BIGTALK

メディアに阿ることのない 「日本派」の議員を増やせ

銀行員から政治の道を志して市会議員に。九年間地方議会で活躍をした後、二〇一二年の選挙で国政へと進出した衆議院議員の田畑裕明氏。元法務大臣の長勢甚遠氏の薫陶を受けて真正保守の考えを貫く氏に、政治家になった経緯や国政で行いたいこと、今後日本が世界に向けて果たす役割などをお聞きしました。

敗戦の日に魂を抜かれそのまま今に至る日本人

元谷 今日はビッグトークにご登場いただき、ありがとうございます。今回の田畑さんとの対談は、二百八十一回目にあたります。Apple Townはいつも読んでいますか?
田畑 はい、もちろん。私の地元は富山市ですから、アパグループが展開するホテル・マンションはとても身近な存在ですし、アパグループが作った建築物を数多く利用してきました。アーバンシティ〈セントラル〉にある天然温泉にも何度か行っています。
元谷 アーバンシティ〈セントラル〉は地上二十六階で、住宅としては北陸最高層です。一九八九年に竣工していますから、もう建ってから二十五年になりますね。

田畑 富山のランドマーク的な建築物の一つと言っても過言ではないでしょう。
元谷 ありがとうございます。先日の勝兵塾金沢支部での田畑さんの講演は、正に真正保守の主張であって、非常に私の考えに近いと感じました。今日はいろいろとお聞きしたいと思っています。そもそも田畑さんはどうして政治家になったのですか。

田畑 私は突然変異でして、父は実業家ですが、父系、母系とも一族には政治家はこれまで一切輩出されてません。ただし、私は政治に高校生の頃より関心があったのですが、やはり父の背中を見て父のように実業家になるべく起業したいという思いの方が強かったですね。起業のために、ビジネスの基本はまずお金の流れだと考え、大学を卒業してから金融機関に就職しました。
元谷 それは私と全く同じ考えですね。私も同じように実業家を目指していて、まずお金の仕組みを知るために、高校を卒業してすぐに金融機関に就職し、金融の勉強をするとともに将来の学歴社会を見越して、慶応義塾大学経済学部の通信教育課程に入学して経済学の勉強をしました。それに労働組合活動と二足ならぬ三足のわらじを履く日々でした。

田畑 さすがですね。
元谷 なのに実業家にならずに政治家になったのは、何かきっかけがあったのですか?

田畑 銀行員時代に、地域活性化や地域おこしに向けていろいろと考え取り組んでいる役所の方や、一緒に仕事をしている民間企業の方と交流を持つことが多くなりました。彼らの姿を見ていると、「事業で社会に貢献」というよりも「政治によって地域を活性化させたい」という思いが強くなりました。また富山市長の森雅志さんにも触発されて、政治の世界を志すようになりました。
元谷 森さんですね、私も、司法書士をしていて政治家(県議)になられる前から良く知っています。

田畑 そこで二十九歳で銀行を辞め、三十歳で市議会議員に立候補、お蔭様で当選させていただきました。
元谷 その時から自民党だったのですか?

田畑 はい、そうです。それから三期、市議会議員を務めました。その頃から富山県選出の衆議院議員の長勢甚遠先生にはいろいろと教えていただいて。八月十五日は終戦ではなく敗戦。ここで日本人は魂を抜かれたまま、今に至ってしまった。これをどう克服するかがこれからの日本の課題だという長勢先生の言葉に、多大な影響を受けました。
元谷 長勢さんから学んだから、今のような考えを持つようになったのですね。私も長勢さんはよく知っていますよ。

