Big Talk

主権の意義と尊さをかみしめようウクライナ危機を凝視しているのは誰かVol.370[2022年5月号]

参議院議員 有村治子
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APAグループ代表 元谷外志雄

無名の主婦が、強力な組織団体も持たずに、全国区の選挙に出馬、参議院議員に。以来二十一年間、「しっかりとした国家観と、地に足の着いた生活観を併せ持って、命の重みと、地域や家族の絆と、国家の尊厳を守る」ことを基軸に保守政治家として地道な政治活動を続ける一方、二人の子供を育てる母親としての経験も活かし、安倍内閣では、初代の女性活躍担当大臣、少子化対策担当大臣等を務めた有村治子氏。今年五月十五日の沖縄本土復帰五十周年を、日本全体の大事な歴史の節目とすべきだと語る有村氏に、ウクライナ問題から日本が学ぶこと、自主憲法制定への思い等をお聞きしました。

有村 治子氏
平成13年、参議院選挙 比例代表(全国区)にて初当選、現在4期目。文部科学大臣政務官、参議院環境委員会委員長、自民党政調会長代理等を歴任。安倍内閣にて初代女性活躍担当大臣、国務大臣(少子化対策・行政改革・国家公務員制度・規制改革・男女共同参画・消費者及び食品安全担当)に就任。参議院自民党政策審議会長、政治倫理審査会会長、裁判官弾劾裁判所 裁判長、自民党広報本部長等を経て、現在、憲法改正実現本部副本部長、参議院自民党副会長等を務める。

ロシアの行為は
「侵攻」ではなく「侵略」だ

元谷 本日はビッグトークへの登場、ありがとうございます。有村さんは金沢市生まれなのですね。

有村 はい。当時、転勤が多い証券会社に勤めていた父の赴任に伴い、家族が金沢に暮らしていた時に生まれました。実は、参議院の岡田直樹 自民党国会対策委員長と同じ病院で産声を上げておりまして、岡田議員とは、同じ分娩台から生まれてきた「兄弟分」です(笑)。

元谷 私は金沢市長町の武家屋敷の中に本宅を持っていて、住民票はまだ金沢市のままなのです。

有村 そうですか! 豪邸を拝見してみたいですね(笑)。私は金沢で生まれ、その後、母の実家がある滋賀県で育ちましたので、石川県は、私の生まれ故郷です。

元谷 政治家になろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

有村 自分たちの未来を創っていく仕事に参画できたら、それ自体素晴らしいことだと思ってきました。国家観を考えれば、自民党しかないと今でも思っています。しかし平成一三年(二〇〇一年)当時、自民党が結党してからのいわゆる五十五年体制(一九五五)から既に長い年月が経っており、制度疲労を起こしている部分もあるとすれば、若い世代や、女性の視点も必要なはずだと考え、政治を志しました。週刊誌の選挙当落予想で、(当選可能性が極めて低い)下向き黒三角(▼)すら付けて頂けなかった泡沫候補でしたが、それでも何とか、全国四十七都道府県一一四、二六一名の方に「ありむら」と記名投票頂き、奇跡的にギリギリ初当選させていただきました。今から二十一年前のことです。

元谷 有村さんは国会議員としての政治活動と子育てを両立させ、初代の女性活躍担当大臣を担われるなど、女性の社会進出の道を切り開いてきましたね。どんな志を持って、政治家として活動してきたのでしょうか。

有村 初当選の時から大事にしてきたのは、「しっかりとした国家観と、地に足の着いた生活観を併せ持って、命の重みと、地域や家族の絆、国家の尊厳を守ること」です。国家はいかにあるべきか、という視点も、日々の暮らしを営む生活実感も、政治に活かしたい。胎児から、小さな新しい命を育んできた母親としての経験が、マタニティマークを全国で広げる活動につながりましたし、幼児教育・保育、子育て支援も私の大事なライフワークです。と同時に、世界の中の日本の地位を見据えることも大事で、日本が安全で安心できる先進国であり続けるよう、守るべきものを守り抜く保守政治家でありたいと考えています。安倍内閣で初代の女性活躍担当大臣を拝命したこともあり、女性の視点、子育て中の親の実感、保守政治家として国家国民に仕える矜持、大臣経験者としての安定感や信頼感も、穏やかに醸し出せたらいいですね。

