬は安いが、ヤメ検弁護士にはそれしかできないで、これで食っている人もいる。一般の人々は日弁連が声明を出せば弁護士の総意だと思うが、そんなことはない。日弁連の上層部は弁護士の中でも変な人々の集まりだ。
出版社の忖度で暴かれない
作家のスキャンダル
作家のスキャンダル
カルロス・ゴーンは守銭奴だ。経営者としても、たいしたことはしていないのではないか。あれだけ社員の首を切れば、誰がやったって業績は良くなるはずだ。しかし日本人にはそれができなかった。来日したばかりのゴーンがやったことはいい。問題は、その後十数年もその地位に居座り続けたことだ。結果、何人かの手先とともに会社の金を貪り尽くした。今でも日産の上層部には、ゴーンの手先が隠れているのではないか。外圧に対して言いなりになるのは、GHQに対してもそうだったが、日本人の特質かもしれない。
ここ三十年ぐらい、作家のスキャンダルが週刊誌に暴かれるということは、全くといっていいぐらいない。それは各週刊誌を発行しているのが文芸出版社だからだ。作家の書くもので食わしてもらっているから作家のスキャンダルは書かないという、出版社なりの「仁義」なのだろう。しかし文芸書もそれほど売れなくなった今、今後も同じ仁義が通用するかは疑問だ。
昨年十一月に亡くなった本田稔氏は、戦闘機乗りとして先の大戦を最初から最後まで生き抜いた凄い人だった。一九四二年に、戦闘機乗りの中では生きては帰れないと言われていたラバウル基地に転属、半年間の過酷な戦いを生き抜いた。攻撃目標のガダルカナル島までは約千km、ゼロ戦で三時間掛かる。満タンの燃料を積んでいても、帰還できる分を残すためには、ガダルカナル島での交戦時間は十分しかない。往復六時間の狭い空間での操縦、敵との戦闘の緊張感、それが毎日続く。疲れが取れる間もなく、ガダルカナルからの帰りに居眠りをするものが続出するが、寝るとそのまま機は海に突っ込み、帰らぬ人となる。本田氏はドライバーを機に持ち込み、眠くなったら足に突き刺して捻じり、その痛みで睡魔に耐えていたという。レーダーを搭載しないゼロ戦のため、雲が出て海面が見えなくなると、勘で操縦するしかなくなる。ここだというところで雲に突っ込み、その下の海上にラバウルが見えれば生還だが、見えなければ死が待っていた。
情緒性が豊かだと言われる日本人だが、その理由は日本語にある。日本語は母音が重視される世界でも珍しい言語だ。そして母音は、自然界の音と同じものが多い。つまり他の国の人にとっては雑音に過ぎなくても、日本人にとって自然の音は、意味あるものに聞こえてしまうということだ。これは遺伝子等には関係なく、海外出身者でも幼少期を日本で過ごすと日本の言語脳になり、日本人と同じ感覚を身につけることになる。
ここ三十年ぐらい、作家のスキャンダルが週刊誌に暴かれるということは、全くといっていいぐらいない。それは各週刊誌を発行しているのが文芸出版社だからだ。作家の書くもので食わしてもらっているから作家のスキャンダルは書かないという、出版社なりの「仁義」なのだろう。しかし文芸書もそれほど売れなくなった今、今後も同じ仁義が通用するかは疑問だ。
昨年十一月に亡くなった本田稔氏は、戦闘機乗りとして先の大戦を最初から最後まで生き抜いた凄い人だった。一九四二年に、戦闘機乗りの中では生きては帰れないと言われていたラバウル基地に転属、半年間の過酷な戦いを生き抜いた。攻撃目標のガダルカナル島までは約千km、ゼロ戦で三時間掛かる。満タンの燃料を積んでいても、帰還できる分を残すためには、ガダルカナル島での交戦時間は十分しかない。往復六時間の狭い空間での操縦、敵との戦闘の緊張感、それが毎日続く。疲れが取れる間もなく、ガダルカナルからの帰りに居眠りをするものが続出するが、寝るとそのまま機は海に突っ込み、帰らぬ人となる。本田氏はドライバーを機に持ち込み、眠くなったら足に突き刺して捻じり、その痛みで睡魔に耐えていたという。レーダーを搭載しないゼロ戦のため、雲が出て海面が見えなくなると、勘で操縦するしかなくなる。ここだというところで雲に突っ込み、その下の海上にラバウルが見えれば生還だが、見えなければ死が待っていた。
