日本を語るワインの会213

ワイン213恒例「日本を語るワインの会」が代表邸で行われました。当選回数八回のベテラン議員として、安全保障・外交に関してまで様々な調整能力を発揮する衆議院議員の原田義昭氏、昨年第三回アパ日本再興大賞の優秀賞を獲得した東京国際大学教授の福井雄三氏、医療機関専門に清掃、殺菌消毒、感染対策等を行う株式会社コーナンの代表取締役社長・轟木隼人氏をお迎えし、新型コロナと中国に翻弄される世界情勢について、語り合いました。
次のコロナに向けて
感染症専門病院の充実を
 本をはじめとする東アジア諸国は、欧米に比べて新型コロナウイルスによる感染者も死亡者も、桁違いに少ない。その理由は明らかにはなっておらず、中国が白人の多い国家に向けて人工的に作ったウイルス兵器ではないかという説がある。大量破壊兵器の最たるものは、やはりウイルスや細菌等の生物兵器だ。原爆が爆発しても、その影響は半径数十キロメートルにしか及ばないが、グローバル化が進む現代では、生物兵器は人の移動によってあっという間に世界中に広がる。この二月にWHO(世界保健機関)による中国・武漢の調査が行われた。中国側はきちんと全てを見せたと主張するだろうが、その調査内容には疑いがある。コロナに関しては世界中から中国に対して、損害賠償請求の訴訟が行われているが、日本からは全く行っていない。どんな判決が出ようが中国は絶対に支払いはしないだろうが、日本も主張するべきことは主張する必要がある。
 株式会社コーナンは、元々建物管理やビルメンテナンスの事業を展開、一般的な清掃業を経て、二〇〇六年から医療関連施設向けサービスを開始、今は医療機関専門に院内感染の防止策実施や米CDCガイドラインに準拠した清掃等、東京と大阪を中心に七千件以上を手掛けている。新型コロナ関連では、横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセス号の殺菌消毒や、メガクラスターとなった台東区の永寿総合病院の全病棟の完全殺菌消毒も行った。今、一般の清掃業者や害虫駆除業者が、チャンス到来とばかりに医療機関向けの殺菌消毒業界に参入している。中には感染の知識がなく、次亜塩素酸ナトリウムをタンクに入れて消毒したのはいいが、その作業にムラがあり、菌やウイルスをあまり減らすことが出来ないのに高額請求を行う業者が出てきている。要注意だ。
 感染症対策で難しいのは、対応する病院が、一般の患者とコロナの陽性者を厳格に分けなければならないことだ。これが理由で多くの私立病院が陽性者の受け入れを行っておらず、それが医療危機に繋がっている。将来に向けて、感染症専門病院の充実が急がれるのではないか。陽性者の受け入れ病棟には一般の清掃業者は入れないために、清掃を医療従事者が行っている病院が多く、それもスタッフの疲弊を招いている。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長を、菅首相と一緒にテレビで観る機会が多くなった。尾身氏は医師や研究者を経て厚生労働省の技官となり、さらにWHOの西太平洋地域事務局で様々な実績を上げた。それを踏まえて出馬した西太平洋地域事務局の事務局長選挙では、原田義昭氏が選挙対策委員長を務めて見事に当選し、一九九九年より十年間、この職にあった。二〇〇六年にはWHOの事務局長選にも出馬したが、香港出身のマーガレット・チャン氏に敗れた。西太平洋地域事務局長退官後は、母校の自治医科大学の教授を務めたりしていたが、今回の事態で一躍注目を集めることになった。
中国から離反する国と
日本は手を結ぶべき
 二次世界大戦の後、日本が満州国に残してきた資産は、今の価値にして百兆円になる。それを勘案すれば、日本は中国に賠償金をたっぷりと支払っていると言える。日本が多くの資産やインフラを残してきたのは、朝鮮半島も同じだ。世界の常識からすれば、日本は朝鮮半島において朝鮮と戦争をしたわけでもないのに、十分過ぎるほど賠償しているのだが、それでは済まない、もっと出せというのが韓国の論理だ。平行線となるのも、無理ないだろう。
 急成長する経済力による軍事力を背景に、膨張を続ける中国に、日本はどう対処するべきなのか。安全保障としては、数の力で中国を包囲することが重要だ。安倍前首相によって提唱された、対中枠組みである通称Quad(クアッド)と呼ばれる日米豪印戦略対話等を、しっかりと拡充していく必要がある。イギリスが以前とは異なり中国に厳しくなってきたのは、香港の件があるからだ。一九九七年の香港返還の際の取り決めでは、「従来の資本主義制度と生活様式を保持」(基本法第五条)するという一国二制度を五十年間は変えないとなっていた。しかし中国はその半分の年数も経たない昨年、香港国家安全維持法を制定して、実質的に一国二制度を破棄するという約束違反を行った。近年中国による議員買収疑惑等が持ち上がったことで、比較的親密だった中国とオーストラリアの関係も近年冷え切っている。日本はイギリスやオーストラリアと協同して、中国に巧みに圧力を掛けるべきだ。
