豊田 吉哉氏
昭和40年兵庫県伊丹市生まれ。からたち幼稚園卒園後、三田市立志手原小学校に入学し、三田市立上野台中学2年まで、自然に囲まれてガキ大将としてクワガタ、カブトムシ取り、野球、相撲、テニス、陸上競技等に没頭する環境で幼少期を送る。受験に備え中学3年に大阪市淀川区新北野中学校に転入し、私立甲陽学院高校に進学、高校時代は3年間硬式野球部に所属。神戸大学医学部に進学。大学時代は6年間体育会柔道部に所属し、医学部柔道部主将、弐段位取得。平成2年神戸大学医学部を卒業し、第2外科学講座に入局。以後、神戸大学病院、兵庫県立こども病院心臓外科、高砂市民病院外科、国立篠山病院外科、神戸労災病院心臓血管外科で、外科医としてのトレーニングを積む。平成5年から9年まで4年間大学院博士課程に所属、慢性心不全に対する外科治療で博士号取得。兵庫県立こども病院心臓外科に勤務した後、ハーバード大学医学部ベスイスラエルディーコネス医療センターに研究フェローとして3年近く留学。その後一時帰国し、神戸市立中央市民病院心臓外科で勤務の後、再びハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院心臓外科で、シニア―フェロー、チーフフェローとして心臓外科のトレーニングの後、ピッツバーグ大学心臓外科心肺移植人工心臓フェロー。2006年Assistant Professorとして心臓外科スタッフに昇進。2007年Associate Professor、2008年心肺移植人工心臓部門の主任に昇進。ピッツバーグ大学心肺移植部門の全米一位に貢献。2011年よりProfessorとしてテンプル大学に転身。2015年より心臓血管外科部門の主任として現在に至る。この間、米国、日本をはじめ、世界各国からの多数の心臓外科医を育てる。
心臓病の多いアメリカへ
元谷 本日はビッグトークへの登場、ありがとうございます。豊田さんは今、アメリカにお住まいなのですね。
豊田 今日はよろしくお願いします。はい、私は今、アメリカのフィラデルフィアに住んでいます。ニューヨークとワシントンDCの間にある、人口が約百六十万人の全米で六番目に人口の多い街です。今回は一週間だけ帰国しています。
元谷 まず読者にわかるように、豊田さんの自己紹介からお願いしたいのですが。
豊田 はい。私は一九六五年、昭和四十年に兵庫県で生まれて、高校は西宮市の甲陽学院、大学は神戸大学医学部に進みました。大学を一九九〇年に卒業して、三年間研修医等をして、また大学院へ行って一九九七年に博士号を取得しました。そして、兵庫県立こども病院で心臓外科医として一年半勤務した後に、アメリカのボストンにあるハーバード大学に三年研究留学をしました。日本に帰って神戸市立医療センター中央市民病院の心臓外科に一年半勤めた後に再び渡米して、ボストンにあるマサチューセッツ総合病院というハーバード大学関連の病院で臨床医として勤務することになりました。それ以降はずっとアメリカ暮らしで、心臓外科医の仕事をしています。
元谷 そもそも豊田さんが、心臓外科医になろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
豊田 私が中学生の時に、祖母が心臓病で亡くなりました。それで医学部に行って、心臓専門の医者になろうと思ったのです。
元谷 なるほど。ただ、日本にいても心臓外科医として働くことはできるのに、なぜアメリカに行くことにしたのでしょうか。
豊田 神戸大学医学部を卒業して、大学の病院で研修医をしている時に、カナダのトロントの小児病院から帰国した先輩の先生がいらっしゃって、アメリカで心臓外科のトレーニングする方法があると教えてくれました。心臓外科医が技術を磨くためには、やはり多くの手術を手掛ける必要があるのですが、日本では心臓外科の手術が少なく、それを何人かの研修医で分け合いますから、上手くなるのに時間がかかります。一方、アメリカでの死因は心臓病が一番で、一施設当たりの心臓外科症例数は格段に多いのです。例えば胃癌であれば日本の方が多いので日本で十分トレーニングできると思うのですが、米国は心臓の症例数が非常に多いですから、若い医師でも一年で何百人と患者を担当することになり、手術をする機会が多いのです。自らの技術を磨くにはアメリカの方が良いと思い、渡米を決意しました。もちろんアメリカで臨床医をするには国家試験に合格することが必要なのですが、その資格は研究留学の前には取得していました。
