恒例「日本を語るワインの会」が代表邸で行われました。東京オリンピックの野球競技で銅メダルを獲得したドミニカ共和国の特命全権大使・高田ロバート氏、二〇二三年九月に池袋に新キャンパスが開設される予定の東京国際大学学長の塩澤修平氏、国際的な音楽家としての顔も持つ広尾かなもりクリニック院長の金森圭司氏をお迎えし、様々な話題で盛り上がりました。
野球選手工場と呼ばれる
ドミニカ共和国
ドミニカ共和国
ドミニカ共和国は、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の東半分を占める国で、西側のハイチと島を二分している。国土の面積は九州に高知県を合わせたぐらいの大きさで、人口は約一千百万人。スペイン領だった時代が長く、公用語はスペイン語、宗教はカトリックを信じている人が多い。産業としてはかつてカカオ等の一次産品を輸出していたが、今は観光が最大の産業であり、次が金を中心とした鉱業になる。中南米で最大の金の鉱山はドミニカ共和国にある。そのために、経済的な関わり合いが一番強いのはアメリカだが、二番目にスイスがくる。世界の金の取引の中心は、やはりスイスだからだ。ドミニカ共和国でしか産出しない真っ青なラリマールやブルーアンバーといった宝石も注目されている。また近年輸出が増加しているのは医療機器や精密機器であり、産業構造が大きく転換しようとしているところだ。宝石の魅力は計り知れない。先日ニュースになっていたのは、アメリカ・ニューヨークの自然史博物館で、アフリカのボツワナで産出した二〇・五カラットのブルーダイヤモンドがお披露目されたという話だった。
依然として観光はドミニカ共和国の主力産業だが、日本人観光客はまだ少ない。しかし白い砂浜とココナツの木、そして青い海が広がる国でリゾートホテルも多数ある。そして治安が非常に良く犯罪も少ない。国民が皆親切なのも大きな特徴だ。訪れるべき観光スポットは、まず世界文化遺産に登録されている首都・サントドミンゴの植民都市エリアだ。特に人気のサンタ・マリア・ラ・メノル大聖堂は「アメリカ首座大司教座聖堂」とも呼ばれ、一五二一年に着工して十九年掛かりで完成した。途中設計者が何度か変わっているために、建築様式が異なっている部分があるが、壮麗なゴシック様式やバロック様式の装飾は見応えがあり、またコロンブスの遺体が安置されていたことでも有名だ。自然のスポットで人気があるのは、北部のプエルトプラタにある「ダマハグアの二十七の滝」。七つの滝を巡る最短のツアーで四十分、全ての滝を巡るツアーは三時間掛かる。
ドミニカ共和国は「世界の野球選手工場」とも呼ばれ、世界中に約二千人の野球選手を「出稼ぎ」に出していると言われている。ドミニカ共和国に野球が伝わったのは十九世紀末であり、急速に人気スポーツとなって、一九〇七年には最初のプロ球団が誕生、一九二二年に初めてプロリーグが発足している。その後プロリーグは紆余曲折の歴史を経、アメリカMLBとの連携を強めていって今に至る。MLBの選手の出場ができなかった東京オリンピックでは、ジャイアンツのC・C・メルセデス等、日本のプロ野球で活躍する選手が出場、ドミニカ共和国代表は見事銅メダルを獲得している。
依然として観光はドミニカ共和国の主力産業だが、日本人観光客はまだ少ない。しかし白い砂浜とココナツの木、そして青い海が広がる国でリゾートホテルも多数ある。そして治安が非常に良く犯罪も少ない。国民が皆親切なのも大きな特徴だ。訪れるべき観光スポットは、まず世界文化遺産に登録されている首都・サントドミンゴの植民都市エリアだ。特に人気のサンタ・マリア・ラ・メノル大聖堂は「アメリカ首座大司教座聖堂」とも呼ばれ、一五二一年に着工して十九年掛かりで完成した。途中設計者が何度か変わっているために、建築様式が異なっている部分があるが、壮麗なゴシック様式やバロック様式の装飾は見応えがあり、またコロンブスの遺体が安置されていたことでも有名だ。自然のスポットで人気があるのは、北部のプエルトプラタにある「ダマハグアの二十七の滝」。七つの滝を巡る最短のツアーで四十分、全ての滝を巡るツアーは三時間掛かる。
