恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。国土交通大臣政務官を経て今は自民党の国土交通部会長を務める衆議院議員の佐々木紀氏、最初は民主党の衆議院議員に、ブランクの後日本維新の会の衆議院議員として活躍する空本誠喜氏、二〇一八年に第一回アパ日本再興大賞を獲得した江崎道朗氏、四月十三日のパンデミック条約反対デモを主催、東池袋中央公園に二万人を集めた英霊の名誉を守り顕彰する会会長の佐藤和夫氏、テレビ局の記者時代から皇室を担当、独立後は「季刊『皇室』」の制作に携わるなどの活動を続ける皇室ジャーナリストの髙清水有子氏をお迎えし、経済から社会問題、皇室問題に至るまで、幅広い分野での議論を行いました。
首都直下地震に備えるため
再び首都機能移転議論を
再び首都機能移転議論を
元日に発生した能登半島地震からの復興が急がれているが、半島特有のアクセスの悪さや過疎、高齢化等の問題があり、難航している。水道の復旧も遅れている。上水道に関しては、この四月に所管が厚生労働省から国土交通省に移管され、上下水道を一元的に管理できるようになった。今後は水道設備の耐震化に拍車が掛かると考えられる。半島振興法は経済的に不利な半島地域を指定して、予算面等でバックアップするものだったが、今後は道路の整備等インフラ面の強靭化も可能なよう、改正することが必要かもしれない。
マグニチュード七以上の首都直下地震が、今後三十年以内に七〇%の確率で発生するとされている。一九八一年に施行された「新耐震基準」によって、震度七でも倒壊しない建物が増えている一方、百一年前の関東大震災時には火災で多くの人々が亡くなったために、火災を広げない防火対策も進められている。しかし一九九〇年代に盛んに議論された首都機能移転は、すっかり凍結されて今や誰にも顧みられていない。昨年文化庁が京都に移転したが、それがやっとだ。地震がかなりの確率で発生するのであればリスクヘッジのために、例えば経済機能と政治機能を分離するなど、首都機能の分散化を図るべきではないか。一九九〇年代当時は官庁と企業が分散して、業務が遂行できるかが疑問視されたが、コロナ禍を経てその課題はリモートワーク技術で解消できることがわかっている。とにかくデータ等を安全な場所で保管するバックアップ機能の整備は進めなければならない。
大地震において倒壊、火災は免れたとしても、次に襲ってくるのは津波だ。万全な対策を取るべきなのだが、問題なのは警報の在り方だ。今回の能登半島地震では、石川県全域に津波警報が出た。小松市は四メートルの津波が来ても大丈夫なエリアだが、警報が出れば「二次災害を避ける」という理由で警察・消防が動けなくなる。ハザードマップを考慮した警報や警報時の運用を考えるべきだ。
自然災害対策は基本的には地方自治体が主体となって行い、それを都道府県と国が全面的にサポート、自衛隊の災害派遣等も決めるという形だ。能登半島地震の際も、石川県庁に中央省庁から人が大量に派遣され、機能不全に陥りつつあった自治体のサポートを行っていた。四月三日に大地震が発生した台湾の花蓮県では、まず民間の団体が救助活動を始めていた。日本も同様に警察や消防、自衛隊のOBを中心に地域で市民防衛隊を作り、災害や有事には国民保護のために最初に動けるようにするべきだ。さらに道州制を進めて、国は有事に対応し地方は災害に対応と、役割をきちんと分けるべき。そうしないと災害と有事が同時に来た時に全てを官邸が対応しなければならなくなり、確実に破綻する。
マグニチュード七以上の首都直下地震が、今後三十年以内に七〇%の確率で発生するとされている。一九八一年に施行された「新耐震基準」によって、震度七でも倒壊しない建物が増えている一方、百一年前の関東大震災時には火災で多くの人々が亡くなったために、火災を広げない防火対策も進められている。しかし一九九〇年代に盛んに議論された首都機能移転は、すっかり凍結されて今や誰にも顧みられていない。昨年文化庁が京都に移転したが、それがやっとだ。地震がかなりの確率で発生するのであればリスクヘッジのために、例えば経済機能と政治機能を分離するなど、首都機能の分散化を図るべきではないか。一九九〇年代当時は官庁と企業が分散して、業務が遂行できるかが疑問視されたが、コロナ禍を経てその課題はリモートワーク技術で解消できることがわかっている。とにかくデータ等を安全な場所で保管するバックアップ機能の整備は進めなければならない。