元谷 以来アメリカで活躍されて、希望通りに技術を磨かれて、スーパードクターとして多くの人命を助けています。今はどういうボジションなのでしょうか。
豊田 フィラデルフィアにあるテンプル大学病院の心臓血管外科講座の主任教授を務めています。日本でトレーニングを受けた日本人で、米国の大学病院の主任教授になったのは私が初めてのようです。私の下にはアメリカ人をはじめとして世界中から多くの医師が来て、トレーニングを受けています。
元谷 なかなか就くことができないポジションを得たということは、それだけ高く評価されているということですね。
豊田 そうかもしれませんが、今のところ幸運です。
元谷 これまで手掛けた手術で、一番印象に残っているのはどういうケースでしょうか。
豊田 十年程前のことですが、婚約したばかりの若い男性が肺炎に掛かって、レントゲンで見ると二つの肺がどちらも真っ白なのです。そこでECMO(エクモ)という、体内の血液を毎分三~五L取り出して酸素を与えてまた体に戻すという人工の肺をつけて生命を維持、その後一気に両肺ともを移植をする手術を私が手掛けました。私は心臓だけではなく、肺移植も行います。移植手術をしなければ一〇〇%亡くなっていた方なのですが、手術の日、手術室に入る直前に、我々の集中治療室で結婚され、両肺移植から回復した後、二人の子供を作って今も元気に暮らしています。
元谷 豊田さんの高い技術があってこそ、二つの肺を同時に移植するといった難しい手術も可能になるのでしょうね。他にも、豊田さんが手術をしたから助かったというケースがいろいろとあるのではないでしょうか。
豊田 はい、あると思います。
元谷 その時の患者さんからすれば、豊田さんは本当に神様のような存在です。特に心筋梗塞や脳梗塞等、心臓や脳に関する病気には、発症直後に亡くなりやすいものがあり、非常に重要な臓器だなと感じています。
豊田 特に心臓疾患だとすぐに亡くなります。脳の場合は脳死になっても心臓はまだ動いていて、臓器移植のドナーになったりするのですが、ただ肺も含め、どの臓器も役割があり、どれも大事です。
バランスの良い食事が大切
元谷 今回は一週間帰国されているとのことですが、何か特別な目的があったのでしょうか。
豊田 今回は母の見舞いが一番の目的です。前回帰国した時に、両親と私の家族で兵庫県の有馬温泉に行ったのです。ところが朝、大浴場で母が倒れて。女湯ですから私がすぐに入って処置することはできず、外で待っていたのですが、出てきた母の血圧が七〇になっていました。すぐに母校の神戸大学病院心臓血管外科の先輩に電話で連絡し、私も同乗して救急車で向かいました。救急車の中でも血圧が低下していったのですが、救急隊員は点滴をとることが許されていないということで、私が救急車の中で点滴を行いました。病院に到着すると、循環器科と心臓外科がスタンバイしてくれていました。救急部でまず心臓超音波検査(エコー)を行ったのですが、心臓の周りに血液が溜まっていました。ということは心筋梗塞ではなく、解離性大動脈瘤だろうと判断され、CTスキャンでそれを確定させて緊急手術を行い、一命を取り留めました。解離性大動脈瘤というのは大動脈の壁が裂けた状態のことで、石原裕次郎さんも罹患した病気です。
元谷 豊田さんが一緒で良かったですね。
豊田 それもありますが、神戸大学病院の素晴らしい医療のおかげでした。また早朝というのも良かったです。心臓カテーテル室も手術室もすぐに両方スタンバイして頂くことができ、緊急手術を受けることができました。
元谷 それは本当に幸運でした。倒れられたのが有馬温泉で、豊田さんの母校の神戸大学まで近かったというのも、助かった要因の一つでしょう。最近感じるのは住む場所の大切さで、何か体に異変があっても、病院が近ければすぐに処置をして助かることができるのに、遠いと時間が経過して間に合わなくなるかもしれません。私の家は病院に近いので安心なのですが。