ドミニカ共和国は「世界の野球選手工場」とも呼ばれ、世界中に約二千人の野球選手を「出稼ぎ」に出していると言われている。ドミニカ共和国に野球が伝わったのは十九世紀末であり、急速に人気スポーツとなって、一九〇七年には最初のプロ球団が誕生、一九二二年に初めてプロリーグが発足している。その後プロリーグは紆余曲折の歴史を経、アメリカMLBとの連携を強めていって今に至る。MLBの選手の出場ができなかった東京オリンピックでは、ジャイアンツのC・C・メルセデス等、日本のプロ野球で活躍する選手が出場、ドミニカ共和国代表は見事銅メダルを獲得している。
学生のスポーツでの活躍が
大学の受験者増加に繋がる
大学の受験者増加に繋がる
ワールド・ドクターズ・オーケストラは医師のみによって構成された世界的なオーケストラで、本部はベルリンにある。世界五十カ国、一千五百人を超える医師がこのオーケストラに登録しており、その中で選ばれた百名程度が世界の様々な国でコンサートを行い、その収益を非営利の医療支援団体に寄付している。金森圭司氏はこのオーケストラのコンサートマスターを務めている。金森氏は塩澤修平氏が慶應義塾大学経済学部を卒業したのと同じ年に、同大学の法学部政治学科を卒業したが、在学中に大学のオーケーストラにバイオリン担当で所属しており、ユネスコの下部組織である音楽団体に派遣され、一九七六年のモントリオールオリンピックの開会式で演奏を行った。そこから音楽の道を志し、東京芸術大学に改めて入学、卒業後はNHK交響楽団の一員としてプロの演奏家として生計を立てていた。しかし三十歳の時に思い立って医師を目指して帝京大学医学部に入学、東大病院の医師となり、独立して今に至る。
塩澤氏は、たまたま訪れたアパホテル&リゾート加賀片山津温泉佳水郷で「真の近現代史観」懸賞論文の募集を知り応募、それが二〇一一年の第四回の佳作に入った。さらに第五回も佳作、そして第六回では社会人部門の優秀賞を受賞している。そこからアパグループとの縁が深まり、その関係で知り合った東京国際大学理事長の倉田信靖氏からの要請を受け、学長に就任することになった。東京国際大学はスポーツが強く、中でも駅伝は二〇二一年の箱根駅伝で総合十位に入ってシード権を獲得する等、躍進が目覚ましい。箱根駅伝で学生が活躍する効果は、受験者数の増加という形で現れる。大学としては、非常に良い循環が生まれているという。
塩澤氏はパリ政治学院の客員研究員を務めたことがあるが、この学院の卒業者が進学者の多くを占めるフランス国立行政学院(ENA)で、高田ロバート氏は修士号を取得している。このENA(エナ)は参議院議員の片山さつき氏も国費留学したことがあるエリート官僚養成校であり、卒業生は政官財界にわたって存在している。しかし国民のエリート主義への批判に応え、マクロン仏大統領はこのENAの廃校を宣言、二〇二二年一月に新設される公務学院に統合される予定だ。
塩澤氏は、たまたま訪れたアパホテル&リゾート加賀片山津温泉佳水郷で「真の近現代史観」懸賞論文の募集を知り応募、それが二〇一一年の第四回の佳作に入った。さらに第五回も佳作、そして第六回では社会人部門の優秀賞を受賞している。そこからアパグループとの縁が深まり、その関係で知り合った東京国際大学理事長の倉田信靖氏からの要請を受け、学長に就任することになった。東京国際大学はスポーツが強く、中でも駅伝は二〇二一年の箱根駅伝で総合十位に入ってシード権を獲得する等、躍進が目覚ましい。箱根駅伝で学生が活躍する効果は、受験者数の増加という形で現れる。大学としては、非常に良い循環が生まれているという。