大地震において倒壊、火災は免れたとしても、次に襲ってくるのは津波だ。万全な対策を取るべきなのだが、問題なのは警報の在り方だ。今回の能登半島地震では、石川県全域に津波警報が出た。小松市は四メートルの津波が来ても大丈夫なエリアだが、警報が出れば「二次災害を避ける」という理由で警察・消防が動けなくなる。ハザードマップを考慮した警報や警報時の運用を考えるべきだ。
自然災害対策は基本的には地方自治体が主体となって行い、それを都道府県と国が全面的にサポート、自衛隊の災害派遣等も決めるという形だ。能登半島地震の際も、石川県庁に中央省庁から人が大量に派遣され、機能不全に陥りつつあった自治体のサポートを行っていた。四月三日に大地震が発生した台湾の花蓮県では、まず民間の団体が救助活動を始めていた。日本も同様に警察や消防、自衛隊のOBを中心に地域で市民防衛隊を作り、災害や有事には国民保護のために最初に動けるようにするべきだ。さらに道州制を進めて、国は有事に対応し地方は災害に対応と、役割をきちんと分けるべき。そうしないと災害と有事が同時に来た時に全てを官邸が対応しなければならなくなり、確実に破綻する。
英米では安全保障のために
法的根拠なしで通信を傍受
法的根拠なしで通信を傍受
江崎道朗氏はこの四月、茂田忠良氏と共著で『シギント‐最強のインテリジェンス‐』(ワニブックス)を上梓した。アメリカやイギリス等アングロサクソン系英語圏五カ国による機密情報共有のネットワーク「ファイブアイズ」の解説から始まって、世界的に行われているシギントと呼ばれる通信等の傍受による諜報活動の全貌を描くものだ。江崎氏はインテリジェンスの専門家だが、茂田氏も警察官僚から防衛庁の陸幕調査部や内閣衛星情報センターで要職を務めた情報のプロだ。日本に今必要なのは、アクティブサイバーディフェンス(能動的サイバー防御)だ。アメリカやイギリス、中国は電話もインターネットも全て傍受して、それと市民の銀行口座を結びつけた情報を把握している。だからウクライナ戦争が勃発した時に、プーチン大統領やその側近らの在外資産を速やかに凍結することができた。ファイブアイズ等ではこれらの情報を融通し合っているが、日本は情報を取られるばかりで得ることができず、サイバーインテリジェンスでも専守防衛になっている。日本を守るためには、世界標準のインテリジェンスの知識がもっと広まらなければならない。
今国会で成立した「セキュリティ・クリアランス法」は経済安全保障分野に関して、民間であっても重要情報の取り扱いを有資格者のみに絞るというものだが、その資格のための適格性調査は日本の場合、基本自己申告だ。しかしイギリスやアメリカでは、携帯電話やパソコンの通信を傍受、銀行口座も調べる等徹底的な調査を行って、中国やロシアとの繋がりがないかを探る。今回のセキュリティ・クリアランス法成立によって、世界標準のシギントが日本でも行われるようにならないと、中国や北朝鮮に情報を抜かれ放題になる。昨年八月に中国人ハッカーが防衛省ネットワークに侵入していることをワシントン・ポストが報じたが、これはNSA等アメリカの情報機関が日本の政府機関の通信を傍受しているからわかったことだ。
安全保障に関しては、法的根拠がなくても通信傍受等をやってもよいというのが、世界のインテリジェンスのルールだ。これを日本の官僚やメディアが知る必要がある。インテリジェンス予算に関しても、アメリカは年間十八兆円、イギリスでも一兆五千億円ある。対する日本は四千億円程度だ。これまでインテリジェンスをアメリカにおんぶにだっこされてきた日本だが、せめて予算をイギリス並にしなければならない。この四月に外務省はようやく情報戦に本格的に取り組む方針を打ち出したので、今後に期待したい。
