南京市民を虐殺した
玉川氏が代表に送ったのは、東宝が一九三八年に制作した映画『戦線後方記録映画「南京」』のDVDだ。前年十二月の日本軍の南京入城やその直後の南京市民の様子が克明に記録されており、そこには虐殺の様子は微塵もない。一方「漢奸を働いた者は許すことなく殺してしまえ」とか「漢奸を検挙せよ 法令は守らなくて良い 騒乱を起こせ」というポスターが街中に貼られているシーンと、国府軍による漢奸狩りで「多い日には一日数千人が処刑された」というナレーションが入っている。この蒋介石が行った漢奸狩りは、これまで日本ではほとんど知られていなかった事実だ。蒋介石は自分達が行ったことを日本軍のせいにして、南京大虐殺をでっち上げたのである。先の大戦後の中国の内戦で蒋介石が毛沢東に敗れたのは、漢奸狩りなどで蒋介石の人気がなかったことも要因だろう。とにかく南京大虐殺はなかった。もちろん戦闘で亡くなった国府軍兵士はいるだろうし、軍服を脱ぎ捨て武器を持って便衣兵となったものを摘発して処刑したこともあったろう。しかし民間人の虐殺の証拠は皆無だ。蒋介石の国民党政府は一九四七年の二・二八事件でも、台湾のエリート層を皆殺しにした。これは質の悪い国民党軍がこれから台湾を統治するのに、知識層が邪魔だと考えたからだろう。
映画『南京』のフィルムは、アメリカ占領軍に都合が悪かったためか日本には残っておらず、中国で四本、アメリカで一本発見されている。特にアメリカのものには、他のバージョンにはない漢奸狩りのポスターなどの一〇分のシーンがあり、日中問題研究家の松尾一郎氏がそれを集めて、完全版を作成、YouTubeにおいて公開している。玉川氏はこの映画を世間に知らせたくて、アパホテルに置いて欲しいと百カ所のアパホテルに十枚ずつDVDを送ってくれた。アパホテル書籍の炎上問題がなければ、玉川氏がDVDを送ることはなかった。中国は藪を突いて蛇を出したのです。彼らが騒げば騒ぐほど、真実が明らかになっていく。
鈴木清順監督の映画『春婦伝』(一九六五年)で描かれる慰安婦の生活は、アメリカ軍がミャンマーで朝鮮人慰安婦に尋問した際の報告書の内容とぴったり一致する。相手にするのは、午前は兵士、午後は下士官、夜は士官だ。鈴木清順は左翼なので日本軍は悪者扱いだが、それでも慰安婦は職業的な売春婦として描かれている。一九四四年に京城日報に出された慰安婦募集の広告を見ても、今のお金で前借金が三千万円、月給が三百万円と高給取り、二年半で一億円以上貯めた預金通帳も出てきている。性奴隷というイメージは全くの誤りだ。
対ロ政策は方向転換した
トランプ大統領は、最初は「一つの中国」を認めるかどうかわからないというスタンスをとっていたが、結局認めた。それは北朝鮮攻撃についての同意を習近平から得たからだろう。次にトランプ大統領はロシアとの関係改善のために経済制裁緩和を匂わせるはず。四月末にプーチン大統領と会談を行った安倍首相は、トランプ大統領からのメッセージを伝えたのではないか。昨年十二月の山口で行われた日ロ首脳会談以来、北方領土交渉についての進展がなくなり、四月の会談では話題にもなっていない。安倍首相は北方領土返還を諦めたのではという声もある。確かにそもそも領土は戦争で獲得したものであって、後に話し合いで返還する例はほとんどない。沖縄は例外であり、それは冷戦体制下、日本全体がアメリカ支配下にあったようなものだったからだろう。ロシアとは状況が異なり、彼らが北方領土返還に抵抗することには一貫性がある。今北方領土では中国や韓国、アメリカ、カナダなど第三国の資本による開発が進められている。