塩澤氏はパリ政治学院の客員研究員を務めたことがあるが、この学院の卒業者が進学者の多くを占めるフランス国立行政学院(ENA)で、高田ロバート氏は修士号を取得している。このENA(エナ)は参議院議員の片山さつき氏も国費留学したことがあるエリート官僚養成校であり、卒業生は政官財界にわたって存在している。しかし国民のエリート主義への批判に応え、マクロン仏大統領はこのENAの廃校を宣言、二〇二二年一月に新設される公務学院に統合される予定だ。
地震の被害で怖いのは
倒壊より浸水だ
倒壊より浸水だ
代表のように数多くの国を歴訪していると、入国審査の際に痛くない腹を探られることがある。今は国交を回復しているアメリカとキューバだが、かつてはキューバに入国したことがわかると、アメリカに入国できないことがあった。パスポートの出入国スタンプが見えないように、ページを糊で貼り付ける人もいたという。北朝鮮への渡航歴があることも、問題を引き起こす可能性がある。一九八八年のソウルオリンピックに対抗して、北朝鮮も体育競技会を開催したのだが、その時代表も訪朝を誘われた。ビザが下りないだろうというと、「なんとかなる」とのこと。実際に行ってみると、北朝鮮に到着してからビザが発給された。
代表は以前から観光ビジネスにおける最大のリスクは戦争と感染症だと明言していたが、実際に新型コロナによって世界中の観光産業が大きな打撃を受けた。その他に今の日本の観光業界へのリスクで考えられるのは、首都直下巨大地震等や南海トラフ地震等の巨大地震の発生だ。一九九五年の阪神・淡路大震災の際、神戸のみでビジネスを行っていたホテルは大打撃を受けた。今は耐震基準が変わっていて、阪神・淡路大震災の時のように建築物が次々となぎ倒されることはないと思われる。しかし地震の発生で最も怖いのは、津波だ。東京でも高台は安全だが、海抜の低い土地は津波の被害を受ける可能性がある。プレートが動いている地球の活動を考えると、どうしても地震は発生する。そのタイミングを予測することは非常に難しいが、一定の周期で起こることは明らかなので、危険な期間になったことは察知できるだろう
代表は以前から観光ビジネスにおける最大のリスクは戦争と感染症だと明言していたが、実際に新型コロナによって世界中の観光産業が大きな打撃を受けた。その他に今の日本の観光業界へのリスクで考えられるのは、首都直下巨大地震等や南海トラフ地震等の巨大地震の発生だ。一九九五年の阪神・淡路大震災の際、神戸のみでビジネスを行っていたホテルは大打撃を受けた。今は耐震基準が変わっていて、阪神・淡路大震災の時のように建築物が次々となぎ倒されることはないと思われる。しかし地震の発生で最も怖いのは、津波だ。東京でも高台は安全だが、海抜の低い土地は津波の被害を受ける可能性がある。プレートが動いている地球の活動を考えると、どうしても地震は発生する。そのタイミングを予測することは非常に難しいが、一定の周期で起こることは明らかなので、危険な期間になったことは察知できるだろう
カジノで勝つ秘訣は
ディーラーへのチップだ
ディーラーへのチップだ
もう一つ大きなリスクとして考えられるのは、富士山の大噴火だ。一七〇七年の宝永大噴火は二週間続き、最初の一週間は火山灰によって太陽が見えないこともあり、江戸でも三センチの火山灰が降り積もった。火山の噴火で壊滅した都市として有名なのが、イタリアのポンペイだ。七九年、ヴェスヴィオ火山が大噴火を起こし、大量の火山灰が街に降り注いで建物とその中にいた人を押しつぶし、その後に数百度にもなる高温の火砕流や、火砕流に似ているが主成分がガスの火砕サージが人々を襲った。多くの人が、高熱で即死状態だったことが研究で判明している。火砕流の速度は時速八〇㎞に及ぶこともある。二〇二一年の十月にはハワイ島のキラウエア火山が噴火した。観光地の火山が噴火することはあり得る。逃げられるかどうかはわからないが、とにかく噴火の後に灰色の雲が向かってきたら、全力で走るしかない。