今国会で成立した「セキュリティ・クリアランス法」は経済安全保障分野に関して、民間であっても重要情報の取り扱いを有資格者のみに絞るというものだが、その資格のための適格性調査は日本の場合、基本自己申告だ。しかしイギリスやアメリカでは、携帯電話やパソコンの通信を傍受、銀行口座も調べる等徹底的な調査を行って、中国やロシアとの繋がりがないかを探る。今回のセキュリティ・クリアランス法成立によって、世界標準のシギントが日本でも行われるようにならないと、中国や北朝鮮に情報を抜かれ放題になる。昨年八月に中国人ハッカーが防衛省ネットワークに侵入していることをワシントン・ポストが報じたが、これはNSA等アメリカの情報機関が日本の政府機関の通信を傍受しているからわかったことだ。
安全保障に関しては、法的根拠がなくても通信傍受等をやってもよいというのが、世界のインテリジェンスのルールだ。これを日本の官僚やメディアが知る必要がある。インテリジェンス予算に関しても、アメリカは年間十八兆円、イギリスでも一兆五千億円ある。対する日本は四千億円程度だ。これまでインテリジェンスをアメリカにおんぶにだっこされてきた日本だが、せめて予算をイギリス並にしなければならない。この四月に外務省はようやく情報戦に本格的に取り組む方針を打ち出したので、今後に期待したい。
利用客の利便性からは
広島西空港の復活がベスト
広島西空港の復活がベスト
三月十六日に北陸新幹線が敦賀まで伸び、金沢から敦賀が約四十分〜一時間で結ばれるようになった。東京からも乗り換えなしで敦賀に行くことができる。しかし大阪や名古屋からは、これまであった金沢まで直行の特急が無くなり、敦賀で北陸新幹線に乗り換えなければならない。非常に不便になったという声が、名古屋や関西から出ている。
そこで注目が集まっているのは、五十年間塩漬けになっている北陸・中京新幹線の案だ。北陸新幹線は現在の計画では、敦賀から先は小浜を経由して京都に向かうが、北陸・中京新幹線は敦賀から米原を経由して名古屋に至るものだ。名古屋から新幹線一本で金沢に至ることができるこのルートには、需要が大きいのではないか。
しかし新幹線ができれば併行する在来線は地方に委託するルールなので、北陸・中京新幹線ができれば米原以北の北陸本線が三セクになり、現在敦賀〜名古屋を結んでいる特急しらさぎも廃止になる可能性が高い。滋賀県民はこれが困るというだろう。一方、名古屋の人だけではなく、石川県民や富山県民も米原に繋がると便利だし、名古屋まで行けば将来はリニア中央新幹線との接続が可能になる。また北陸・中京新幹線の岐阜県内の駅は、東海道新幹線の岐阜羽島駅ではなく、岐阜駅に置くべき。その方が観光にもビジネスにも利益を得る人が多いだろう。今後しっかりと議論すべきだ。
広島空港は広島市街からバスで一時間、JR利用だと最寄り駅からバスに乗り換える必要があり、これも一時間ほど掛かる。かつてはJR広島駅から車で三十分のところに、現在広島ヘリポートとなっている広島西飛行場があり便利だったが、滑走路が短く大型ジェット機の離着陸ができないことから、廃港となった。しかし東京でも成田空港よりも羽田空港の重要性が増しているように、やはり空港は都心に近い方が圧倒的に利便性が高く、これは観光客の集客数も左右する。西飛行場でもボーイング七六七クラスの中型ジェット機の離着陸は可能なのだから、この空港を復活させるべきではないか。
そこで注目が集まっているのは、五十年間塩漬けになっている北陸・中京新幹線の案だ。北陸新幹線は現在の計画では、敦賀から先は小浜を経由して京都に向かうが、北陸・中京新幹線は敦賀から米原を経由して名古屋に至るものだ。名古屋から新幹線一本で金沢に至ることができるこのルートには、需要が大きいのではないか。
しかし新幹線ができれば併行する在来線は地方に委託するルールなので、北陸・中京新幹線ができれば米原以北の北陸本線が三セクになり、現在敦賀〜名古屋を結んでいる特急しらさぎも廃止になる可能性が高い。滋賀県民はこれが困るというだろう。一方、名古屋の人だけではなく、石川県民や富山県民も米原に繋がると便利だし、名古屋まで行けば将来はリニア中央新幹線との接続が可能になる。また北陸・中京新幹線の岐阜県内の駅は、東海道新幹線の岐阜羽島駅ではなく、岐阜駅に置くべき。その方が観光にもビジネスにも利益を得る人が多いだろう。今後しっかりと議論すべきだ。