元谷 私も国家の尊厳を守ることは非常に大切なことだと思います。

有村 残念ながら二月二十四日に、ロシアによるウクライナ侵攻は現実のものとなりました。この日のうちに、急遽オンラインで開催されたG7首脳会談では「ロシアによる『軍事的侵略』は許さない」との共同声明が発表されました。にも拘わらず、一晩明けた翌二月二十五日になっても、日本政府要人は皆、「侵攻」という言葉を統一して使っていました。今回のウクライナ危機は、単に他国の軍隊や武装勢力が、他の国に進駐した、という話では全くありません。ロシアが武力によって独立国家の主権と領土を侵害した時点で、これは他国に対する「侵略」行為であり、世界の平和と安定を尊ぶ国際秩序に対する挑戦であって、「侵略」という最大限に強い言葉を使うことを提案しました。

元谷 有村さんが提言して表現が変わったのですね。

有村 ロシアによるウクライナ侵攻が起こった翌朝、自民党本部役員メンバーを構成員とする「ウクライナ問題に関する対策本部」での議論です。「侵攻ではなく、既に侵略という段階であるはずだ」との私の指摘に対し、当初外務省は躊躇していたのですが、ウクライナという独立国家の主権をロシアが現に侵している以上、これは「侵略」だと最も強い言葉でロシアを非難し、G7の結束を保つことが肝要だと指摘しました。外務省と私との議論を目の前で聞いておられた茂木幹事長が、私の意図を支持して下さり、自民党としては「侵略」という言葉を使い、政府にも最大限の強い批判を込めた「侵略」という言葉を使用するべく外務省に検討を迫られました。侵攻翌日二月二十五日午前十一時のことです。結果としてこの日の夕方から、総理大臣や外務大臣をはじめとする政府要人の記者会見や国際会議での発信も、一致して「侵略」という言葉が使われ、政府が国際社会と連携して、厳しい経済制裁を実施するようになりました。また衆議院が三月一日、参議院が三月二日に本会議に臨み採択した「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」も、当初文案にあった「侵攻」ではなく、ロシアの「侵略」を強く非難する日本の議会意志を明確にすることができました。

元谷 ロシアのプーチン大統領は、てこずることなくウクライナを占領できると思って、軍を進めたのではないでしょうか。しかしウクライナのゼレンスキー大統領は首都キエフから脱出することはなく、ウクライナ軍は全土で善戦して侵略を防いでいると言われています。日本でも、犠牲者を減らすためにゼレンスキー大統領はすぐにでも降伏すべきだという人がいますが、それは間違いです。戦うということが大事なのです。国土を蹂躙されることに甘んじるのではなく、主権国家として侵攻してきた勢力にはきちんと武力で応じるのです。ここで戦った実績は後々のウクライナに大きく影響していくでしょう。私は日本も同様の覚悟を持っておくべきだと考えています。憲法第九条があっても、侵略された場合には自衛隊は戦うことができるのです。国難に遭遇した場合には独立自衛の国家として、国民全員が一丸となって対応するべきだというのが、私の思いなのですが。

有村 全国紙の世論調査が示しているように、今回のロシアによるウクライナ侵略を、多くの国民は対岸の火事だと思わず、台湾両岸を見据えたアジアの安全保障と重ね合わせ、「我が事」として固唾を飲んで注視されています。沖縄県の与那国島と台湾はたった一一〇キロメートルしか離れていません。台湾有事は日本の安全保障に直結する課題です。同時に、今回のウクライナ危機、およびそれに対応する国際情勢を、虎視眈々と研究しているのは、他でもない中国だと確信します。今後の様々な展開を考える、絶好の研究材料にしているでしょう。

国民主権を謳う憲法を
国民の声を聞かずに制定

元谷 やはり自国を守るウクライナ軍の兵士の士気の方が、兄弟国を侵略するロシア軍の兵士の士気よりも高いのではないでしょうか。ウクライナ軍は最大限の力を発揮して、ロシア軍を苦しめています。