田畑 はい。そしてやはり地方議員の役割は、地方のことに限られてきます。私の関心は国防・安全保障や外交へとどんどん向かっていったのですが、これは国会議員の仕事です。いつかは国政にと胸に秘めていたのですが、長勢先生の引退に伴って後継指名を受け、二〇一二年の衆議院議員選挙に出馬、当選することができました。
元谷 私は世界七十八カ国を訪れてその国の要人とディベートを行い、またこのビッグトークで数多くの駐日大使と対談を行いました。皆さんからの日本の評価は非常に高い。しかし日本人自身の日本への評価が高くありません。その原因は子供時代に間違った自虐的な教育を受け、大人になってそれを裏付けるような間違ったメディアの報道に晒されていることにあります。そこで私は『報道されない近現代史』という本を著し世間の覚醒を図ったのですが、大きな話題にならなかった。だから次に「真の近現代史観」懸賞論文を始めたところ、第一回に田母神俊雄現職航空幕僚長が応募、最優秀賞を獲得したことが政界やメディアを巻き込んだ大騒動になり、その結果、本当はどうだったのかということが分かる人が増えてきて、日本の保守化が進み、安倍首相が再登板することになりました。日本が変わる方向に着々と向かっている中で、これから田畑さんに果たしてもらう役割は大きいです。期待しています。

田畑 はい、ありがとうございます。
 

平和な地球にするため日本的価値観を世界的に

田畑 代表のエッセイをまとめた「誇れる祖国 日本復活への提言」も全て読まさせていただきましたが、当たり前の感覚を非常に大事にされていて、言論にきちんと筋が通っています。

元谷 私は国際常識に沿った主張をしています。むしろ日本で多くの人が語っていることの方がおかしい。日本がガラパゴスなのです。

田畑 仰る通りです。日本人の勤勉さや、街の美観や日本では列車が極めて定時運行厳守されていることが、海外で高く評価されているというのも事実です。

元谷 街もきれいで、何を食べても安心です。日本では約束したことが守られるのが普通ですが、約束を破るのが当たり前、破られる方が悪いという国もありますから(笑)。

田畑 確かにそうですね(笑)。
元谷 世界の多くの国が日本を評価する一方、過激に日本を批判するのは中国と韓国だけです。

田畑 先人より積み上げられた日本人の美徳の歴史が、今の我が国の礎になっています。富山と言えば薬売りを思い浮かべる方が多いと思います。江戸時代にこの売薬のシステムを作り上げて、それから四百年近く経過しています。当時は幕藩体制ですから、国内の移動にも制限が課せられる中、富山の薬商人は諸国を漫遊して商いを行いました。彼らの商売の肝は惻隠の情であり、一歩引いてお客様のことを良く見ることで、信頼関係を築き商売を広めていったのです。そして「先用後利」と表現される信用取引の商習慣を日本全国に定着させ、富山の置き薬が重宝され、富山藩の財政を支え、国民の健康管理にも多大な寄与をいたしました。日本の発展に貢献したこの富山の薬商人を私は誇りに思っています。今日本が世界から認められているのも、先人たちが世界の中で一定の役割を果たしてきたからです。私はこれからの世界平和のキーワードとなるのは、惻隠の情だと考えています。強権を発動するのではなく、相手と想いを合わせていくことで、信頼関係を作っていく。こんな日本人的な価値観を、世界の価値観にしていくべきではないでしょうか。

元谷 非常に共感できるお話です。一方、日本社会も変わらなければならないことがあります。日本人は議論やディベートにあまりにも慣れていない。これは記憶力重視の偏差値教育の結果です。丸暗記を強要して、疑問を持つ学生を切り捨てる教育です。だから皆、効率よく暗記をすることばかりを考えて、議論によって真実を見つけ出していくことができません。答えのある問題には対応できますが、答えが設定されていない問題には、どう対応していいのかわからなくなる。これを変えなければ。

田畑 同感です。
元谷 その記憶力勝者が東大法学部に入学し、卒業後は官界、政界、法曹界、メディアへと進んで、阿吽の呼吸で連帯しています。彼らはアメリカの言いなりです。官僚はアメリカから与えられた年次改革要望書に従って法案を作り、議員が国会で可決します。本来であれば、アメリカの要求が法律になる前に、もっと議論が必要なのです。そのために日本に合わない制度がどんどん作られてしまいました。果たして裁判員制度は日本に向いていたのか。また建築物の民間の指定確認審査機関制度が原因で耐震偽装事件が起こりました。行政がやっていた仕事を民間に移行すれば、効率を考えて安易に合格を出してしまうことは目に見えていました。これらもアメリカの要求を議論なしに飲んだ結果です。アメリカの指図によって、日本の本当の強みが失われてきています。元々日本は安定した大家族国家で、家父長制と長子による家督相続でこの仕組を維持していました。しかし占領下で平等相続になり、核家族化から個家族となり、孤独死をする人が増える不安定な社会になってしまっています。