豊田 処置が早い方がいいのは確かですね。
元谷 罹患しなければ、まだまだ人間の寿命は伸びる余地があるといわれていますが、確かに以前に比べると日本人の平均寿命は伸びました。多くの場所にAEDが設置されるなど、素早く処置をする体制が整ってきたことも、寿命の伸びに寄与していると思います。
豊田 その通りだと思います。あと癌の治療法も進んできました。そして、抗癌薬も随分良くなっています。
元谷 確かに薬の進歩も大きいです。豊田さんはこの先もアメリカで治療をするのでしょうか。それとも日本に帰ってくる予定はあるのでしょうか。
豊田 心臓外科医としては、特にアメリカにはこだわっておらず、患者の役に立てるのであればどこでもいいと思っています。ただ、アメリカにいる理由の一つとしては、症例数が多いので次世代の心臓外科医の養成がしやすいことがあります。私の勤務するテンプル大学病院にも、日本を含めた世界中から心臓外科医を目指してトレーニングを積みに、留学生がやってきます。
元谷 やはり心臓病患者の数が多いので、アメリカに留学してくるのですね。
豊田 心筋梗塞はアメリカ人に多いですね。一方、日本人は大動脈関連の疾患が多いです。アメリカ人に心臓病が多いのは、食べ物や違法薬物など生活習慣の違いが要因としては大きいと思います。それに伴う肥満ですね。比較すると、日本人は痩せた人が多いですが、最近はアメリカ人も肥満や食生活に注意するようになってきていますから、心臓病での死亡数は減ってきています。
元谷 アメリカでは肉を多く食べるから…ということでしょうか。
豊田 一番の問題は、健康に悪い食べ物を大量に食べたり、ジュースなど砂糖を多く含んだ飲み物や食べ物を取り過ぎていることでしょう。食のバランスの問題ももちろんあると思います。
元谷 適当なバランスで食事をしていると良いのですが、偏ると良くないですね。私の友人で肉が好きで、朝昼夜食べていると豪語する人がいたのですが、しばらくして脳内出血で亡くなりました。肉も魚も野菜も、いろいろな食材をまんべんなく食べるのが、一番健康にいいと思うのです。また大人になって偏食をするかどうかは、子供の頃に家庭でどんなものを食べていたかに左右されますね。子供を偏食のままにしておくと、将来肉ばかり食べるような大人になる。そういう意味で食生活は健康に大事ですし、子供の時の食教育も重要だと感じています。
豊田 仰る通りです。アメリカは貧富の差が大きく、裕福な家庭はきちんと教育され、健康を管理してバランスの良い食事も摂るのですが、貧困層の家庭では親がだれかもわからなかったり、食についての教育も受けずに、あまり健康に良くないような食べ物、飲み物、例えばハンバーガーやソーダ、コーラなどの摂取量が多くなります。
元谷 ソーダやコーラも体に良くないのでしょうか。
豊田 糖分が多いですから、飲み過ぎるのは良くありません。
元谷 私はコーラが結構好きなのですが…。飲み過ぎるというほどではありません。日本のお茶が一番好きですから。
豊田 お茶やお水、お湯は健康に良いと思います。肉などアメリカの食材は手に入りやすいですが、私は普段は和食を食べています。
元谷 やっぱり和食ですね。
適度に運動を行う
元谷 バランスの良い食事に加え、程度な運動も体に良いと言われています。日本にいると、欧米人が朝、走っている姿を良く見かけます。日本に来る人は比較的裕福で、健康にも留意しているということでしょうか。
豊田 そうだと思います。
元谷 ただ運動も適度なものなら良いのですが、やり過ぎると逆に体を害するように思います。肉体の限界に挑戦するようなスポーツ選手は、どこか体に無理が掛かっているのではないかと。また健康のために体を鍛えるとしても、筋肉を鍛えることはできますが、では脳や心臓はどうやって鍛えればいいのか。なかなか難しい問題だと思います。
豊田 確かにマラソンに出場して、膝を痛めたり、心臓に負担になっている方は結構いらっしゃいます。
元谷 一日何十kmも走るのは、やはり体にはかなりの負担だと思うのです。そして内蔵はなかなか鍛えられない。外見では健康そのものなのですが、内蔵が傷んでいて、病気になったりということもあるのではないでしょうか。