有村 ウクライナの人々は、先の大戦で使用した家の防空壕を使って息を潜め、自ら銃を手に取ってまで、ロシア軍の攻撃から家族や祖国を守ろうとしています。

元谷 一般のウクライナ人が火炎瓶を作っている姿や政府から銃が配布されている様子も、報道されていました。簡単に占領されるのではなく、ゲリラ戦になってでも戦う姿勢を相手に見せることが大切なのです。長期化するかもしれませんが、国の尊厳を考えた場合、理不尽な要求にすぐに応じるようでは、国の威信を保つことはできません。

有村 万が一、今回のロシアの暴挙に対し、世界が黙認し、許容するようなことがあれば、軍事力を背景に強い国が、弱い国を侵略・略奪しても許されるのだ、という誤ったメッセージを発することになります。二度の世界大戦を経て、国々は、そんな蛮行を許容しないよう国際秩序を築いてきました。この平和と安定を尊ぶ国際秩序に対する挑戦・挑発は、高い代償を伴うことをロシアに痛感させることができるかどうか、国際社会の連帯と、制裁の実効性が問われているのではないでしょうか。独立国家の要件は【国民】が存在し、【国土】が保たれ、【主権】が存在することです。日本国憲法の三原則は■国民主権、■基本的人権の尊重、そして■平和主義、だと学校では学びます。しかしその一方で独立国家の基盤となる、この「主権」の尊さを伝えきれていないため、日本では多くの人が「主権」と聞いても、ピンとこないのではないでしょうか。主権とは、【国の統治のあり方を、自らが決める権利】、すなわち【他国からの支配や干渉を受けずに自国を統治し、施政を執行する権利】と考えれば、分かりやすいでしょうか。独立国家である以上、たとえどんなに小さな国であったとしても、他国が主権を侵害することは、絶対に許されないことです。今回のウクライナ侵略は、期せずして、日本人が主権の大切さを実感する機会となりました。同時に思いを致したいのは、現在の憲法は、日本が敗戦によって主権を失い、米国をはじめとする戦勝国によって占領統治されていた時代に制定された、という事実です。戦争に勝った国が、戦争に負けた国の憲法制定をリードする際、その国の独立や主権を守る価値など、条文に盛り込んでくれようはずもありません。

元谷 当然、自主憲法の制定を求めるべきなのです。

有村 日本国憲法は、国民主権を謳いながら、実は主権者たる国民の声を反映できないまま制定されています。日本が真に主権国家であり、その主権を国民こそが行使するというのであれば、やはり国民投票を実施して、民主的で正統な手続きを経て、真に国民の声を反映した憲法改正を成し遂げたいですね。

元谷 憲法改正という主張はよく聞くようになったのですが、故石原慎太郎氏が主張していたような自主憲法制定という考えはまだあまり浸透していません。石原氏の考えは、現行憲法を破棄して、新しく憲法を制定するというものでした。確かに占領下で作られた憲法をいつまでも後生大事にしていていいのかという思いは、私にもあります。

有村 原理原則として、正論ですね。共感致します。実は、日本国憲法には「国の独立を守る」価値について、一切書かれていません。日本国憲法に長年慣れ親しんでしまったために、「国の独立を守る」方策が明記されていない現状に、日本人は悔しいとも思わなくなってしまっています。では私達が生きる上で根幹的に重要な「国民の安全」をどう確保するのか? 百条以上書かれている憲法において、「安全」について書かれている箇所が、実は一カ所だけ存在します。どこか――。憲法前文です。
「(日本国民は)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という、この一カ所しかありません。さてさて、私達の生存と安全を、平和を愛する諸国民の公正と信義に依拠できるほど、我が国は、素晴らしい国々に囲まれているのでしょうか? 中国、ロシア、北朝鮮等の現状を見るにつけ、これらの国々が公正と信義に満ち満ちた道義国家でないことは、火を見るより明らかです。

元谷 これらの問題を知らしめるために、メディアがもっと啓蒙活動を行うべきなのです。

有村 元谷代表は、月刊「Apple Town」誌を毎月欠かさず発刊され、「真の近現代史観 懸賞論文」や「アパ日本再興大賞」、「勝兵塾」を主宰されることで、日本のあるべき姿を真摯に考える場を提供されていますね。様々な世代・立場の方が、我が国のあり方を見つめる真摯な議論を、年々深めておられます。