中国・海警法の施行で
尖閣に危機が迫る
 メリカをはじめとする西側諸国は、中国は経済発展によって民主化すると考えていたが、昨年七月、それは間違いだったとアメリカのポンペオ国務長官が認めた。共産党一党独裁の中央集権体制は、習近平主席になってから加速している。中国全土に監視カメラが四億台設置されていると言われ、顔認証システムで国民の動向を把握している。新疆ウイグル自治区ではこのシステムを使って、少しでも疑いのある人々を拘束して、再教育の名の下、期間も決めずに収容所に入れている。中国の人権を無視した行動は、社会主義というイデオロギーに内在化されたものだ。どの社会主義国も判で押したように、同様の人権侵害を行っている。これを止めさせるには、中国の内部からの崩壊を待つしかない。農民戸籍と都市戸籍に分かれた中国は、国内に植民地を抱えているようなもので、十四億人の人口のうち、約八千万人の共産党員とそれ以外の人々との格差は激しい。人口が十四億人というが、一人っ子政策によって二億人程度、戸籍を持たない幽霊国民がいるとも言われている。
 二月一日に施行された中国の「海警法」では、海警局が恣意的に設定した「管轄海域」において、外国の公船に対する武器の使用を認めている。位置付けも軍の管轄下となり、一万二千トンクラスの船も導入して、海警局はすっかり第二海軍といった様相だ。この新しい法律に従って、海警局が尖閣諸島周辺で日本の海上保安庁の巡視船に攻撃を加えたらどうなるのか。尖閣諸島保有に大きな危機が迫っている。そんな小さな島は中国にあげればいいという人もいるが、そんなことをしたら尖閣諸島だけでは済まない。また領土を失うことは、領海や排他的経済水域も失うということだ。これを考えれば、尖閣諸島は単なる小さな島ではない。
 尖閣諸島には、日本政府の公務員を常駐させるべきだ。しかし日本政府は中国との間で「エスカレーション」が起こることを恐れて、民間人の上陸すら許さない。しかしいずれ、尖閣諸島付近で領海侵犯を繰り返している中国海警局の公船は、島への上陸を試みるはずだ。そうなっては打つ手がなくなる。中国は何をしでかすか、わからない国だ。尖閣諸島は日米安保の対象内だとバイデン大統領も明言しているが、だからといってアメリカ軍の血を流してまで尖閣で戦うかどうかは、また別問題だ。最早中国を刺激しないように…という段階ではない。一国も早く尖閣諸島の常駐を開始すべきだ。
アパグループ五十周年!
記念企画が続々登場
 閣防衛のためには、アメリカとの軍事的な結びつきの強化も重要だ。種子島に近い鹿児島県西之表市の無人島・馬毛島を自衛隊基地として整備、アメリカ軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転を行うという計画が進んでいる。何年も前からの懸案事項だったが一向に進展せず、原田義昭氏ら仲介に入って、ようやく日本政府は二〇一九年に百六十億円で馬毛島を買収することで、地権者と合意した。今後調査や滑走路建設が進む予定だ。しかし地元は賛成派と反対派に二分され、二〇二一年一月の西之表市市長選では、計画反対派の現職市長がわずかな票差で勝利し、今後の計画推進に黄信号が灯った。この施設が完成してFCLPが行われるようになれば、空母化が予定されている「いずも」等の艦載機の訓練も、馬毛島で行うことできるかもしれない。是非計画を推進して欲しいものだ。
 アメリカだけではなく、中国やフランスとも戦って退けたベトナムは、強い国だ。新型コロナにも国を挙げて対応し、感染者こそ二月に入って増えているが、死者は昨年九月からゼロを続けている。ベトナム人は日本人と非常に良く似ていて、優秀だ。真面目で勤勉で礼儀正しい。他の周辺国とは明らかに異なる。国境を接する中国とは古くからしばしば戦争になっているが、日本の元寇同様、神風によって中国軍を敗走させたという古い話があるという。今のベトナムの一人あたりGDPは日本の十二分の一程度だが、ドイモイ政策で経済が非常に伸びているので、今後日本とベトナムの格差はどんどん縮まっていくだろう。
 一九七一年四月一日に登記、五月十日から営業を開始したアパグループは、まもなく五十周年を迎える。昨年予定の東京オリンピックに合わせて多くのホテルを建設、オープンしてきたが、新型コロナがここまで感染拡大するとは思わなかった。創業から赤字を出したことがなく、ここ三〜四年は毎年三百億円程度の利益を出していたアパグループだが、さすがに昨年は営業的にも厳しい年となり、それでも昨年十一月決算では十数億円の黒字が見込まれる。現在五十周年のキャンペーンとして、アパホテルの一泊三千九百円のプランだったり、アパルームシアター千円が無料になったり、マンションモデルルーム来訪等でポイントが貯まる五百万アパポイントプレゼントキャンペーン等を精力的に行っている。