豊田 私の肺移植の先生は、七十代の時にトライアスロンをしている最中に亡くなりました。一般的に、若いうちは多少過度な運動にも耐えられると思います。子供の頃から大学生までは、私もずっと激しい運動をしていました。
元谷 私は、長く闊達に生きることができた人が人生の勝者だと考えています。ですから、いくら素晴らしいことを達成しても、早くに亡くなったら終わりなのです。亡くならないためにどうするかということを、いつも考えていますね。まあ私などはもう少し運動した方がいいのかもしれませんが、体に負担を掛けるようなことは控えたいと思っています。
豊田 私の友人にも生真面目な人がいて、疲れていても「いつもやっているから」と運動をするのです。そんな義務感に捉われて無理して運動して、倒れてしまえば意味がありません。疲れているのであれば、サボればいいと思うのです。生真面目な人ほど、危ないかもしれませんね。
元谷 私もそう思います。また何か異常があれば、すぐに検査をすることも大切です。私がまだサラリーマンだった頃、後輩が職場で一度倒れたのです。これは大変だと思ったら、しばらくしたら自分で立ち上がり、「大丈夫」だと言うのです。大したことがなくて良かったなとその時は言っていたのですが、数カ月後にもう一度倒れて、そのまま亡くなってしまいました。一回目ですぐに回復したので、本人も原因を深く考えなかったのだと思います。体が大きくいかにも健康そうで丈夫な感じだったことが、災いしたというか…。
豊田 心臓疾患だったのかもしれませんね。心筋症、心臓弁膜症や先天性の異常で失神することがありますし、その他いろいろな病気があり、突然死する場合もあるのです。
後々の管理体制も考えて
元谷 昔私のアメリカの友人に、医者と弁護士は必ず友人に持っていた方がいいと言われたことがあります。医師の友人のアドバイスは健康のために有益ですし、なんらかのトラブルに巻き込まれた時に有能な弁護士がいれば安心です。特にアメリカは訴訟社会です。自分の家で他人が濡れた床で滑って怪我をすれば、その人から濡れた床を放置したことが怪我の原因と、損害賠償を求める訴訟を起こされますから。
豊田 確かにアメリカはそういう感じですね。家の雪かきが滞っていたために、そこで転倒して頭を打ったことに対する損害賠償訴訟というのもありますし。
元谷 日本の常識では自己責任では? ということでも、アメリカでは必ず誰か他に責任者がいるはず…となるようです。
豊田 また請求する賠償額が数億円と巨額です。
元谷 まず大きく吹っ掛けて、途中で要求を下げて手打ちするというのが、アメリカでは「ディール」の定番テクニックなのでしょう。
豊田 今私はリッツカールトンというホテルチェーンの、レジデンスと呼ばれる分譲マンションに住んでいます。ですから雪かきも芝刈りもせずに済んでいます。
元谷 私は以前、ロサンゼルス郊外のハンティントン・ハーバーという高級住宅地に家を持っていました。当時はよくアメリカに遊びに行っていたのですが、ホテルに泊まるよりも家を持った方がいいと思ったのです。ここには住民委員会があり、物件の売買にはこの委員会の承認を得る必要がありました。周囲の家の住民は白人ばかりで、私は初の有色人種として承認を得ることができたのです。ただ、たまにしか訪れないので芝の管理が甘く、近隣から苦情が来て、さらに訴訟をするとも脅されたので、煩わしくなってしばらくして売却してしまいました。アメリカの戸建ての場合、必ず前庭があるのですが、そこは塀にも門にも囲まれていないのです。オープンな場所なのですが、芝刈り等の管理を厳しく近隣の家から見られる。やはりエリアごとに大切な習慣というのがあり郷に入っては郷に従えで、私も管理会社に依頼する等、手を打っておけばトラブルにはならなかったと思うのですが。
豊田 私もピッツバーグでは、子供がまだ小さかったので戸建てに住んでいました。芝刈り、落ち葉拾い、雪かきが必要でした。そこも白人エリアだったのですが、ご近所は皆さんいい方ばかりでしたね。今は妻と二人ですから、マンションの方が便利です。セカンドハウスを購入しないかと勧誘を受けることもあるのですが、別荘を購入すると今の元谷さんのお話のように管理が大変です。そんな別荘は買わず、代わりに旅に行ったら良いホテルや旅館に宿泊するようにしています。