元谷 議論を通じて真実はどうなのかを知れば、みんな保守になります。与えられたものは奪われる運命にありますが、自ら作ったもの、獲得したものは必死に守ります。今の日本国憲法は与えられたものです。私達皆が守りたくなるような独立自衛の憲法を、自ら制定するべきなのです。

有村 国民投票を実施し、主権者たる国民の意志を、しっかりと国の土台に反映させ、自らが参画した憲法を創り上げるという最大の主権行使こそ、主権が国民に存する証になるはずです。

元谷 今は平和ですからわからないですが、もし将来日本がウクライナのような危機に陥ったとしたら、与えられた憲法の脆弱性を間違いなく嘆くでしょう。そうなる前に手を打つべきなのです。

有村 大事なご指摘ですね。また、ウクライナに対して、現在世界中からこれだけ連帯の声が上がっているのは、ロシアの侵略が国際法違反であるのみならず、国力に大きな差のあるロシアに対して、老若男女のウクライナ国民が自らの国を守ろうという意志を鮮明にし、命をかけた努力を続けている姿が世界中の人々の心を動かしているからでしょう。

元谷 ウクライナ国民のそういう気概は見習いたいと思います。私は今の日本の平和は与えられた平和という印象を強く持っています。戦い勝ち取ったものではないために、何かあればすぐに手放してしまうのではないでしょうか。

国家の自立のためには
経済の自律性が必要

有村 代表は今年も新しいアパホテルを十九棟オープンされる計画なのですね。一つひとつのホテルは、正に代表が血肉を絞り出して、汗水を流してお建てになっているものだと拝察します。どれも愛おしくてたまらない館ではないでしょうか?

元谷 どのホテルも私が土地の選定を行い、買収、そして設計にも建設発注にも関与しています。まず土地を見て、ここにホテルを建設したらどれくらいの客室単価で販売ができ、収益がどうなるかを即座に頭の中で弾いて、購入するかどうかを決定するのです。よくホテルの無い寂しい駅前にアパホテルを建設して欲しいという、「陳情」のようなものを受けることがあるのですが、その場合も同様に現地を見て、収益を考えて判断します。地域のまちおこしのためにホテルを…と言われても、需要の少ない場所にそれを超えるキャパシティのホテルを作っても、経営が徐々に疲弊してくるだけです。そして閉館となると、その地域の評判はホテルオープン以前よりも下がってしまうでしょう。そのように、ホテル建設は目先ではなく、三十年以上のロングタームで考えるべきなのです。いいホテルとはどんなホテルかと聞かれれば、私は儲かるホテルと答えます。作るからには、長期に亘って利益が出るものを。アパホテルは全てのホテルで利益が出ていて、赤字のホテルは一つもありません。

有村 全てのホテルが、自らの足で立っている状態ですね。

元谷 その判断は全部自分で行って、責任も自分で負っています。また通常ホテルは所有、運営、ブランドがそれぞれ別会社であることが多く、例えばシェラトンやヒルトンというブランドのホテルでも、オーナーや運営会社は全部ばらばらなのです。しかし、アパホテルはその三つ全てを自社で行っています。だから新型コロナ前は一千億円以上の売上で三百五十億円の利益と、三五%以上の高い利益率が実現できたのです。通常は利益率が一〇%であれば良い経営のホテルと呼ばれていて、ほとんどのホテルが損益分岐点ギリギリのところでビジネスをしています。こんな高利益のホテルは、全てを自前で行っているアパホテルしかないのです。

有村 自ら努力をされ主体的に動かれて、誰にもとやかく言われることのない自律性をお持ちだからこそ、代表はこの月刊「Apple Town」やご著書においても、誰にも気兼ねする必要のない発言が可能なのでしょう。その立ち位置の本質は、米中が覇権を競う緊張の世界にあって、我が国がどのように独立主権や、安全、繁栄を維持するのかという、国のあり方とも重なります。私はこの通常国会で経済安全保障の法案審議において質問に立つのですが、資源や先端技術を他国に過剰に依存する国は、経済的自律性を奪われます。経済的依存をテコにした他国からの干渉や脅しに屈しないためにも、経済活動においても、安全保障の視点は欠かせません。経済安全保障を進める中で、日本は今、非常に大事な時期に来ています。