田畑 アメリカ追従を改めて考える時期に来ています。新自由主義の名の下、どの国もアメリカに倣って財政の負債を増やして国民の消費を煽り、景気を良くしようとしてきました。しかし結局負債が残ってしまう。その他に新たに発生するグローバルリスクに、どの国も対応しきれていないのです。日本も反省して、法体系から見直すべきでしょう。
 

国益を損なった朝日は謝罪と損害賠償をすべきだ

元谷 それぞれの国には、その国の利益を再優先する政治家がいるのに、日本には日本派がおらず、アメリカ派や中国派が幅を利かしています。党として日本派なのは、まず次世代の党です。今までは安倍自民党は極右政権だと言われてきましたが、安倍自民党丸の先を行く砕氷船となるべく次世代の党が誕生しました。さらに右には、田母神俊雄さんと西村眞悟さんが引き継いだ太陽の党が、弾除け丸として登場しました。こうなると安倍自民党の左に民主党、その左に共産党となり、安倍自民党政権は「中道」になることができるのです。

田畑 非常に面白い分析です。

元谷 先日も石原慎太郎さんや平沼赳夫次世代の党党首が出席しての太陽の党の結党パーティーと言ってもよい出版記念パーティーで、私は太陽の党には大きな役割があること、日本派の国会議員を増やさなければならないことをスピーチで述べました。自民党にとにかく反日的に反対する民主党や共産党は、アメリカの占領政策によるメディアを縛るプレスコードの影響で、本当のことを知らされていないのです。プレスコードによるメディアの自主規制で、朝鮮人や中国に対する批判もできず、従軍慰安婦に関する韓国のデマにも反論できず、中国の南京大虐殺に関する主張にも反論できませんでした。そんな背景の中、従軍慰安婦についての朝日新聞の「誤報」が起こったのです。

田畑 あれは誤報と言うよりは、捏造ですね。

元谷 確かにそうです。しかも、確実に間違っていると言われてから二十年も放置しました。一方で地方議会の議員を追いかけ回して、精神病になるまで追い込んでいるのに、自分達は「間違えました。すいません」だけで済まそうとしています。お詫びだけではなく、賠償もさせるべきです。

田畑 もちろん報道の自由は最大限に認められるべきですが、捏造報道については国が機関を作って検証するべきでしょう。朝日新聞は自ら検証すると言っていますが、それはあり得ません。
元谷 そもそも朝日新聞がメディアの番人になっています。異なる論調で他社が報じると、朝日新聞が抗議を行うのです。これを他社が恐れている。こんなおかしな話はありません。他にも表には出てこないメディアのルールは沢山あります。田母神俊雄さんもテレビ出演の際に「大東亜戦争という言葉を使うな」と釘を刺されたそうです。プレスコードの他に、日中記者交換協定もあります。中国に駐在するために、日本のメディアは本当のことでも中国の悪いことを報道することができないのです。逆に中国の記者は、日本の悪口を書きたい放題です。こんな不平等条約に産経新聞も加わっています。これを打破しなければ、普通の国にはなれません。来年で終戦から七十年ですから、そろそろ真の独立国家になるべきなのです。

田畑 全く同感です。七十年という節目に、近隣諸国及び国際社会に対して、安倍首相からメッセージを出して欲しいと私は願っています。

元谷 それは慎重に行うべきでしょう。安倍さんは長期政権を目指して、迂回戦略をとってきました。政権の長さは国民の支持率で決まります。安倍さんが一番恐れているのは中国や韓国ではなく、メディアからの批判でしょう。だから迂闊なメッセージは出せないのです。国会議員も同じで、選挙に当選するためにはメディアを敵には回せません。そしてそのメディアはプレスコードに、ひいてはアメリカに縛られているのです。

