日本を語るワインの会181

ワイン181二〇一八年六月十五日、代表邸で恒例「日本を語るワインの会」が行われました。初代の女性活躍担当大臣を務めた参議院議員の有村治子氏、バイリンガルのニュースキャスターから四十歳を越えて医学部へ進学、大学の客員教授も務める参議院議員の石井苗子氏、バイオベンチャー創業者・政府関連の委員・映画プロデューサーなど様々な顔を持つ大阪大学教授の森下竜一氏、第一回「真の近現代史観」懸賞論文で優秀賞(社会人部門)を受賞、この四月に「黒幕はスターリンだった 大東亜戦争にみるコミンテルンの大謀略」(ハート出版)を上梓した近代史研究家の落合道夫氏、僧籍も保有、現在は妻の故郷であるルーマニアのために奔走する在日本ルーマニア商工会議所会頭の酒生文弥氏をお招きし、北朝鮮問題や民法改正など今のニュースを語り合いました。
今回の米朝首脳会談は
枠組み作りに終始した
 六月十二日に米朝首脳会談が開催され、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は共同声明に署名した。この共同声明にいわゆるCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)や非核化の期限、方法が盛り込まれなかったことが過度に融和的との評価がされている。さらに会談後トランプ大統領が金正恩委員長を「立派な人格」とか「賢い」などと称賛したことに対して、メディアから批判が集まっている。しかしこれはメディアの方がおかしく、トランプ大統領の態度は真っ当だ。なぜトランプ大統領は、あのような称賛をしたのか。今金正恩を会談で圧倒して追い詰めれば、帰国後に必ずクーデターか内乱が起こり、北朝鮮は一気に混乱に陥るだろう。アメリカや日本にとっては核抜きの金正恩体制維持が国益に叶うという判断から、トランプ大統領は金正恩を褒めそやしたのだ。メディアにも国民にも、重箱の隅をつつくような狭窄状態ではなく、大きな視野が求められる。北朝鮮への経済制裁がボディブローのように静かに効いている。トランプ大統領最大の目標は大統領選での再選であり、そのための今年十一月の中間選挙での勝利だ。であれば米朝交渉での成果は十月までに上げればよい。今回の初回の米朝首脳会談ではCVIDの「枠組み」だけを作り、後は経済制裁に耐えかねた金正恩が飛び込んでくるのを待てばいいのだ。日本のメディアにはここまで見抜く力がない。せいぜいできるのは、モリカケで表面的感情的に安倍首相批判を行うだけだ。
 金正恩は今回の米朝首脳会談が行われたシンガポールへも中国国際航空の旅客機を使い、一説にはこれを中国人民解放軍の戦闘機が護衛したとも伝えられている。米中新冷戦を明確に意識したトランプ大統領にとって、北朝鮮問題における一番の関心は、この国を中国が取るか、アメリカが取るかだ。就任後しばらくは中国への融和姿勢を見せていたトランプ大統領だが、様々な人からのアドバイスを得て、今は明確に米中冷戦を理解している。今後トランプ大統領は対中包囲網の形成に尽力するだろう。まずロシアのプーチン大統領と手打ちをして経済制裁を解除、さらに日本、インド、ベトナム、台湾とも連携を強化するはずだ。また今後成立するかもしれない北朝鮮と韓国が合併した連邦朝鮮が、この包囲網の一翼を担うことは願ってもないことだろう。アメリカは北朝鮮の核兵器など怖くはない。それは核保有国である中国もロシアも同じだ。怖がるべきなのは核兵器を保有しない、すなわち抑止力を持たない日本だ。北朝鮮に近い非核保有国は韓国と日本だが、韓国には同胞意識があるため北朝鮮は核攻撃を行わない。つまり世界で一番核攻撃される可能性が高いのは、既に二発の原爆を落とされている日本だということだ。

経済制裁が確実に有効
金正恩は必ず屈服する
 日本は日米安保のお蔭で先の大戦から七十三年平和を守ってきた。実は日本が大好きで北朝鮮を日本のようにしたい金正恩は、米朝安保を求めているのではないか。北朝鮮の体制保証というのは中国に併合されないことを指し、この実現のためにはアメリカの力が必要だからだ。そして三代続いていた金一族を、百二十五代続く天皇のようにしたいのだろう。金正恩を叔父の張成沢を処刑し、兄の金正男をマレーシアで暗殺したことで非難する人も多いが、彼がそれを実行していなければ逆に金正恩が張成沢に殺され、その後釜には中国の傀儡たる金正男が据えられていたはずだ。そして韓国を併合、朝鮮半島の中国の朝鮮自治区になっていた可能性が高い。これを先手を打って回避した金正恩は極めて政治的に聡明であり、この功績に気づいたトランプ大統領もさすがにビジネスで場数を踏んでいるだけある。代表は同じ実業家だからトランプ大統領の考えがわかるが、日本のメディアにはこれらの流れは理解できない。
 アメリカは北朝鮮の非核化を迫ったにも拘らず、北朝鮮は朝鮮半島の非核化と主張し続けた。トランプ大統領がこれを否定せず金正恩の言い分を認めたのも、中間選挙までの時間稼ぎと金正恩体制維持のためだ。中国は国連では経済制裁に賛成しながら、裏では「瀬取り」などで制裁破りの援助を続けて、北朝鮮を中国側に引きつけ続けようとしている。瀬取りを行う中国船を撃沈するぐらい、徹底的に取締を行うべきではないか。そうすれば、北朝鮮は必ずアメリカが設定した「枠組み」の中に、熟し柿のように落ちてくる。在韓米軍撤退なども取り沙汰されているが、同様に金正恩に「米軍にいて欲しい」と思わせることが肝要なのだ。