元谷 それは有村さんの仰る通りだと思います。私はゼロから始めた創業オーナー経営者で、事業も特定の団体や政府、国に依存していませんから、自由にやれる立場にいます。全株オーナーですから、強力な株主の意見に流されて、近視眼的な経営を行うこともありません。

有村 「独立」系の強みであり、大胆な発想が実践できる「本領」ですね。

元谷 近年は金利が無いに等しいほど低いので、借り入れを行ってでも土地を仕入れる今のような戦略が可能です。しかし将来は金利が上昇する可能性があります。余裕をみて、少々金利が上昇しても業績に影響がないように、そこまで読みを立てて経営を行っています。コロナ禍下の二〇二一年十一月決算も昨年同様黒字となりました。創業以来一度も赤字を出したことがありませんから。

有村 ですと、株式の公開は一切お考えにならない、ですね。

元谷 必要がないですね。事業資金は、自己資金と超低金利の借入金で十分賄えていますから。また事業は自分の力でコントロールできる範囲でやっています。自分の実力を超える事業は破綻します。事業を大きくするためには、自分の実力を増やす必要があるのです。私は常に無理をせず、自然体の経営を心がけています。ただ不動産に関しては全部所有をして、税法上は必ずしも金額計上しなくてもよい減価償却をフルに行った上で、利益を出しているのです。極めて健全な経営だと思います。大胆にやっているように見えますが、極めて慎重に経営しているのです。

有村 大胆な行動や意見決定の背景には、緻密な計画や慎重な配慮がお有りになると思います。今の時代、「持続可能性(サステナビリティ)」が重要な世界的課題ですが、アパグループは代表が常に冷徹にビジネスを睨み、意思決定を行っていらっしゃるから、コロナ禍においても好業績を維持されているのですね。

元谷 上場企業の雇われ社長とは異なりオーナー経営者ですから、全責任が自分にあるのです。

今年は沖縄の本土復帰から
五十年、四十七都道府県
全てが主権を回復した日

元谷 戦後教育の中で、先の大戦は日本が悪いことをした戦争だと教え込まれています。しかしもし日本が戦っていなかったら、世界の多くの国々は未だに西欧列強の植民地だったでしょう。まず日露戦争に日本が勝利したことが、多くの有色人種の人々に物凄く大きな勇気を与えたのです。戦争が全て悪だというのではなく、歴史的にプラスに働いたという面も公平に教えるべきでしょう。しかし今の教育では、日本は悪いことをしたから戦争に負け、アメリカによっていい国に生まれ変わったことになっているのです。

有村 国難にあってかけがえのない命を捧げ、戦地で殉じられた方々に敬意と感謝の想いを持つことは、日本が独立国として国の守りを固めるためにも大切なことだと考えます。今年の五月十五日は、沖縄が本土に復帰してちょうど五十年の節目になります。沖縄の人々が日本国の一員として生きたいという明確な意志を持って大変な努力をされ、他の都道府県の国民も「沖縄の復帰無くして日本の戦後は終わらない」という同胞としての連帯感を持って、沖縄の祖国復帰が実現しました。沖縄の真の発展や繁栄のため、また日本の今後の安全と繁栄を見据え、五月十五日には沖縄県と政府が手を携えて、公式記念式典が行われるよう一昨年から活動してきました。沖縄の祖国復帰が実現した日こそ、全国四十七都道府県で主権が回復できた日、と考えることもできます。

元谷 よろしくお願いします。最後にいつも「若い人に一言」をお聞きしています。

有村 ウクライナ危機にある今こそ、独立国家として主権の貴さと、主権を守ることの大切さを、共にかみしめたいです。日本が引き続き安全で豊かな先進国として繁栄するために、どのような行動が必要なのか、世界に目を見開いて、真剣に考える時です。日本がたどった歴史においても、どの時代にも光と影があると思います。負の側面ばかりではなく、全力で命を繋いできた先人の尽力にも光を当てることができる、複眼的思考で、歴史をとらえたいものです。

元谷 そのことが、日本に誇りを持つことに繋がると思います。今日はありがとうございました。

有村 元谷代表のダイナミックな発想と慎重なお心遣いの双方を垣間見させていただきました。本日はご一緒させていただき光栄です。どうもありがとうございました。