日本を語るワインの会237

ワイン237恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。航空自衛隊の救難ヘリコプターパイロットだった那覇市議会議員の大山孝夫氏、江戸蘭学の発展に貢献したシーボルトの子孫である株式会社しぃぼるとぷろだくしょん代表取締役の関口忠相氏、演じるだけではなく舞台の脚本執筆も増えてきた女優の鳳恵弥氏、陸上自衛隊の高射特科部隊の小隊長を五年間務めた評論家で第五回アパ日本再興大賞優秀賞受賞の小幡敏氏をお迎えし、正しい歴史を伝えていく困難さ等を語り合いました。
オフレコ破りの記事は
報道の名を借りたテロだ
 政府の支持率が低下している時、与党の国会議員として一番気をつけるべきなのは、スキャンダルや失言の連鎖が起こらないようにすること。万が一、何か問題が発生した場合には、すぐに隠すことなく全てをさらけ出して、言い訳をしないことだ。金銭関係は常にきれいにして、絶対にトラブルが発生しないようにするべき。失言も防ぐことができる。失言のほとんどが、他の議員主催のパーティーでのウケ狙いの話か例え話だ。出席することで自分の役割は果たしているはずなので、下手に会場を笑わそうとは思わないことだ。
 オフレコ前提の囲み取材における荒井勝善首相秘書官の同性愛者に関する発言が、連日メディアで糾弾されている。倫理的には、思っていても言うべきではない発言だという意見があってもおかしくない。しかし、新聞記者がオフレコ取材の内容を、発言者を明記して記事にすることは、職業人としては自殺行為だ。俗に物事には5W1Hがあると言われるが、誰が記事を書いても基本WHY以外は同じになるはずだ。しかしWHYについては、見る人によって変わってくる。一つの殺人事件でも、加害者から見れば親の敵討ちかもしれないが、被害者から見れば理不尽な恨みかもしれない。記者の仕事とはWHYを沢山聞いて、事実に様々な角度からの光を当てて、それを立体的な真実に再構築して、世の中に問うことだ。そうすることで、今日結論が出なくても、後々の人が判断しやすいような足跡を残すことができる。
 最初に荒井秘書官の発言を報道した毎日新聞は、同性婚に賛成というスタンスなのかもしれない。しかし、そもそも秘書官が、個人的に同性愛者が好きか、嫌いかということがニュースになるのだろうか。基本どうでもいいことだ。毎日新聞は第一報で「首相官邸でオフレコを前提にした取材に対し発言したが、進退問題に発展しかねず、国会で岸田文雄首相の任命責任が問われる可能性がある」としている。この記事を書いた記者はオフレコ破りで、ニュースでもないことを一面的な見方で暴露しているだけではなく、「進退問題」云々と秘書官を辞めさせろと言っているのだ。これが一介の記者、ニュースを伝えるメディアのやることだろうか。記者の基本の5W1Hなどを飛び越えた、報道のふりをしたテロ行為、もしくは活動家の運動としか思えないことだ。少しでもLGBTに否定的な発言をすれば、差別主義者として公職から抹殺するぞと脅迫しているのだ。少しましに考えても、写真の代わりに言葉を使ったパパラッチとしか言いようがないだろう。メディアの仕事は様々な角度から立体的に真実を伝えることであって、自分と意見の異なる人を徹底的に攻撃することではないはずだ。
 テレビでは連日コメンテーターが荒井秘書官の悪口を言うが、誰一人として具体的なLGBT保護の法律や学校教育の改革などには触れない。テレビ局も視聴者も、公然と人の悪口が言える場が大好きなのだ。同様のことは国際政治学者の三浦瑠麗氏に対しても行われている。配偶者の事務所に東京地検の家宅捜査が入ったのは事実だが、それを理由に三浦は最初から胡散臭かったなど、ネットでは連日彼女の悪口を言いたい放題だ。荒井秘書官に対しても三浦氏に対しても、心ある人はこんな罵詈雑言を吐く徒党と一緒になってはいけない。
国民投票に勝てなければ
改憲運動は絶望的に停滞
 日本国憲法がアメリカの指示によって作られたというのは事実であり、アメリカ的な民主主義、国際法感覚が強く反映されているのも確かだ。それは憲法前文の中に、リンカーン大統領のゲティスバーグ演説のコピペのようなフレーズが挿入されていることからも、明らかだろう。さらに英語ベースで考えられた文章は、日本語としてもおかしな部分が多い。
 日本らしい憲法と言うのであれば、やはり憲法全体を変える必要がある。
二〇一二年に出された自民党の日本国憲法改正草案は非常に格調高いが、自衛隊を国防軍とするところなど様々な箇所の問題を指摘する人がいて、非常に評判が悪い。現状では自民党だけでは憲法改正の発議はできず、特に連立を組む公明党の意向を重視せざるを得ないのが現状だ。現行憲法にはいろいろと不具合が出ているが、まずは国会両院の三分の二の議員の賛成がないと発議できないという条項を、改正するべきではないだろうか。発議に成功して国民投票に持ち込んだら、改憲勢力は絶対に勝たなければならない。もし国民投票で賛成が過半数を取れなければ、護憲勢力は今の憲法を国民は支持したと、事実とは異なる喧伝を始め、それ以降の憲法改正運動が絶望的に停滞するだろう。