安倍首相とその周辺の考えでは、今は領土問題に拘らず経済協力関係の強化を行って第三国に対抗していくことが優先だということで、とにかく領土優先から方針を転換したのだろう。メディアなどから返還の期待を盛り上げすぎたこともあるが、十二月の失望感は大きかった。安倍首相はこのまま領土を諦めていいと考えているのだろうか。ロシアは軍事大国ではあるが経済規模は小さく、いずれこのままではプーチン大統領の政権運営は行き詰まる。彼が権力を失わないよう、方針転換して経済協力を優先した方が、最終的な「実」は取れるのではないか。とにかく過度な領土返還の期待を持つことだけは避けなければならない。
今にまで累を及ぼしている
東日本大震災の直後、福島第一原発の地元の大熊町から会津若松市に、子供達の教育を続けるために学校施設を貸して欲しいという依頼があった。子供を守ることは未来を守ること。戊辰戦争の後、会津藩は青森に行き斗南藩となったが、教育が大事と藩校の日新館を即座に再建した。この伝統のある会津若松市はすぐに動き、河東町との合併で余っていた小学校を大熊町に小中学校として貸し出した。ここに通うため多くの大熊町民が会津若松市に避難、この人々を受け入れるために風評被害で閑古鳥が鳴いていた市内の東山温泉や芦ノ牧温泉の旅館やホテルが、臨時の避難所として使われた。避難所には体育館が使われることが多いが、旅館やホテルなら食料や水のストックも多い。会津若松市は今では協定を結んで、災害時は温泉の旅館・ホテルを避難地にすることにしている。
原発事故時に民主党政権が設定した放射線や放射能の基準の悪影響が今にまで残っている。空間線量が年間二〇ミリシーベルト以上の地域が強制避難になったが、そのために多くの災害関連死が発生した。除染の基準も年間五ミリシーベルトだったのが、後に一ミリシーベルトに下げられた。また一般食品の放射性セシウムの基準が五〇〇ベクレル/㎏から一〇〇ベクレル/㎏に下げられた。世界の食品の基準は一〇〇〇〜一五〇〇ベクレル/㎏なのに、この基準は厳しすぎる。当初多くの農林水産物が一〇〇ベクレルの基準を超え、それをメディアが大きく報道したために、福島県産品への風評被害が拡大した。五ミリシーベルトの基準も五〇〇ベクレルの基準もそのままであったら、今のような莫大な賠償は発生しなかった。全ては民主党政権の基準設定に原因がある。今では福島県産の農林水産物は全部一〇〇ベクレル/㎏の基準をクリアしているが、日本への圧力の意図もあってか、中国や韓国のように福島県からの食品の輸入を制限している国がまだある。統計学的確率計算に基づいてリスクを理解し、それに対する正しい対応をとるべきだ。また世の中にゼロリスクは存在せず、それを追い求めるだけで膨大なコストが掛かることを認識するべきだ。限界のある予算の中で最低のリスクを選択するのが、政治の仕事だ。メディアは良いことを報じても売れないが、不安を煽れば売れる。福島原発事故において放射線で死んだ人はいない。科学的根拠なく不安だけを生じさせる報道はフェイクニュースとして罰するべきだ。
交通事故死者がさらに減る
航空機事故の確率は低く、空港まで行く自動車で交通事故に遭う確率の方が大きい。しかし交通事故やその死者数は減少、一九七〇年には約一万七千人だった死者数は、二〇一六年には三千九百四人と四分の一以下になっている。さらに自動ブレーキなど自動運転技術が発達するために、交通事故による死者は減っていく一方だろう。代表はアメリカのシアトルで、自動運転で動くテスラに乗ったことがある。新興の電気自動車メーカーであるテスラは、時価総額でフォードやGMを抜き、最早ビッグスリーを越える勢いだ。自動車分野の技術はさらに進化していく。