日本を語るワインの会234

ワイン234恒例「日本を語るワインの会」が会長邸で行われました。神戸大学で博士号を取得、日本語が堪能なハイチ共和国大使館特命全権大使のエルフ・モノド・オノラ氏、東京生まれで慶應義塾大学出身ながら関西で長く教鞭を執ってきた大阪市立大学名誉教授の山下英次氏、語学を学ぶのが大好きで韓国留学経験もある愛国女性のつどい花時計代表の岡真樹子氏、「なでしこアクション」で慰安婦問題にも取り組んできた国際歴史論戦研究所所長の山本優美子氏、昨年アパ日本再興大賞を受賞した葛城奈海氏が会長を務める皇統(父系男系)を守る国民連合の会常務理事の堀口文良氏をお迎えし、今の日本の教育・メディアの問題点について語り合いました。
先の大戦に日本は敗れたが
戦争方針は達成された
 靖国神社の創立百三十年記念事業で行われた遊就館の改修・増築の際に制作された映画「凛として愛」(二〇〇二年・泉水隆一監督)だが、実際には遊就館では二日間しか上映されなかった。この明治開国から大東亜戦争までの日本の戦いを綴った作品は、今でもアパホテルのVODで鑑賞することができる。
 山本優美子氏が立ち上げた「なでしこアクション」や所長を務める国際歴史論戦研究所は、先の大戦で「日本軍が慰安婦を強制連行して性奴隷にした」という歴史の歪曲が世界中で真実のように広まっていることに対抗して、国連の人権委員会等への働きかけ等を行っている。韓国の中にも「日本が悪い」ということだけでは駄目だという認識の人もいる。この辺を明らかにするため、十一月十六日に「慰安婦問題を巡る 日韓合同シンポジウム」が行われ、韓国国史教科書研究所所長の金柄憲(キム・ビョンホン)氏等、韓国側から三人、茂木弘道氏や松木國俊氏らが日本側として参加して、講演やパネルディスカッションが行われた。
 本当の事を知れば、保守になる。日本では教育機関でも教えられないし、大手メディアも報道しないが、日本は本当に素晴らしいことをやってきた国だ。先の大戦で日本が戦っていなかったら、未だに世界中で植民地支配が続いていただろう。植民地支配の打破によって、第二次世界大戦後に百以上の国が独立を果たした。そもそも日本は一九一九年のパリ講和会議において、国際連盟の規約に人種差別撤廃条項を入れることを主張した。日本が世界で初めて、国際会議で人種差別撤廃を明確に主張したのだ。大東亜戦争開始の翌月、一九四二年一月に東條英機首相は帝国議会の施政方針演説で、大東亜共栄圏建設を戦争目的として掲げ、欧米列強の植民地支配から国々を独立させ、共存共栄の秩序を確立するという方針を明確にした。日本は戦争には敗れたが、この方針を達成することはできたのだ。こういったことを日本人は、もっと誇りに思わなければならない。
 日本人の多くの人が当たり前だと思っているのが、正しいものや新しいものは常に西洋からやってくるというヨーロッパ中心史観だ。まずこれを疑ってかかる必要がある。日本とヨーロッパでどちらが先に文明社会になったのかといえば、日本の方が時代的には先なのだ。
日本を貶めるロビーイングに
正しい史実の流布で対抗
 ハイチはカリブ海の国で、キューバの東隣にあるイスパニョーラ島の西側がハイチ、東側はドミニカ共和国だ。面積は北海道の三分の一程度、人口は約千百万人、首都はポルトープランス、公用語はフランス語とハイチ・クレオール語になる。宗教はカトリックを中心としたキリスト教が広く信仰されている他に、地元の宗教であるブードゥー教の習慣を多くの人が守っている。海や山の自然が美しく、観光客も多い。プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手の父親は、ポルトープランス出身のハイチ系アメリカ人だ。二〇一九年に世界ランキング一位になった大坂だが、最近は心身の不調で成績が低迷している。じっくりと回復を図って、強さを取り戻して欲しいものだ。
 同じ主張を行うのでも、男性が行うのと女性が行うのでは世間の人々の反応が異なる。例えば選択的夫婦別姓制度反対についても、男性が主張すると古臭い頑固親父のように思われるが、女性が主張すると「そういう考え方もあるのですね」と聞いてくれる。岡真樹子氏が代表を務める「愛国女性のつどい花時計」は、民主党政権時代に選択的夫婦別姓制度を認める法律が国会を通過する気配があったので、これに反対するために二〇一〇年に結成された。その他にも外国人参政権反対、人権擁護法案反対を主張した。二〇一二年再び自民党政権になった時に、活動することがなくなると思っていたら逆。むしろ今、自民党の方が選択的夫婦別姓制度を推進しようとしている。またLGBT理解増進法案が自民党を中心に検討されているが、これはかつて民主党がやっていたことだ。自民党はもっと安全保障や中国の脅威を主張するべき。自民党がリベラルとの融和政策を指向しているようなので、もっと保守思想を貫く党の誕生が望まれる。松田学氏が代表を務める参政党に期待したい。また、これからの日本を護るためには国体護持が必要であり、そのためには皇統(男系男子)を護る必要がある。