 自民党の場合、四期十年議員をやってやっと一人前という雰囲気がある。これはしょうがないことで、三期とか十年未満だと次の選挙で当選できるかが不透明だから、周囲も大事な仕事を任せるのに躊躇するし、役人達も少し舐めて来る。四期十年やれば、そう簡単に選挙で落ちないだろうということで、やっと信頼されるようになるのだ。
ライバルの存在が
選挙での強さを育む
 自民党から選挙に出たいと思っても、調子がいい自民党ほど選挙区の空きがない。金融マンから転身、初当選を目指していた小田原潔氏の場合、自民党から東京二十一区の公募があると声が掛かった。しかし二十一区は当時民主党だった長島昭久氏が圧倒的に強く、自民党が候補擁立に困っている選挙区だった。しかしこれを断ったら二度と声は掛からないと思った小田原氏は応募を決断、二〇一二年は小選挙区で敗れたが比例復活で初当選、二〇一四年には長島氏を破って小選挙区で当選した。小田原氏と長島氏はお互いライバル同士だが、相手を非難したことはなく、その結果長島氏は自民党に入党、東京二十一区を小田原氏に譲るということになった。今では全面的にお互い応援し合っている関係。ライバルの存在が四選達成の原動力だった。一谷勇一郎氏は介護事業を興し、これを通じて感 じた介護行政の不備をなんとか国政から改革したいと代議士を志し、日本維新の会の門を叩いた。しかし日本維新の会でも大阪の選挙区は既にいっぱいで、大阪出身の一谷氏に党が示したのは神戸市の三つの区からなる兵庫一区からの出馬だった。受諾してこの選挙区で活動していると、かつて兵庫県の副知事を務め、教育改革にも取り組んだ一谷定之焏氏が親族だと判明。縁を感じて二〇二一年の衆議院議員総選挙に挑み、比例復活で当選した。
 石井光氏は免疫力向上に効果が期待できるサプリメントを開発、中国への輸出を計画している。このサプリメントの主成分はNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)だ。この物質は、マウスに飲ませた実験で抗老化効果があったというワシントン大学医学部の今井眞一郎教授が発表した論文で、一躍世界的に注目を集めた。そのメカニズムは、経口摂取で体内に入った NMNがNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)に変換され、これが老化や寿命をコントロー ルする酵素・サーチュインを活性化させて、アンチエイジング効果が出るとされる。既にこのNMNを成分としたサプリメントは世界各国で製造されているが、不純物が混入しているものも多く、製品選びには注意が必要だ。
大人気のアパ社長カレー
次々とタイアップを展開
 人は自分が得意と思うことで失敗する。足が早いと思っている人は骨折するし、自分は弁が立つと思っている人は、舌禍で失脚する。酒が強いと思っている人は、思わず酔って財布を失くす。気をつけるべきだ。
 男女は同じ権利を持っているが、ビジネスにおける王道のアプローチは異なる。男性は戦いを重ねて大きくなっていく人が多いが、女性は男性とは同じ土俵で戦わず、他の人々に可愛がってもらって伸びていく人が多い。これは男女差別でも何でもなく、その特性に違いがあるというだけだ。
 アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉は、幕張プリンスホテルを買収して二〇〇六年にオープンした。このホテルの売却は入札で行われ、アパホテルの相手は全部外資。会長は丹下健三が設計したホテルを外資には渡せないと、破格の価格を提示して入札に勝った。オープン後の二回にわたる棟の増築で現在二〇〇七室になったが、買収前の全部門赤字から転換、今は宿泊から料飲まで全部門が黒字のアパのドル箱ホテルになっている。
 一月二十二日はカレーの日だ。これは一九八二年の学校給食週間の前に、社団法人全国学校栄養士協議会が学校給食としてカレーライスを提供することを呼びかけたことにちなみ、全日本カレー工業組合が制定したもの。また二月十二日はレトルトカレーの日。これはこの日にボンカレーが発売されたことにちなんで、大塚食品株式会社が制定した。アパ社長カレーはアパホテルの知名度アップのために開発した商品なので、非常に高い原価率の、ある意味お得なレトルトカレーで、その美味しさで大人気。二月にはタイアップした串カツ田中の四店舗で、アパ社長カレーソース&串カツセットやアパ社長カレーかすうどんのタイアップメニューが販売され、大好評だった。またセレクトベーカリー「Bakerys Kitchen ohana」では、三月いっぱいまでアパ社長カレーパンを販売している。
 ホテル社長に会った野球選手は活躍する。ワインの会に来た西岡剛選手は、その後首位打者になった。まだ一軍に定着していなかった岡本和真選手は、アパホテルがスポンサーだった少年野球のイベントでホテル社長と会った。ホテル社長は岡本選手に「あなたに足りないのは運」とアドバイス、著書の「強運」をプレゼントしたところ、翌シーズンに岡本選手は打率三割、ホームラン三十三本、百打点を記録した。