日本を語るワインの会260

ワイン260恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。国際金融の研究者から今は近現代史の研究者として活躍する大阪市立大学名誉教授の山下英次氏、慶應義塾大学出身で陸上自衛隊では一等陸佐まで務めた英霊の名誉を守り顕彰する会の佐藤和夫氏、四十歳から映画作りに乗り出した映画&コンテンツプロデューサーの益田祐美子氏、日本航空で三十年客室乗務員を務め多くのVIPに接した株式会社日本成功学会CEOの黒木安馬氏、ノエビア化粧品の販売で日本一になったこともあるNOEVIR東京葉販売株式会社CEO・代表取締役社長の黒木けい子様をお迎えし、それぞれの活動にまつわる興味深い話で盛り上がりました。
敬虔なイスラム社会の裏に
ダークな世界があるイラン
 人はいくつになっても忙しく活動している方がいい。「粋」という漢字が示しているのは、人間八十八歳ではまだ若く、精神のバランスと人間性の豊かさが実現するのは、九十歳になってからということだ。歳を重ねてもやるべき成功のための習慣は、寝る前に明日やるべきことを六つ書き出すことだ。書き終わったらそれに優先順位をつけ、声に出して読むのだ。毎日六つやることがある人は忙しく、人生を充実したものにすることができる。主婦業も行っているホテル社長は、朝起きてから出社するまでに、二十八項目のやらなければならないことがある。
 今の日本にしてしまったことには、東京大学出身者の責任が大きい。そもそも帝国大学は役人が作ったもので、大学自体に理念がない。一方、山下英次氏や佐藤和夫氏の母校である福沢諭吉が作った慶應義塾大学や、黒木安馬氏の母校である大隈重信が作った早稲田大学等、私立大学には理念がある。帝国大学はそもそもお雇い外国人を重用した伝統から、外国から進んだものを取り入れるという発想が脈々と続いており、いつまで経っても欧米優先の発想がなくならない。一方慶應義塾大学は独立心旺盛な人材を輩出している。卒業生である小泉信三は、論壇が左翼に染まりきっている中でも堂々保守の主張を通した。ただ慶應義塾大学の主流は幼稚舎からの学生であり、大学からの入学者は辛い目にあう。大隈重信は長崎で英語の教師をしていたが、英語はあまり得意ではなかった。しかし明治初期の外交は全て大隈が担った。当時のイギリス公使のハリー・パークスは、広州領事時代に清を暴発させてアロー戦争を引き起こした悪人だが、対峙した大隈重信には圧倒され、日本有利で決着がついたという。語学が堪能でなくても、大隈重信の存在感が凄かったのだろう。大隈は独立自尊の人で、英語の言葉は全て日本語を当てた。それらの単語の多くが、日本でも中国でも使われている。
 イランは百田尚樹氏の小説『海賊と呼ばれた男』に描かれた出光佐三の活躍等もあって、非常に親日的だ。また裏表のある国で、表面上はシーア派イスラム教が全てを左右する世界だが、裏ではアメリカ文化が大好きな国であり、米ドルが幅を聞かせている何でも売り買い可能な「バザール」の世界だ。益田祐美子氏は四十歳から映画製作を志し、イランに行って交渉、ペルシャ絨毯屋の売り子と化して、三百万円の絨毯の売る取引を成立させたことから信頼を得て、「風の絨毯」(二〇〇三)という映画を作ることに成功した。益田氏はイラン人との契約で、口頭の約束と異なる契約書を作られて、それにサインしてしまったことがあるが、その契約書を破り捨て、再契約のために要求された金を値切りに値切って、三十万円で妥結させた。イランでの交渉は非常に難しいものだが、面白いという。
メディアの告白・懺悔で
初めて日本は独立国となる
 二〇二四年の世界の航空会社ランキングでは一位はカタール航空、二位がシンガポール航空、三位がエミレーツ航空で、一位と三位は中東勢が占めている。日本からヨーロッパに行く際、ロシア上空が飛べなくなっているため、アラスカを通る「北回りルート」が多く使われているが、中東を経由する「南回りルート」も注目を集めている。益田祐美子氏は東日本大震災の後、大きな被害を受けた宮城県女川町に、カタールが百二十億円もの義援金を出してくれて、それで冷凍冷蔵施設を作り町が復興していった話を映画にしたく、単身カタールへ。キーマンに繋がらず難航していたところ、偶然ホテルのプールで出会った第三王子の手引で撮影許可を得て、三菱商事のカタール支社から協賛を得ることができた。益田氏が大ヒットを狙って手掛ける最新作は、一月十七日公開の坂東龍汰、西野七瀬主演の映画「君の忘れ方」だ。
 山下英次氏や矢野義明氏らが保守系の学識経験者らが作る「日本の真の独立を目指す有識者会議」は、NHKに「GHQによる国民の洗脳工作に加担させられたことを国民に対して告白・懺悔すること」を求めた公開書簡を、四月二十八日までの回答期限を付けて送った。NHKをはじめとするメディアがこの告白・懺悔をしていないことが、日本が未だに独立できていないことを示している。この公開書簡については、産経新聞と法輪功関係者がアメリカで発刊している大紀元時報で大きく取り上げられたこともあり、事態が大きく動くかもしれない。回答期限の四月二十八日は、一九五二年のこの日、サンフランシスコ平和条約が発効、日本が主権を回復した日にちなんでいる。本当であれば、この日に全てのメディアが、GHQの洗脳に加担したことを告白しなければならなかったのだ。