安倍首相の改憲演説が端緒
モリカケ騒動は倒閣運動だ
 民法を改正、百四十年ぶり成人の定義を見直す法案が今国会で成立、二〇二二年四月から満十八歳が成人となる。飲酒や喫煙、公営ギャンブルは引き続き二〇歳未満はできないが、十八歳でも親の同意を得ずに契約行為ができるようになる。離婚時の養育費も十八歳までというケースが多くなるだろう。不満なのは被選挙権は今と変わらないことだ。また契約可能な年齢の引き下げは、騙される人を増やす可能性もある。これは教育でもカバーすべき。今の学校では騙してはいけないと教えるが、騙されてはいけないとは教えない。これを教えるべきだ。同時にいじめてはいけないし、いじめられてもいけないと教えるべき。これは国が侵略してもいけないし、侵略されてもいけないことに通じるだろう。
 衆議院議員の杉田水脈氏が国会でプレスコードについて質問、一九五一年のサンフランシスコ講和条約によって失効したとの答弁が行われたが、実際には今でもメディア各社はこのプレスコードを遵守している。二〇〇〇年、当時の森喜朗首相が神道政治連盟国会議員懇談会の挨拶で発言した「神の国」という言葉がメディアの集中砲火を浴びたが、これはプレスコードで「神国日本の宣伝」が禁じられていたからだ。プレスコードでは「占領軍兵士と日本女性との交渉」の報道も禁じられていた。占領下、主権を持たない日本の女性がこのプレスコードの下、どれだけの性的虐待や暴力を受けたことか。押し付け憲法という主張に反論するために、日本国憲法は日本人が起草したと主張するメディアが多いが、プレスコードには「GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判」の報道禁止も明記されている。また二〇一六年にはアメリカのバイデン副大統領も「日本国憲法はアメリカが起草した」と発言している。これらから、日本国憲法が押し付け憲法であることは明らかだろう。GHQによる日本国憲法の草案はわずか十一日で作られており、その「女性の権利」の部分は当時わずか二十二歳の女性、ベアテ・シロタ・ゴードン氏が書いたものだ。現在、日本国憲法制定までの歴史を淡々と描く映画の企画が来年のGWの公開を目指して進行中だ。しかし日本国憲法は映画にしないという業界の暗黙の了解があり、配給したり興行したりすることが非常に困難という現状がある。昨年五月、憲法改正を安倍首相が期限に触れながら語ってから、モリカケ問題のメディア報道と野党の追求が厳しくなった。モリカケ追求が護憲派の倒閣運動であることは明らかだ。

多くの人々が手弁当で参加
思想的連帯で活動が広がる
 二〇一四年四月に代表は、プレスコードの新聞初掲載となる広告を産経新聞に出した。またApple Town二〇一〇年十月号には、中央学院大学の故・西内雅教授が一九七二年に入手した中国共産党の秘密文書「日本解放第二期工作要綱」を雑誌では初めて掲載した。驚くべきは、日中国交回復から民主党政権まで、全てがこの「工作要綱」通りに進められてきたことだ。そしてこの要綱の最終目的は、天皇の処刑となっている。このような中国の企みも、一般の人の目に触れる機会が極めて少ない。Apple Townで代表は世の中では通常言われてないことを、エッセイなどの記事で伝えてきた。さらに勝兵塾には七年間で延べ一万八千人の人々が参加、毎回国会議員や研究者などが無料で講演を行っている。アパグループは政治献金を一切行わない。代表の言論活動は全て思想的な連帯によって行われている。日本再興という同じ想いがあるからこそ、Apple Townの記事に協力し勝兵塾に参加するのだ。
 アパホテルの部屋がコンパクトなのには、いくつもの理由がある。まず二酸化炭素排出量を通常のシティホテルの三分の一にするため。また人間は基本ものぐさなので、ベッドサイドに照明や空調のスイッチが全部揃っている方が便利に感じるからだ。海外の一流ホテルのスイートルームに宿泊すると、暗いと感じれば、照明のスタンド一つひとつを点灯して回らなければならない。なぜこういう設計になっているか。それは欧米の高級ホテルは、元々召使いがいる人向けのものだからだ。その流れを汲んでインドのホテルのスイートルームには、召使い付きのものがある。これは植民地主義の名残としか言いようがない。
 代表は孫子の兵法、マキャベリの軍事理論、日本に田岡信夫氏が紹介したランチェスター戦略を独学で学んだ。ランチェスター戦略に従って東京で頂上戦略を行い、ホテル数は六十九になった。そして日本の真ん中は赤坂だと考え、本社としてビルを購入。事業拡張に伴ってオフィスが必要となり、現在赤坂に三つのビルを保有している。通常事業での不動産は収益還元法によって、その土地・建物の購入による利回りを考慮して購入するが、本社ビルに関してはその辺りのことは一切関係なく、東京の情報拠点として最適だからという理由だけで赤坂にした。本社の近くには来年二月、アパのランドマークホテルとなるアパホテル〈国会議事堂前駅前〉がオープンする。