日本を語るワインの会201

ワイン201二〇二○年二月十四日、代表邸で恒例「日本を語るワインの会」が行われました。政治記者として三木武夫首相の番記者からそのキャリアをスタートした株式会社産業経済新聞社相談役の熊坂隆光氏、衆議院総務委員会の筆頭理事として活躍する衆議院議員の坂井学氏、一味違う野党として奮戦する日本維新の会の衆議院議員・串田誠一氏、アメリカ・グレンデール市の慰安婦像撤去を目指す歴史の真実を求める世界連合会副理事長の細谷清氏、東京女子医大三年生で医者を目指す勉強もしている第十三代真心笑顔親善大使の松木華帆氏をお迎えし、外交から軍事まで幅広く日本を語り合いました。
習近平主席の国賓としての
来日は延期すべき
 新型コロナウイルスによる感染が大騒ぎとなっており、医療現場でもマスクが足りない等言われているが、インフルエンザで死ぬ人の方が遥かに多いことを誰も指摘しない。実際アメリカ疾病対策センターが二月に発表した数字では、インフルエンザでアメリカではこの半年に最低でも一万二千人が亡くなったとされている。年によって異なるが、日本でもインフルエンザで毎年数千人が死亡していて、これは新型コロナウイルスの死者の数千倍だ。過剰な恐怖の根源はテレビのワイドショーだ。新型コロナウイルスのことばかりに特化して、どこで感染者が出た、死者が出たとか朝から晩まで報道し、人々の不安を煽っている。これまでの状況を見ていると、このウイルスは感染力は強いが、致死率は高くないので、そんなに深刻に心配する必要はないはずだ。政府も広報官によって、もっときっちりと国民に情報を伝えるべきだろう。その際には通常のカゼやインフルエンザと比較して、新型コロナウイルスによる感染のリスクを正しく伝えるべきだ。
 このウイルスがなぜ中国・武漢から発生したかも謎だ。野生動物の肉を扱う市場からという説が有力だが、中国の都市の市場はどこも不衛生では同じで、特に武漢が汚いということはない。しかし武漢にはウイルス研究所と疾病対策予防管理センターという二カ所の感染源候補がある。特に疾病対策予防管理センターは市場から近く、ウイルス流出の可能性が高いという論文も出ている。この騒ぎで習近平体制は弱体化している。二期十年の主席の任期を取っ払って習帝国化を目指した習近平主席だが、その野望達成も怪しくなってきた。この機会に四月に予定されている習近平主席の国賓としての来日は延期すべきだ。湖北省や浙江省の人々が来日できないのに、主席だけが来るのはおかしい。今回はウイルス騒ぎが終息してから改めてと、日本側から延期を申し入れるべきだろう。中国は弱った時に天皇陛下を利用したがる。一九八九年の天安門事件の後、中国は西側の経済制裁から逃れるために一九九二年に天皇訪中を実現させている。同じ轍を踏んではいけない。
 どうして日本がそこまで中国に慮るのか。それは経済の問題だ。今日本は中国に食料から機械部品まで、様々なものの製造で依存している。実際このコロナウイルスによる影響で、パソコンの部品が手に入らない等が報告されている。過去を振り返ると、日本の技術と金が中国や韓国の経済を繁栄に持っていったのは確かだ。しかしこの両国は、感謝もせず文句ばかりを言っている。日本は明治維新によって自ら国体を大きく変え、産業革命を進めることができたが、中国や朝鮮半島はそれができなかったから日本に依存したのだ。それを正しく認識するべきなのに、自己中心的な文化が感謝の気持ちを阻害している。
香港の民主化デモが
台湾総統選挙を左右した
 一月のアメリカの無人機によるイランのスレイマニ司令官殺害に対する報復として、イランは中距離弾道ミサイルをイラクのアメリカ軍の基地の倉庫に撃ち込んだ。イランは先にイラクに攻撃を予告していたこともあり、アメリカ兵の被害はゼロだったが、イラン政府は国内向けに八十人ものアメリカ人を殺害したと発表した。一度は双方やり合わないと手打ちができないというのは、ヤクザの世界と同じだ。しかしイランの弾道ミサイルのピンポイント攻撃は見事だった。
 兵器の技術は日進月歩だが、日本の自衛隊の最も誇れる兵器は深深度潜水艦と深深度魚雷だ。これがあるから中国は日本に攻めてくることができない。日本の潜水艦は九百メートルまで潜ることができるが、中国の潜水艦は二百〜三百メートル潜るのが限界だ。日本の潜水艦の静粛性が高いのに対して、中国の潜水艦は音がうるさい。また九百メートルの深度から日本の潜水艦は深深度魚雷を打ち上げて、深度の浅い位置にいる潜水艦を一掃することができる。 
 航空戦力ではJ-二〇等中国も優秀な戦闘機の開発を行っていて、日本のF-三五に対抗できる力をつけつつある。日本は今、日本海の制海権はしっかり握っているが、制空権が危うい状況だ。陸続きではないから、日本は独立を維持できている。もし台湾が中国本土から陸続きなら、とっくの昔に併合されていただろう。台湾海峡の存在が台湾の独立を維持している。今年の台湾総統選挙において、中国は台湾に圧力を掛けて国民党の候補・韓国瑜氏を勝たせようとしたが、香港の民主化デモが誤算となった。この騒動が人々の反中国意識を目覚めさせ、低迷していた現職の民進党・蔡英文総統の支持率が急上昇、結局過去最大得票数で圧勝した。この民進党の勝利の背景には元総統の李登輝氏の尽力があった。今回の正論大賞の特別賞にこの李登輝氏が選ばれているが、九十七歳と高齢のため二月二十八日の贈呈式には代理の方が来日する予定だ。