情緒性が豊かだと言われる日本人だが、その理由は日本語にある。日本語は母音が重視される世界でも珍しい言語だ。そして母音は、自然界の音と同じものが多い。つまり他の国の人にとっては雑音に過ぎなくても、日本人にとって自然の音は、意味あるものに聞こえてしまうということだ。これは遺伝子等には関係なく、海外出身者でも幼少期を日本で過ごすと日本の言語脳になり、日本人と同じ感覚を身につけることになる。
世界有数の民度があった
江戸時代の日本人
江戸時代の日本人
江戸時代、犬の伊勢参りがあった。街道や宿場町のインフラ整備が進んだこともあって、一生に一度の伊勢神宮参拝を行うことが庶民の間でブームになっていった。しかし体が弱いことや年齢などの理由があって、伊勢参りができない人もいた。そんな人が自分の飼い犬の首に参宮札をぶら下げさせて、伊勢参りに送り出したというのだ。この参宮犬を目撃したという記録が、いろいろと残っている。これらの犬を旅人達は温かく面倒を見た。路銀も袋に入れて首にくくられていて、宿の人はここからいくらかをもらって犬に食事を与えていた。逆に犬の参拝に感心してお金を袋に入れる人もいて、それが重くなって動けなくなっていた犬に対して、両替をして軽くしてやった人もいたという。伊勢神宮でもそんな犬を特別に扱い、参拝させた。こうして伊勢神宮を往復した犬が、結構な数いたというのだ。こんなことが普通に行われた国は、世界広しといえども他にはない。日本の民度の高さを示す話だ。
仏教の影響もあるのか、日本人は生まれ変わりを信じる。誕生の「誕」という字はでたらめを言って欺くという意味がある。つまりは人間の誕生は偽りであり、本質的なものが体を借りてこの世に出てきたに過ぎない。その本質的なものが、また本来の世界に帰っていくのが「お迎え」、つまり死だ。こういう考えが根本にあるから、日本人は現世だけが良ければいいとは考えず、未来永劫にわたって恥ずかしくない行動をとる。
幕末から明治時代に日本を訪れたハインリッヒ・シュリーマンやイザベラ・バードのような西欧人達は、日本人の正直さや誠実さを絶賛している。渡し船の船頭は正規料金しか要求せず、港の役人は賄賂を受け取らない。イザベラ・バードは、日本人が好奇心旺盛で住まいを覗きに来ることには辟易しつつ、女性一人でも安全に滞在ができ、無作法な扱いは一切受けなかったと書いている。一方彼女は日本の前後に訪れた北京や朝鮮半島については、非常に厳しく評価をしている。欧米の水準から見ても、江戸時代の日本人は世界有数の民度を誇っていたのではないだろうか。
仏教の影響もあるのか、日本人は生まれ変わりを信じる。誕生の「誕」という字はでたらめを言って欺くという意味がある。つまりは人間の誕生は偽りであり、本質的なものが体を借りてこの世に出てきたに過ぎない。その本質的なものが、また本来の世界に帰っていくのが「お迎え」、つまり死だ。こういう考えが根本にあるから、日本人は現世だけが良ければいいとは考えず、未来永劫にわたって恥ずかしくない行動をとる。
幕末から明治時代に日本を訪れたハインリッヒ・シュリーマンやイザベラ・バードのような西欧人達は、日本人の正直さや誠実さを絶賛している。渡し船の船頭は正規料金しか要求せず、港の役人は賄賂を受け取らない。イザベラ・バードは、日本人が好奇心旺盛で住まいを覗きに来ることには辟易しつつ、女性一人でも安全に滞在ができ、無作法な扱いは一切受けなかったと書いている。一方彼女は日本の前後に訪れた北京や朝鮮半島については、非常に厳しく評価をしている。欧米の水準から見ても、江戸時代の日本人は世界有数の民度を誇っていたのではないだろうか。