気候変動もリスクになるかもしれない。オセアニアの島国・ツバルが海面上昇によって水没する危険性があると言われているが、インド洋に浮かぶリゾートアイランド、モルディブでも浸水被害が酷くなっており、その対策として一九九七年から人工島を建設している。水の都として世界中から観光客を集めるイタリアのベネチアは、二〇一九年と二〇二〇年の十二月に二m近くにもなる浸水被害に襲われたが、二〇二一年に入ると逆に大幅に水位が下がり、名物の運河のゴンドラが水辺に乗り上げる様子が報道されていた。ベネチア市長は、この急激な水位の変化は気候変動に関連していると主張している。
代表はコロナ禍前、毎年大晦日からの年越しはラスベガスで過ごしていた。ラスベガスで三本の指に入るギャンブラーが友人で、その彼が招待してくれるからだ。代表自身はギャンブルをしない。事業を行っている人生こそが、博打だからだ。しかし友人のようにギャンブラーとして長年ラスベガスで生計を立てている人も、数えるほどしかいないという。彼が言うギャンブラーとして生きていける「秘訣」は、ディーラーに惜しみなくチップをあげることだ。カジノで行われるゲームには、機械やディーラーによる「クセ」がある。ディーラーにチップを弾むと、その日の機械や他のディーラーの状態をこっそり教えてくれるのだ。もう一つの秘訣は、勝っていてもはしゃいだりせず、平常心を保ち続けることだという。ラスベガスのカジノでは、十万ドルをチップに替えれば、日本からの往復の飛行機代からホテルの宿泊費、滞在中の飲食が全てカジノ持ちになる。チップに交換すればきっと使ってしまうから、元は取れるということだ。某製紙会社の会長のように百六億円もカジノで溶かす人もいるからこそ、成り立つビジネスなのだろう。
気候変動もリスクになるかもしれない。オセアニアの島国・ツバルが海面上昇によって水没する危険性があると言われているが、インド洋に浮かぶリゾートアイランド、モルディブでも浸水被害が酷くなっており、その対策として一九九七年から人工島を建設している。水の都として世界中から観光客を集めるイタリアのベネチアは、二〇一九年と二〇二〇年の十二月に二m近くにもなる浸水被害に襲われたが、二〇二一年に入ると逆に大幅に水位が下がり、名物の運河のゴンドラが水辺に乗り上げる様子が報道されていた。ベネチア市長は、この急激な水位の変化は気候変動に関連していると主張している。
代表はコロナ禍前、毎年大晦日からの年越しはラスベガスで過ごしていた。ラスベガスで三本の指に入るギャンブラーが友人で、その彼が招待してくれるからだ。代表自身はギャンブルをしない。事業を行っている人生こそが、博打だからだ。しかし友人のようにギャンブラーとして長年ラスベガスで生計を立てている人も、数えるほどしかいないという。彼が言うギャンブラーとして生きていける「秘訣」は、ディーラーに惜しみなくチップをあげることだ。カジノで行われるゲームには、機械やディーラーによる「クセ」がある。ディーラーにチップを弾むと、その日の機械や他のディーラーの状態をこっそり教えてくれるのだ。もう一つの秘訣は、勝っていてもはしゃいだりせず、平常心を保ち続けることだという。ラスベガスのカジノでは、十万ドルをチップに替えれば、日本からの往復の飛行機代からホテルの宿泊費、滞在中の飲食が全てカジノ持ちになる。チップに交換すればきっと使ってしまうから、元は取れるということだ。某製紙会社の会長のように百六億円もカジノで溶かす人もいるからこそ、成り立つビジネスなのだろう。