恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。この十一月一日に亡くなった西尾幹二氏と共に「新しい歴史教科書をつくる会」を結成した同会副会長の藤岡信勝氏、韓国との商売を行う一方で日韓の歴史も研究する朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏、来年一月一杯で休刊する夕刊フジ編集長の矢野将史氏、早逝した中川昭一氏の秘書だったこともある埼玉県議会議員の諸井真英氏をお招きし、経済から政治まで、今の日本の旬の課題について語り合いました。
トランプ大統領の誕生は
日本にとってもチャンス
日本にとってもチャンス
アメリカ大統領選挙は接戦州を全て抑える等、結局トランプ氏の圧勝で終わった。ウクライナやイスラエルの紛争をすぐに止めさせるという選挙戦での言葉を実行してくれれば、世界は救われる。そもそもトランプ氏が大統領であれば、あの戦いは両方とも起こっていなかっただろう。次期副大統領となったJ・D・ヴァンス氏も魅力的な政治家で、まだ四十歳と非常に若く、トランプ氏の後継者になる資格が十分にある。とにかくトランプ氏については、任期中の暗殺と健康状態が心配だ。トランプ氏は、近しかった安倍氏の脚を引っ張り続けてきたのが石破茂首相だということを知っているはずで、今後石破氏にどのような対応をするかが注目される。トランプ氏が日本側のチャンネルとして、麻生太郎氏に頼る可能性もある。戦争を避けるトランプ氏は、東アジアの安定のために、日本の自主防衛努力の強化を求めてくるだろう。憲法改正が必要になる可能性もあり、高市早苗氏じゃないと対応できない。首相が変わり、トランプ氏と上手く付き合えれば、日本が大きく変わるチャンスだ。かつては安倍氏にトランプ氏の対応を頼っていたG七も、この復活には手を焼くだろう。トランプ氏はアメリカのエネルギー政策を転換する可能性があり、日本の再生エネルギー業界にも影響があるかもしれない。今の日本の再エネ業界には、変な利権絡みが多い。
一方、日本の衆議院総選挙は自民党が自滅して終わった。もし、安倍晋三氏が生きていれば、必ず今回の自民党総裁選に出馬することを想定していたはず。安倍氏が三度目の首相になっていれば、今回の選挙の結果もまた異なっていただろう。総裁選では、何が何でも高市早苗氏を首相にしないという動きがあったのが異様だった。「勝兵塾から首相を」というのが会長の悲願だが、これに一番近いところにいるのが、結成以来の勝兵塾の講師である高市氏だ。
今回の選挙では、政権交代はない。政権交代が起こった二〇〇九年の総選挙では、民主党が三百八議席という絶対安定多数を遥かに越える議席を確保していた。小選挙区ではこういった現象が起きる。当時は二〇〇八年のリーマンショックで景気が悪く、世の中に不満が蓄積していて、麻生政権の支持率も低くなっていった。いろいろなことが積み重なって、運も悪かったのだろう。今回の自民党はそこまでの惨敗ではないが、執行部の責任は問われるべきで、本来なら石破首相が辞任するのが筋だ。来年七月の参院選の前までには、変化が訪れるかもしれない。
一方、日本の衆議院総選挙は自民党が自滅して終わった。もし、安倍晋三氏が生きていれば、必ず今回の自民党総裁選に出馬することを想定していたはず。安倍氏が三度目の首相になっていれば、今回の選挙の結果もまた異なっていただろう。総裁選では、何が何でも高市早苗氏を首相にしないという動きがあったのが異様だった。「勝兵塾から首相を」というのが会長の悲願だが、これに一番近いところにいるのが、結成以来の勝兵塾の講師である高市氏だ。
