日本を語るワインの会157

ワイン156二〇一七年一月六日、恒例「日本を語るワインの会」が代表自邸にて開催されました。かつて百貨店の着物売り場で活躍、着物のプロでもある株式会社経済界代表取締役社長の佐藤有美氏、産業再生機構時代にカネボウやマツヤデンキなど数多くの企業の再生に成功した株式会社ケイライプ代表取締役の片山龍太郎氏、前職は在日ルーマニア大使館の政府観光局長だった在日本ルーマニア商工会議所常務理事のアレクサンドル・シェルバン氏、全米ナンバーワンのディベイターだったアメリカ・ニューヨーク州弁護士のジェームズ・ニコラス・パパトネス氏、テロなどの影響もありながら日本人に根強い人気があるフランス出身のピークミーアップ株式会社のクロード・パトリック氏をお迎えし、トランプ大統領誕生後の世界などについて、語り合いました。
トランプ景気への期待から
急速に進む株高・円安
 いよいよトランプ大統領が就任する。レーガン大統領は、軍拡競争に引きずり込むことによってソ連を崩壊に導いたが、トランプ大統領はこれを真似て、同じく軍拡競争に中国を引きずり込んで、中国共産党独裁政権を崩壊へと導こうとしている。昨年末、空母・遼寧を含む中国艦隊が台湾の東の宮古海峡を抜け南下、南シナ海に入るなど活動をしているが、アメリカは遼寧に対抗して、カール・ビンソンを中心とする空母打撃群を西太平洋に派遣する。遼寧は旧ソ連海軍の未完成の空母で、放置されていたものを、海上カジノにするという名目で中国が購入、建造を継続して就航させたものだが、空母としては欠陥品だ。艦載機を発進させる場合、空母は全速で航行して機に勢いをつけるのだが、遼寧のエンジンはパワー不足で十分な速力が出ないため、発進できる艦載機は燃料と弾薬を満載しない軽いものだけだ。
 トランプ大統領は退役軍人の支持も受けている。数十人の元将軍を含む退役軍人が、大統領選挙の最中にトランプ支持の書簡を発表、それらの元将軍は就任式にも出席する予定だ。トランプ大統領の就任は日本が真の独立国家になるチャンスだ。親中のヒラリー・クリントンが大統領になっていれば、日本は中国に取り込まれただろう。トランプ大統領が日本の防衛費がGDP比一%と言うのは少ないと言うのは正しく、東アジアのバランス・オブ・パワーの維持には、他国同様GDP比二%の防衛費が必要だろう。また盾だけでは自分を守ることはできない。やはり鉾も必要だ。攻撃用兵器も必要になるだろう。トランプ効果は経済にも出ている。株高、円安かつ今の日本は超低金利だ。ここで事業を拡大しない経営者は無能としか言いようがない。
 トランプの選挙戦略はランチェスター戦略の差別化戦略だ。これまで大統領選挙に二度出馬した経験から、暴言によってニュースとしてメディアに取り上げられることが唯一の活路だと考え実行、見事成功した。この戦略は副次効果として、世論調査に正直にトランプ支持だと答えない「隠れトランプ」を生み出した。これによって大手メディアの予想がことごとく外れる結果になった。やはり戦術ではなく、明確な戦略を持つことが勝利には必須だ。日本は海外への広報戦略をもっと強化するべきだ。本来であれば、情報省を創設し、三千億円の予算で三千人の要員を使って、世界中のメディアをチェックして、日本に不利な報道があればすぐに反論する体制をとるべきだ。

日本政府はハル・ノートを
世界へ公表すべきだった
 アメリカのフーヴァー大統領の回顧録によって、先の大戦がフーヴァーの後任のルーズベルト大統領の陰謀によって引き起こされたものであることがはっきりした。しかし陰謀だとすれば、なぜ日本の指導者がそれにのったのか。国際関係で言えば、目的を達成したルーズベルトは賢く、引っ掛かった日本の指導者は無能だったと言わざるを得ない。日本は日英同盟を堅持して、イギリスと協力してソ連と対峙しつつ、インドなどアジアを緩やかに解放する方針をとるべきではなかったか。とはいえ、軍産複合体を持つアメリカは、需要を創り出して世界恐慌から脱出するという目的もあって、何が何でも戦争に参加したかった。戦争を望んでいなかった日本もアメリカ国民もそれに巻き込まれたのだ。日米戦直前の日本側のミスとしては、宣戦布告とも言うべきハル・ノートを日本国民や世界に公表しなかったことだ。アメリカ議会も国民も知らなかったこの文書が公表されれば、世論は大きく揺れ、日米開戦は遠のいたかもしれない。また日本の陸軍と海軍は不仲が目立ちすぎ、協力体制が取れていなかったのもマイナス点だ。