 西早稲田には、慰安婦に関する展示を行っている「女たちの戦争と平和資料館」等、反日左翼の事務所がたくさんある。館長の渡辺美奈氏は国連等に働きかけ、インフォーマルな会合にも参加して、日本の悪口を委員に吹き込んでいる。その結果、二〇一八年に国連の強制失踪委員会は日本が慰安婦やその子供に対して「強制失踪」を行ったとして、速やかに慰安婦の数の統計を取り、捜査をして、容疑者を処罰しろという勧告を出した。しかし、このような強制失踪の事実など存在しない。彼女らのこのような国連へのロビーイングに対抗して、正しい史実を世界に広めていかなければならない。
博士号を取得していないと
今は大学教員にはなれない
 サッカーのFIFAワールドカップのカタール大会が十一月二十日に開幕した。予選リーグでグループEの日本(世界ランキング二十四位)はドイツ(同十一位)、スペイン(同七位)、コスタリカ(同三十一位)と対戦。なかなか過酷なグループだ。カタールの首都ドーハも発展が著しい。オイルマネーを持つ国々の存在感が高まっている。
 元谷CEOの趣味は一〇〇kmウォーク。例えばテレビ金沢チャレンジ一〇〇kmウォークは石川県の七尾から小松までの一〇〇kmを歩く。自分のペースで食べたり、寝たりしながら、各大会で設けられている二十八時間等の制限時間内にゴールすることを目指す。途中はとにかく精神力が物を言う自分との戦いだ。しかしゴールした時の達成感は何ものにも変えがたい。参加者は老若男女様々。どの大会でもコースをバスが巡回しており、リタイアする場合にはそれに乗ってゴールに行くことができる。北海道で行われるソラチ一〇〇kmウォークでは、一〇〇kmウォークコースの他に、一〇〇マイルウォークコースという一六〇kmを歩く超ハードなコースが用意されている。兵庫から京都への一〇〇kmウォークのコースでは、新大阪からの淀川沿いの道が真っ暗で川か道かがわからない。参加者は皆、頭にライトを付けて、足元を確認しながら進む。町おこし等の意図もあって、今や日本各地でその土地土地の特徴を持った一〇〇kmウォークが開催されている。
 ホテル社長は環境を学びたいと、五十三歳で法政大学の人間環境学部に入学、卒業後は早稲田大学大学院公共経営研究科で修士号を取得、博士課程でも単位を取得するなど、十一年大学に通った。早稲田大学は博士課程に入るのが難しい。かつての大学では博士号を持っていない教授が博士課程の学生の指導をしていることもあったが、今は博士号を持っていないとまともに大学に就職することはできない。
ホテル料金は上昇の一途
日本人が買い負けする時代
 十月十一日から全国旅行支援がスタート、また同じ日に日本への入国者総数の上限が撤廃された。これによって、全国で宿泊施設の需要が高まっている。しかし全国旅行支援は都道府県単位で実務が行われているので、都道府県によって書類のフォーマットが異なっている。DXが進んでいるアパホテルの場合、通常ならば事前にアプリでチェックインをすることで、ホテルに到着してからは「一秒チェックイン」で、スマホのQRコードを機械にかざすだけでルームキーが発行されるのに、この全国旅行支援のためにチェックインに一〇分掛かる場合もある。このようなやり方はDXが進んでいる企業にとっては本当に迷惑であり、フロントの混雑を避けるためとか人手不足のために稼働を制限することになれば、本末転倒だ。本来はデジタル庁がこういったことに全国的な横串を刺すべきだが、何もしない。
 アパホテルは、新型コロナによる行動制限が厳しい期間等には、思い切った価格のキャンペーンを行った。インバウンドはまだまだ増えていないが、首都圏のアパホテルの稼働率はコロナ前近くまで戻ってきている。アパホテルは元々ダイナミックプライシングを採用しており、事業所単位の予算はあるが、その範疇で支配人の裁量によって宿泊料金を自由に設定することができる。当然、需要が高くなるにつれて宿泊料金は上昇するため、今後訪日外国人旅行者が増加してくると、日本人が「買い負ける」可能性が出てくる。アパホテルが北米に展開しているコーストホテルチェーンの平均宿泊料金は一泊で二百ドル(約二万八千円)になっている。これが海外でのホテルの相場であって、日本の宿泊施設の料金もこの相場にどんどん近づいていくことになる。日本では「アパホテルで二万円?」と言われることがあったが、そんな価格は当たり前になっていくのだ。良いホテルにはそれなりの料金が必要であり、それだけ支払いたくないのであれば、施設のランクを下げることになる。かといって民泊はどうか。旅館業法ではなく、民泊新法に基づく宿泊施設に、たとえいくらインスタ映えがするにせよ、どれくらいの信頼を置くことができるのか。安心できるホテルに宿泊するべきだろう。
 十月十九日、飯倉片町交差点に全六九六室のタワーホテル、アパホテル&リゾート〈六本木駅東〉がオープン。ホテルの前にあるフェラーリのディーラーの場所には以前はポルシェのディーラーが入っていたり、イタリアンのキャンティや狸穴そば(閉店)があったりと、古くから六本木で遊んでいた人々には馴染みが深い場所に出来たホテルだ。