今回の選挙では、政権交代はない。政権交代が起こった二〇〇九年の総選挙では、民主党が三百八議席という絶対安定多数を遥かに越える議席を確保していた。小選挙区ではこういった現象が起きる。当時は二〇〇八年のリーマンショックで景気が悪く、世の中に不満が蓄積していて、麻生政権の支持率も低くなっていった。いろいろなことが積み重なって、運も悪かったのだろう。今回の自民党はそこまでの惨敗ではないが、執行部の責任は問われるべきで、本来なら石破首相が辞任するのが筋だ。来年七月の参院選の前までには、変化が訪れるかもしれない。
疑問・矛盾が多すぎて
始まらない山上被告の裁判
始まらない山上被告の裁判
安倍氏の暗殺からもう二年以上が経過するが、まだ初公判が行われていない。オウム事件でも、逮捕されてから一年以内に初公判が開かれている。また安倍氏の暗殺が、いつのまにか統一教会の問題にすり替えられている。どんな人が殺されても日本の警察は丹念な捜査をするはずなのに、憲政史上最長の首相在任期間があり、現役の国会議員で政治的実力もまだ十分にあった安倍氏の殺人を、きちんと捜査しないのはどういうことか。銃弾の方向等から、犯人は山上徹也被告ではないという説もある。公判維持が難しいために、このまま事件が闇に葬られる可能性があるのではないか。そんなことは、決して許されない。
安倍氏が撃たれる二週間前に、矢野将史氏は同僚の阿比留瑠比氏らと一緒に安倍氏と会食をした。店に来た安倍氏は、防衛三文書の改定の立役者である防衛省の島田和久次官を岸田文雄首相が慣例通り、二年で交代させたことに非常に立腹していた。安倍氏は矢野氏に「私は個人的な感情を捨て、国のためにいつも判断してきたのに」と三度も繰り返し同じ話をし、岸田氏の判断や姿勢に疑問を示していたという。矢野氏は首相になる前の安倍氏に、夕刊フジの連載を依頼したことがある。一年ほど連載が続いた後安倍氏の首相就任が決まり、代わりの推薦をお願いしたところ、即座に中川昭一氏が良いとその場で電話をしてくれたという。中川氏は先見の明があり、二十年以上前から水源が危ないと、今の海外資本の土地購入を危惧していた。あのまま生きていれば、必ず首相になる器だったのは、衆目の一致するところだ。二〇〇九年に自宅で亡くなっているのが発見されるが、この亡くなり方もおかしい。その前の二月にローマでの酩酊会見が問題になったが、これも某新聞社の女性記者がワインに薬を入れたという説がある。何か大きな力が働いて、中川氏の命を奪った可能性もあるのではないか。
安倍氏が撃たれる二週間前に、矢野将史氏は同僚の阿比留瑠比氏らと一緒に安倍氏と会食をした。店に来た安倍氏は、防衛三文書の改定の立役者である防衛省の島田和久次官を岸田文雄首相が慣例通り、二年で交代させたことに非常に立腹していた。安倍氏は矢野氏に「私は個人的な感情を捨て、国のためにいつも判断してきたのに」と三度も繰り返し同じ話をし、岸田氏の判断や姿勢に疑問を示していたという。矢野氏は首相になる前の安倍氏に、夕刊フジの連載を依頼したことがある。一年ほど連載が続いた後安倍氏の首相就任が決まり、代わりの推薦をお願いしたところ、即座に中川昭一氏が良いとその場で電話をしてくれたという。中川氏は先見の明があり、二十年以上前から水源が危ないと、今の海外資本の土地購入を危惧していた。あのまま生きていれば、必ず首相になる器だったのは、衆目の一致するところだ。二〇〇九年に自宅で亡くなっているのが発見されるが、この亡くなり方もおかしい。その前の二月にローマでの酩酊会見が問題になったが、これも某新聞社の女性記者がワインに薬を入れたという説がある。何か大きな力が働いて、中川氏の命を奪った可能性もあるのではないか。
変質した自民党の票は
そのまま保守系三党へ
そのまま保守系三党へ