元谷 確かに所有をすると管理が大変になります。ハンティントン・ハーバーにはどの家にも係留施設があって、クルーザーを保有しているのです。ただ船は管理費用が高いので、買った喜びよりも売れた喜びの方が大きいと話している人がいました。また、私はアメリカの家にも車を置いていたのですが、空港からレンタカーで家まで行っていたので、ほとんど使用しませんでした。これもメンテナンス代だけが掛かりましたね。
豊田 最近私は、空港への行き来にはウーバーというライドシェアサービスかタクシーを使っていて、自分で運転することはありません。
元谷 日本でも簡易版のライドシェアは始まりましたが、本格的なものはまだまだです。とにかく管理が必要な資産を遠隔地に持つのは大変です。最後にいつも「若い人に一言」をお聞きしているのですが。
豊田 目の前のことを一生懸命やることが大事です。目の前のことを好きになる、あるいは別の好きなことを見つけられるとより一層良いです。自分が好きなことをやっていると、多少の苦労があっても楽しく頑張れるので、働き甲斐、生き甲斐を感じることができ、人生楽しくなってきます。私のように単身アメリカに行っても、楽しく一生懸命に働いていると、誰かが認めてくれて、また次のポジションに繋がっていきます。またアメリカのようないろいろな人種の人がいる国で働いていると、そんな中でリーダーになるには日本人が向いていると感じます。キリスト教、ユダヤ教やイスラム教等宗教に縛られる人が多い中、日本人であればどんな宗教も受け入れることができますから。
元谷 そもそも日本は八百万の神というか、自然を信仰している国ですね。
豊田 一緒に働く人の中には有色人種も多いですが、彼らの中には植民地から開放してくれたあるいは人種差別を無くす努力を早くからしてくれた国の人だという目で日本人を見てくれる人もいます。アメリカの大学、医学部、その中のほとんどの部門のトップは白人である中で、私のような日本人がトップでいると、期待してくれている人もいます。そういう意味でも、日本人はリーダーに向いていると思います。
元谷 豊田さんは、東京に来た時にはいつも靖国神社に参拝しているとか。これはどうしてなのでしょうか。
豊田 今朝も行ってきました。子供の頃に歴史をほとんど勉強していなかったのですが、アメリカに行ってからいろいろと学び、日本の本当の歴史を知ったからだと思います。あの大東亜戦争で亡くなられた先人がいかに過酷な状況でも家族、日本、植民地支配された国々のために必死に戦って亡くなられたかを知ると、尊敬、感謝せずにはおられません。ですから東京に来た時にはいつも靖国神社に参拝しています。アメリカの自宅に靖国神社をはじめ、伊弉諾神社、生田神社、比叡山延暦寺などからもらってきたお札や、盃、扇子、英霊の言の葉などで神棚を作って、毎朝感謝してから出勤しています。医学部の同級生に限らず高学歴の人は一般に、子供の頃から受験勉強を必死でして、自虐史観中心の歴史をしっかり勉強した人がほとんどなので、靖国神社に参拝したことのある人はあまりいません。若い人には、是非靖国神社に行って遊就館で学んでほしいと思います。
元谷 そこで正しい歴史観、国家観が養われて、愛国心もしっかりと持ったということですね。アメリカから見た日本の良さは何でしょうか。
豊田 やはり日本は伝統と歴史のある、しっかりとした国体を持つ良い国だと思います。人々は他人を思いやる心を持っています。治安の良さはアメリカとは大きく異なります。日本は犯罪率がアメリカに比べて格段に低く、違法薬物も最近は増えているようですが、アメリカに比べるとはるかに少ないです。アメリカのような銃犯罪はほとんどありません。町が清潔で、食事もおいしいです。
元谷 そんな日本をさらに良い国にするためにも、豊田さんには心臓外科医としてこれからも活躍してもらいたいと思います。今日はありがとうございました。
豊田 ありがとうございました。