安全保障面でもコストでも
独自開発の兵器が必要
 国際政治はヤクザの喧嘩と同じで、舐められたら終わりだ。北朝鮮は日本が武力行使できないことを知っているので、全く相手にしていない。今や核保有国である北朝鮮は、核保有国としか話をしない。核兵器は一番安上がりにバランス・オブ・パワーを実現できるものだ。さらに核は数ではなく、あるかないかで判断される。その点で言えば、日本は常に潜在的核保有国と見做されている。材料もあり技術もあるのだから、作ろうと思えば一カ月や二カ月で作ることができるだろう。また核以外の通常兵力でも、航空自衛隊にあれだけのF-三五が入れば、相当な実力となるだろう。ただ問題は多くの兵器がアメリカ製で、アメリカと友軍として戦っていれば使えるが、敵に回ったとたんシステムが機能しなくなり、使えなくなることだ。やはり独自開発の兵器の比率を上げないと安全保障面でも不安だし、またコスト面でも高い兵器を買わされ続けることになる。また迎撃ミサイルシステムに多額の費用を掛けるぐらいなら、抑止力を持った攻撃用兵器に力を入れたほうが効率的だ。どんなに防御を整えても、一斉に限界を超えた多数のミサイルでの飽和攻撃された場合には、防ぎきれないからだ。
 日本は憲法を改正して、自衛隊を国軍として防衛力を高めなければならない。そうしなければ、いずれ中国日本自治区となってしまうだろう。十四億人という数の力は大変なものだ。かつて中ソの盟主争いが深刻だった時、毛沢東はソ連と核戦争しても、半分の人口が生き残れば大丈夫と嘯いていたほどだ。改憲はトランプ大統領の任期中に行うべきだ。彼は日本の軍事力増強に積極的だが、次の大統領がどう考えるかはわからない。ただ今の自民党の改憲案では自衛隊を憲法に明記するだけで、自衛隊自体は軍隊になれない。二回の改憲で自衛隊を軍隊とすべきで、それには安倍首相の総裁四選が不可欠だ。
日米軍人の慰安婦証言を
アマゾンから英語で出版
 慰安婦問題に取り組む細谷清氏は、昨年十二月に日本軍人とアメリカ軍人の朝鮮人慰安婦についての証言集「日本軍人が証言する戦場の花 朝鮮人慰安婦」(ハート出版)を出版、その英語版である’American Soldiers Witnessed Korean Comfort Women-“Flowers of the War”: Japanese also Ascertained their Nature’をアマゾンからこの一月に出版した。英語版は出版社には全て断られたのだが、アメリカのアマゾンには自費出版の仕組みがあり、電子出版のキンドルとペーパーバックの両方で本を出すことができる。このような広報活動は本来、外務省がやらなければならないことであり、これを今は民間で行っている状況だ。しかしかつての外交官試験にも歴史の科目はなく、外務省の役人は歴史の知識が浅い。彼らは日本国憲法の「諸国民の公正と信義に信頼」することしかできない。
 森喜朗氏は日本工業新聞に勤務していたが、当時は産経新聞と日本工業新聞は完全な人事交流をしており、森氏は産経新聞の社員だった。政治家としての森氏は非常に細やかな神経を持った調整型の人物であり、争いを決して好まなかった。しかし首相となった森氏を「神の国」発言等でメディアは集中して批判した。二〇〇一年のえひめ丸事故でも、第一報の後第三報まで三ホールプレイしたことを、野党と結託したメディアが批判した。日本の諸悪の根源は反日日本人とメディアだ。
 二〇一四年産経新聞の加藤達也ソウル支局長が韓国からの出国停止処分を受けた時の、産経新聞の社長が熊坂隆光氏だった。国会議員だろうが官僚だろうが、周囲の人は全員謝罪をすれば出国できると熊坂氏に言ってきた。「遺憾です」と言えばいいと。日本では遺憾に謝罪の意味は薄いが、韓国では遺憾とは大変申し訳ないという意味になるからだ。今、保守系論壇のトップに君臨する人までそのように言ってきた。例外は安倍首相と菅官房長官で、この二人は最後まで謝罪せよとは言わなかったという。加藤支局長も謝らないという信念を貫いており、熊坂氏もそれに倣った。結局韓国は八カ月後に加藤氏の出国を認め、またその後裁判でも加藤氏の無罪が確定した。謝らないのが正しい対応だったのだ。
 映画「カメラを止めるな」のテレビプロデューサー役でブレイクした女優のどんぐり氏は、二〇一九年一月に放送された「ワガババ修学旅行〜澤部先生VSデヴィ夫人ら9人の淑女! 自由すぎる富士山旅〜」という番組でホテル社長と共演。その後も深田恭子主演のドラマ「ルパンの娘」の祖母役でも存在感も発揮したりと、出演のオファー続々の人気女優となっている。ホテル社長の東京ミッドタウンでの講演会に差し入れのお酒持参で参加する等、ホテル社長とどんぐり氏の親交も続いている。