「新しい歴史教科書をつくる会」は、一九九六年六月の産経新聞の一面に、全ての会社の中学校の歴史教科書に従軍慰安婦の記述が載ったと報じられたことに危機感を持った藤岡信勝氏が、まず髙橋史朗氏や西尾幹二氏に相談、その後坂本多加雄氏、小林よしのり氏、林真理子氏らも呼びかけ人として加え、一九九六年十二月に発足の記者会見を行った会だ。当初は十年も運動すれば新しい歴史教科書を採択する自治体もでき、後は教科書出版社に任せていればいいと考えていたら、そんなに生易しい世界ではなかったという。今年、茨城県常陸大宮市が「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社の教科書を採択したが、これは二〇〇九年に横浜市の採択以来のことだ。会では、直接教育現場にアピールするような新しい動きを、同じく会の副会長でもある松木國俊氏の事業家としての経験も活かして、模索しているところだ。
諸井真英氏は二十代の頃、ブラジルに二年住んでいたが、その時に小野田寛郎氏に会って話を聞いた。一九七四年に二十九年ぶりに日本に帰国した小野田氏だが、戦前と戦後では日本がすっかり変わってしまっていた。また、全国から小野田氏宛てに集まった多額の寄付金を靖国神社に寄付したところ、朝日新聞をはじめとした左派のメディアや知識人に「軍国主義の化身」などと批判されたこともあり、日本に嫌気がさして、ブラジルに移住することを決断したという。
埼玉県議会では自民党議員団が中心となって今年、子供だけで留守番をさせることを児童虐待とする条例を議会に提出したが、「それでは子育てができない」と世間からの大反対を受け、結局撤回した。二〇二二年にはLGBT理解増進条例を提出して可決させるなど、埼玉県議会自民党議員団の動きについて、安倍氏などは「何をやっているんだ」と苦言を呈していた。諸井氏はこれらの条例に一貫して反対してきたために、議会の自民党会派から除名されている。自民党は保守政党として、日本文化の良いところを守るべきであって、変なものは拒絶しなければならない。LGBTは日本の文化には全くそぐわない。野党が自民党左派に接触することで、自民党全体が変質して来ている。だから今回の総選挙のように、自民党の岩盤支持層が離れてしまい、その票が参政党、日本保守党、国民民主党に流れてしまったのだ。これは自民党が減らした票と、これら三党が増えた票がイコールなことから明らかだ。一方議席が増えた立憲民主党の票数は、増えていない。
諸井真英氏は二十代の頃、ブラジルに二年住んでいたが、その時に小野田寛郎氏に会って話を聞いた。一九七四年に二十九年ぶりに日本に帰国した小野田氏だが、戦前と戦後では日本がすっかり変わってしまっていた。また、全国から小野田氏宛てに集まった多額の寄付金を靖国神社に寄付したところ、朝日新聞をはじめとした左派のメディアや知識人に「軍国主義の化身」などと批判されたこともあり、日本に嫌気がさして、ブラジルに移住することを決断したという。
埼玉県議会では自民党議員団が中心となって今年、子供だけで留守番をさせることを児童虐待とする条例を議会に提出したが、「それでは子育てができない」と世間からの大反対を受け、結局撤回した。二〇二二年にはLGBT理解増進条例を提出して可決させるなど、埼玉県議会自民党議員団の動きについて、安倍氏などは「何をやっているんだ」と苦言を呈していた。諸井氏はこれらの条例に一貫して反対してきたために、議会の自民党会派から除名されている。自民党は保守政党として、日本文化の良いところを守るべきであって、変なものは拒絶しなければならない。LGBTは日本の文化には全くそぐわない。野党が自民党左派に接触することで、自民党全体が変質して来ている。だから今回の総選挙のように、自民党の岩盤支持層が離れてしまい、その票が参政党、日本保守党、国民民主党に流れてしまったのだ。これは自民党が減らした票と、これら三党が増えた票がイコールなことから明らかだ。一方議席が増えた立憲民主党の票数は、増えていない。
経済的合理性を考えて
新幹線の移管を実施すべき
新幹線の移管を実施すべき