広島空港は広島市街からバスで一時間、JR利用だと最寄り駅からバスに乗り換える必要があり、これも一時間ほど掛かる。かつてはJR広島駅から車で三十分のところに、現在広島ヘリポートとなっている広島西飛行場があり便利だったが、滑走路が短く大型ジェット機の離着陸ができないことから、廃港となった。しかし東京でも成田空港よりも羽田空港の重要性が増しているように、やはり空港は都心に近い方が圧倒的に利便性が高く、これは観光客の集客数も左右する。西飛行場でもボーイング七六七クラスの中型ジェット機の離着陸は可能なのだから、この空港を復活させるべきではないか。
秋篠宮皇嗣殿下の護衛が
極めて脆弱になっている
極めて脆弱になっている
広島駅から東京駅まで新幹線では約四時間で、ちょっと時間が掛かる。広島空港の遠さから、安芸の宮島観光後等場合によっては山口県の岩国空港を利用した方が便利な場合がある。山口県には宇部、岩国、萩と空港が三つある。首相を多く輩出する県は、インフラの整備が進んでいる。元々周防と安芸はいずれも毛利氏が治めていた歴史から岩国は広島文化圏の地で、その縁からか広島東洋カープの二軍の本拠地は岩国だ。広島には今、京都同様外国人観光客が多い。観光需要の伸びしろが大きいのは、やはり関西だ。景気の波は西からと言われるが、観光に関しても外国人旅行者が来日しやすい西側から良くなってきている。
今、秋篠宮皇嗣家の護衛が脆弱になっている。平成にはあった東宮護衛課が、なぜか令和になって無くなった。そのため、秋篠宮皇嗣殿下が移動する時には交通規制も行われないし、白バイや警察車両が付くこともない。皇位継承順位第一位の方に対して、こういう護衛はあり得ない。令和になってから上皇護衛課ができ、そちらに人員を割かれているという話もあるが、なんとか両立するべきだ。今回の能登地震に際して、天皇陛下は被災地を全て廻られた。素晴らしいことだ。
将棋の叡王戦の第二局が四月二十日にアパホテル&リゾート加賀片山津温泉佳水郷で行われ、挑戦者の伊藤匠七段が藤井聡太叡王に勝利した。伊藤七段は五月二日に名古屋で行われた第三局にも勝ち、五月三十一日に行われる第四局に勝てば、タイトルを藤井叡王から奪取することになる。二人は同い年で幼少期からライバル。プロとしては藤井叡王に十一連敗だった伊藤七段がここで二勝を挙げたことで、次の第四局は今回の叡王戦のポスターのキャッチコピーの「百年、語りつがれますように。」が現実になるかもしれない。第二局で伊藤七段は、アパ社長カレーのカツカレーを食べて勝利した。第三局では藤井叡王がカツカレーを食べたが敗れた。やはり単なるカツカレーではなく、アパ社長カレーでなければ駄目なのかもしれない。
今、秋篠宮皇嗣家の護衛が脆弱になっている。平成にはあった東宮護衛課が、なぜか令和になって無くなった。そのため、秋篠宮皇嗣殿下が移動する時には交通規制も行われないし、白バイや警察車両が付くこともない。皇位継承順位第一位の方に対して、こういう護衛はあり得ない。令和になってから上皇護衛課ができ、そちらに人員を割かれているという話もあるが、なんとか両立するべきだ。今回の能登地震に際して、天皇陛下は被災地を全て廻られた。素晴らしいことだ。
将棋の叡王戦の第二局が四月二十日にアパホテル&リゾート加賀片山津温泉佳水郷で行われ、挑戦者の伊藤匠七段が藤井聡太叡王に勝利した。伊藤七段は五月二日に名古屋で行われた第三局にも勝ち、五月三十一日に行われる第四局に勝てば、タイトルを藤井叡王から奪取することになる。二人は同い年で幼少期からライバル。プロとしては藤井叡王に十一連敗だった伊藤七段がここで二勝を挙げたことで、次の第四局は今回の叡王戦のポスターのキャッチコピーの「百年、語りつがれますように。」が現実になるかもしれない。第二局で伊藤七段は、アパ社長カレーのカツカレーを食べて勝利した。第三局では藤井叡王がカツカレーを食べたが敗れた。やはり単なるカツカレーではなく、アパ社長カレーでなければ駄目なのかもしれない。