JAL一二三便墜落の原因は
ボーイング社の
修理ミスによるものか
 一九八五年に群馬県の御巣鷹山に墜落した日本航空一二三便の「真実」と称して、森永卓郎氏が自衛隊の誤射であるという説を触れ回っているが、これは完全に陰謀論でありあり得ない主張だ。一二三便の事故の原因は、その七年前の大阪国際空港での尻もち事故まで遡る。この時の乗務員は機長、副操縦士、航空機関士の三人だったが、着陸時に接地したと勘違いした航空機関士が逆噴射を実施、まだ接地していないのに速度が落ちたことに慌てた機長が操縦桿を引いたことで、機体尾部が滑走路に接触し、後席に座っていた乗務員二名が強く腰を打って、救急車で搬送された。この機体の後尾の圧力隔壁に亀裂が生じたため、日本航空はボーイング社に修理を依頼した。上空で旅客機は地上の三分の一の空気圧に晒されるが、客室内は地上と同じ気圧にするために与圧を掛ける。その際、圧力隔壁は風船のように膨らむ部分で、亀裂があると圧力が抜けてしまう。しかしボーイング社での修理の際、本来二列に打たれなければならないリベットが一列だったため、強度が不足していた。この不備により、一二三便の航行時に圧力隔壁が破壊されたことが、事故の原因だと言われている。ボーイング社も修理ミスを認めており、日本の検察では嫌疑不十分で起訴はできなかったが、非難するのであれば修理を行ったボーイング社の技術者にするべきだ。大阪国際空港で尻もち事故を起こした機長は、事故への責任を感じ、その後も長く自分を責め続けていたという。
 黒木安馬氏は大阪国際空港からの海外便に乗務するため、他の乗務員と一緒に一二三便で東京から移動する予定だったが、一二三便が満席だったため、乗務員の半数が一本先の一二一便へと振り返られた中にいて、事故を逃れた。大阪で他の乗務員を待っている中に悲報が伝えられ、現場は非常に混乱したという。黒木氏は最晩年のオードリー・ヘップバーンのエスコートもしたことがある。まだ旅客機でタバコが吸えた時代で、ギャレーで吸いたいというヘップバーンの要望に応え、他のCAを追い出して、彼女のタバコに火も付けた。一対一で二時間話をしたが、彼女は若い頃はとても貧乏で、朝は花を売り、昼はバレエ学校で学び、夜はキャバレーで踊るという毎日だったという。そんな中、キャバレーにイギリスから来たビジネスマンから「もっときれいな英語を話した方がいい」とアドバイスを受け、英語を彼から学んでいた。彼女がその後に演じた「マイ・フェア・レディ」のイライザのようなことを、彼女は実生活で本当に行っていたのだ。
トランプ政権の施策で
日本に好機が訪れる
 宮中晩餐会では今はフランス料理が提供されているが、なぜ日本料理ではないかという疑問がよく呈される。その理由は、プロトコールと呼ばれる国際儀礼で、フランス料理のフルコースと定められているからだ。また天皇陛下から大綬章勲章を親授される際には、燕尾服の着用が求められるが、燕尾服は夜会の服装であり、昼に行われる親授式には昼の礼服であるモーニングコートを着用すべきではという声がある。これは一九六四年に出された「勲章等着用規定」において、勲一等及び大勲位の勲章をつける際には、男性は燕尾服を着用しなければならないと定められているからだ。勲二等以下の場合はモーニングコート、勲四等以下の場合は平服の着用が認められている。ちなみにタキシードは燕尾服の略装なので、夜の礼服になる。
 今、世界最大の産油国は、ロシアの三倍という豊富なシェールオイルの埋蔵量を誇るアメリカになりつつある。地球温暖化阻止の観点からバイデン政権では抑えられていたシェールオイルの生産だが、トランプ政権になって一気に増産される可能性がある。そうなればオイルの供給過剰で価格が暴落、売り先に困った中東諸国は日本に頼るようになる。電気自動車に関しても、充電スタンドの整備の遅れと扱いの煩雑さからEVの普及が足踏み状態となり、日本車が得意なハイブリッドが人気となってきている。今後、日本経済にとっては、様々な方向から好機が訪れるのではないだろうか。
 合成麻薬の一種のフェンタニルは、薬用では麻酔や鎮痛剤に用いられるもので、ものによってはヘロインの一万倍の効果を持ち、その致死量は二㎎と微量だ。合成麻薬のため大量に製造することが可能で、中国で作られたものが大量にアメリカに流れ、FBIが摘発にやっきになっている。アメリカの力を弱めるための、中国の工作の可能性もあるからだ。日本でもフェンタネル同様のオピオイド系の薬物が微妙に含まれた風邪薬を大量に服用して、多幸感を得る若者が既にいる。ここにフェンタネルが入ってくれば、一気に拡散する可能性が大きい。