最初の人間は皆黒人
地域によって肌の色が変化

 ROMANIAという綴りからもわかる通り、ルーマニアの本当の呼び方はローマニアなのだが、フランスでの発音が日本には定着してしまっている。谷垣禎一議員が会長を、逢沢一郎議員が副会長を務める、日本・ルーマニア友好議員連盟では、日本での呼び方をローマニアに変える活動を行っており、外務省も検討をしている。上手くいけば、春にもローマニアになるはずだ。ルーマニアは六千年前にワインが作られていたワイン発祥の国だ。四世紀末に東西に分裂したローマ帝国の内、西ローマ帝国は四八〇年に滅亡するが、東ローマ帝国はオスマン・トルコに滅ぼされる一四五三年まで続いた。東ローマ帝国の一部だったルーマニアには、ローマの文化が脈々と受け継がれていたのだ。そのためにルーマニア語はラテン語に近い。また国土の面積が本州と四国を足したぐらいのルーマニアは、日本ではドラキュラとコマネチだけで知られている国だが、自然も文化も含めて世界遺産が二十九もあり、観光資源も豊富だ。産業として注目されているのは、放射線の内部被曝測定装置だ。チェルノブイリの原発事故をきっかけに、国立のプロジェクトでこの装置が開発された。千葉の我孫子にある内部被ばく検査センターで、この機器による検査を受けることができる。ITの天才も多い国で、今後、日本との連携による展開が期待される。
 二十五万〜二十万年前にアフリカで誕生した人類は、ヨーロッパへは七万年前に移動した。落ち着いたのはドナウ川の河口だった。サンスクリット語で「ローマ」は川の河口の文明を意味していて、ルーマニアやブルガリアの地域を指す言葉だった。それがローマ帝国の名前になったという。アフリカが人類の発祥なのだから、元々人類は皆黒人だった。それがヨーロッパに流れ、太陽の光が弱くなり、色が抜けたのが白人だ。また別の説もある。肌の色が変化したのは保護色だというのだ。ヨーロッパでは白が保護色に。さらに東に向かった人類は砂漠に暮らすことで褐色が保護色になった。最後にアジアにたどり着いた人類は、緑の中で黄色になったのではないか。つまり保護色ではない目立つ肌の人は、淘汰されていったのではないかという考えだ。保護色ではないにせよ、その土地の気候風土と肌の色がリンクしていることだけは確かだろう。また、黄色人種が最後に誕生したことも確かではないだろうか。目の色もヨーロッパでは明るい色だが、アジアは茶や黒など暗い色で、あたかもサングラスをしているよう。ヨーロッパ人の方が明るく見えていて、その分室内を間接照明にして、幾分暗くても問題ない。

元々日本は多民族国家
だから優秀な国を築けた
 様々な人種・文化が大きく和するから大和だという説がある。そもそも日本は多元的な国家であり、DNAが入り乱れる国だったのだ。秋田に美人が多いのはアゼルバイジャン系の人々がいたからだという説もある。ヤーレンソーランやハッケヨイはヘブライ語から来たものであり、ユダヤ人も理解できるという。雑種民族だから日本人は優秀なのだ。世界最古の文明はシュメールのものであり、旧約聖書もユダヤ教の経典も全てシュメールのものの焼き直しだ。そのシュメール人が日本にまでやって来ていたという説がある。かつて天皇を意味したスメラミコトは、シュメールから来ていると言われる。シュメール人は背が小さくて目の色が黒くて、戦いがあると逃げる。だから日本まで逃げてきたのではないか。また別の見方もある。臆病な人はその地に留まり、好奇心と勇気を持つものが東へ東へと向かったのではないか。好奇心のある人は黄色人種、さらに前に進む人は玄界灘を越えて、日本人となった。だから日本人は優秀なのだとの説もある。また今の日本人にはネアンデルタール人由来の遺伝子を持つ人が多いとされていて、日本にネアンデルタール人がいて、ホモ・サピエンスと混血したのではないかと言われている。
 トルコの起こりは、六世紀に中央ユーラシアに興ったチュルク系遊牧国家・突厥だとされる。東西を結ぶ道というと、シルクロードを思い浮かべる人が多いが、このルートは山岳地帯を通り、楽ではない。実際には、もっと楽に行き来できる、さらに北方の大草原のルート(ステップ・ロード)を通っていた人の方が多かった。東西交流で言えば、ハンガリー人には日本人と似ている人が多い。当のハンガリー人も、日本人と起源が同じだと信じている。その証拠として挙げられるのは言葉で、水のことをハンガリーではヴィーズという。その他ぐるぐる廻るなど類似表現が百以上あるという。古くになんらかの関係はあったと思われる。ロシア語とギリシャ語にも共通点が多く、キリル文字はギリシャ文字に似ている。ここも深い繋がりがあったのだろう。
 雑誌「経済界」では、二〇一一年から次世代の起業家を募集する「金の卵発掘プロジェクト」を行っている。このプロジェクトで最初にグランプリを獲得した若者はライフイズテックという会社を立ち上げ、キャンプやスクールで、中高生にスマホアプリの開発を教える事業を軌道に乗せ、プロサッカー選手からの七億円の出資を受け、上場を準備中だ。この事業ではアプリ甲子園というイベントも実施、実際に十万ダウンロードを達成したアプリも登場している。正に金の卵が金の卵を生み出している状態だ。