来年一月で休刊する夕刊フジだが、休刊の理由の一つが、コロナ禍によってリモートで働く人が増え、通勤しないために途中で夕刊紙を購入する人が減ったからだ。新聞社のネットシフトは簡単ではなく、情報は無料が原則のネットの中で、情報への対価を稼ぐビジネスはかなり難しい。帝国ホテルがコロナ禍の時には隣のビルの賃貸料で生き延びたように、朝日新聞等の新聞社も本業とは別の不動産収入で利益の穴埋めを行っている。ただ、フジサンケイグループの場合は、不動産業は株式会社サンケイビルという別会社になっており、ストレートに不動産収入が新聞社の収益には寄与しない仕組みになっている。
埼玉スタジアムは交通の便が悪く、大宮からだと二回列車を乗り換えないと着かない。今、東京メトロ南北線に繋がっている埼玉高速鉄道を岩槻駅まで延伸して、その途中に埼玉スタジアム駅を作る計画が進行しているが、延伸をするなら大宮に直接繋ぐルートにするべきだ。鉄道会社は経済合理性を考えない計画が多い。北陸新幹線の敦賀以西のルートについては、福井県小浜市から南下して京都を通過して大阪に至る案に決まっているが、完成がいつになるかは全く未定だ。将来的に山陰にルートを伸ばしたいというJR西日本の意向があるのかもしれないが、合理性を考えれば、素直に一番早く完成して一番費用も安い、米原経由のルートにするべきだ。これを阻害しているのは、JR東海の管轄である東海道新幹線に接続したくないという、JR西日本のエゴだろう。であれば、米原〜新大阪の新幹線は在来線に合わせて、金銭によりJR西日本に移管すべきだ。同様に在来線と新幹線の管轄を移管により一致すべきなのが、小倉〜博多だ。この区間の新幹線がJR西日本の管轄であるために、JR九州は環状線として新幹線を運行することができないでいる。本来であれば、そこまで考えて分割民営化すべきだった。今からでも経済合理性を優先して、新幹線の移管を行うべきだ。
東京のアパホテルがとうとう百棟を超えた。今の出店計画は東京一極集中から地方都市への多極化を指向しており、全国に二十ある政令指定都市の内、十八都市にアパホテルが立っている。同時に地方でのフランチャイズホテルの展開にも注力している。今、アパホテルがない都道府県は高知県、島根県だけ。特に地方には排他的で県外からの企業の参入を嫌うところもあり、できるだけ地元企業と連携したフランチャイズのスタイルがアパホテル拡大には有効だと考えている。
埼玉スタジアムは交通の便が悪く、大宮からだと二回列車を乗り換えないと着かない。今、東京メトロ南北線に繋がっている埼玉高速鉄道を岩槻駅まで延伸して、その途中に埼玉スタジアム駅を作る計画が進行しているが、延伸をするなら大宮に直接繋ぐルートにするべきだ。鉄道会社は経済合理性を考えない計画が多い。北陸新幹線の敦賀以西のルートについては、福井県小浜市から南下して京都を通過して大阪に至る案に決まっているが、完成がいつになるかは全く未定だ。将来的に山陰にルートを伸ばしたいというJR西日本の意向があるのかもしれないが、合理性を考えれば、素直に一番早く完成して一番費用も安い、米原経由のルートにするべきだ。これを阻害しているのは、JR東海の管轄である東海道新幹線に接続したくないという、JR西日本のエゴだろう。であれば、米原〜新大阪の新幹線は在来線に合わせて、金銭によりJR西日本に移管すべきだ。同様に在来線と新幹線の管轄を移管により一致すべきなのが、小倉〜博多だ。この区間の新幹線がJR西日本の管轄であるために、JR九州は環状線として新幹線を運行することができないでいる。本来であれば、そこまで考えて分割民営化すべきだった。今からでも経済合理性を優先して、新幹線の移管を行うべきだ。
東京のアパホテルがとうとう百棟を超えた。今の出店計画は東京一極集中から地方都市への多極化を指向しており、全国に二十ある政令指定都市の内、十八都市にアパホテルが立っている。同時に地方でのフランチャイズホテルの展開にも注力している。今、アパホテルがない都道府県は高知県、島根県だけ。特に地方には排他的で県外からの企業の参入を嫌うところもあり、できるだけ地元企業と連携したフランチャイズのスタイルがアパホテル拡大には有効だと考えている。