何千人もの犠牲を払って
生まれる中国のメダリスト
生まれる中国のメダリスト
北京オリンピックのショートトラック女子五百mで、中国の范可新選手がカナダの選手にコースを示すブロックを投げて転倒させたことが、動画にはっきりと映っている。あの自然さは、どうみても何度も練習をして狙ってやったものだ。こんなことをするぐらい、中国のアスリートにとってのオリンピックの意味は、他の国の選手とは違う。そもそも中国は豊かになったといっても、その恩恵を受けているのは一握りの人々で、十億人以上の人々は貧乏なままだ。そんな貧しい人々の子供でスポーツの才能を見出された五~六歳児が、国営の体育学校への入学を認められる。ここではそれまではなかった十分な食事が与えられるが、学校教育は一切行われない。朝から晩まで競技の特訓が行われるだけだ。才能が伸びないと判断されたり、国際大会で満足のいく成績が出せなかったりすれば、放校処分になる。教育を受けていない処分者の面倒は誰も見ず、彼らは路頭に迷うだけだ。しかしオリンピックでメダリストになれば、後々まで国家が生活の面倒を見てくれる。これが中国の選手が必死になる理由だ。
中国の体操の選手は、必要以上に背が伸びないように、成長を抑える薬を与えられる。体育学校から放校になった体操選手は、大道芸人として生きるしかない。このように中国のメダリストの背後には、何千人もの人生を破壊された元選手達の存在があるのだ。
国家主席の二期十年の任期を撤廃、毛沢東、鄧小平と並んで憲法の前文に名を連ねることには成功した中国の習近平国家主席だが、終身の国家主席になれるかはわからない。それは長老達がどう考えるか次第だ。もし多くの国が北京オリンピックをボイコットしていれば、習近平主席の首は飛んだだろう。怖いのは終身国家主席を得るための「手柄」として、台湾侵攻を実行することだ。十年前から言われている中国の経済破綻だが、まだ実現はしない。中国政府は銀行での現金の使用を禁止して、国民の金の流れを全て把握、さらにデジタル人民元を導入しようとしている。このことがどういう結果を招くのか。
アメリカのバイデン大統領の支持率は低下の一途であり、今年の中間選挙で共和党に負ければ、さらに動きが取りにくくなる。今は保守系メディアだけではなく、左派系メディアもバイデン大統領の息子のスキャンダルを報じるようになった。これで三年後にトランプ大統領が復活すれば、また米中関係も一変するだろう。
中国の体操の選手は、必要以上に背が伸びないように、成長を抑える薬を与えられる。体育学校から放校になった体操選手は、大道芸人として生きるしかない。このように中国のメダリストの背後には、何千人もの人生を破壊された元選手達の存在があるのだ。
国家主席の二期十年の任期を撤廃、毛沢東、鄧小平と並んで憲法の前文に名を連ねることには成功した中国の習近平国家主席だが、終身の国家主席になれるかはわからない。それは長老達がどう考えるか次第だ。もし多くの国が北京オリンピックをボイコットしていれば、習近平主席の首は飛んだだろう。怖いのは終身国家主席を得るための「手柄」として、台湾侵攻を実行することだ。十年前から言われている中国の経済破綻だが、まだ実現はしない。中国政府は銀行での現金の使用を禁止して、国民の金の流れを全て把握、さらにデジタル人民元を導入しようとしている。このことがどういう結果を招くのか。
アメリカのバイデン大統領の支持率は低下の一途であり、今年の中間選挙で共和党に負ければ、さらに動きが取りにくくなる。今は保守系メディアだけではなく、左派系メディアもバイデン大統領の息子のスキャンダルを報じるようになった。これで三年後にトランプ大統領が復活すれば、また米中関係も一変するだろう。