田畑 私も安倍首相の長期政権を望んでいます。首相自身も第一次安倍政権時のトラウマを乗り越えて、政治スケジュールを睨みながら、慎重に事を進めています。まず東日本大震災からの復興の加速化、二十年続いたデフレを脱却すべくアベノミクスによる景気回復、経済活性化対策、そして安全性を再優先した原発の再稼働、そして安全保障法制を整え、さらに日本人による自主憲法に向けた憲法改正を目指しているものと考えます。

元谷 今原発は、日本の弱体化を望む反日メディアの報道によって止まっていると言っても過言ではないでしょう。日本のものほど安全な原発はありません。日本がその技術を他国に提供しないと、安全性で劣る韓国や中国の技術で原発が作られてしまいます。そこで深刻な事故が起こった場合、世界中が影響を受けるのです。

田畑 私もそうだと思います。
元谷 また自公連立も問題です。公明票が減少することを心配する余り、しっぽが胴体を振り回すように、公明党が自民党を振り回しています。しかもその公明党はアメリカの意向を非常に重視している。この状況を打破するためには、次世代の党や太陽の党など、日本派の真正保守の党が議席を増やし、公明党の代わりに自民党と連立を組むことが必要でしょう。そうすれば、安倍さんはもっと言いたいことが言えるようになります。もちろん自民党内でも日本派を増やさないと。今自民党の国会議員の何割が日本派でしょうか?

田畑 日本派とは、どう定義づけするべきかの問題はありますが、我が祖国、日本の国益を第一に考え行動し発言している議員はそれなりにいらっしゃるかと思いますが。

元谷 民主党には日本派はゼロでしょう。国会議員全体でもまた少数派です。それでいいのか。七割とか八割とか、絶対多数派にすべきです。
元総裁だからと躊躇せず自民中心に河野談話撤回へ
田畑 国民に阿ることなく、明確な国家観を持つべきということですね。

元谷 国民に阿るのはまだいいのですが、メディアに阿る議員が多過ぎるのです。大きな影響力を持つメディアが誤ったことを何度も繰り返し言うことで、多くの人々が間違いを信じてしまう。その典型的な例が、吉田清治の話を鵜呑みにした朝日新聞の従軍慰安婦報道でしょう。九月の朝日新聞の木村社長の記者会見も、名目は福島第一原発事故の吉田調書に関する誤報の謝罪のためであって、従軍慰安婦報道についてはきちんと謝罪していない。この慰安婦報道による国家的損失は天文学的なものです。木村社長はもちろん、歴代の社長や関連した記者を国会に呼んで、しっかり糾弾すべきでしょう。また朝日新聞の報道を背景にした河野談話も、その前提が崩れた以上、撤回を自民党が中心となって行うべきです。河野洋平さんが元総裁だからといって、躊躇すべきではありません。

田畑 安倍首相は河野談話の継承を明言しています。ですからこそ、安倍首相自身の談話を七十年という節目に発してほしいと願うものです。

元谷 安倍さんが河野談話を見直さないというのは、アメリカからそのように釘を刺されたからでしょう。やはり民主党のアメリカ大統領では駄目で、共和党の大統領に変わらないと。オバマ大統領が就任してから、世界は混乱するばかりです。もはや世界の警察官ではないと宣言し、シリアの空爆も躊躇しました。その結果がイスラム国の台頭です。

田畑 その通りで、アサド政権に対する評価、判断の誤りが、今に至るまで尾を引いています。
元谷 イラクのフセイン、リビアのカダフィ、シリアのアサドは独裁者だと言われていますが、部族国家の多いアラブ圏を西欧の感覚で評価するのは誤りです。私は実際にカダフィ統治下のリビアに行きましたが、非常に近代化されて繁栄していました。逆にアメリカと親しいサウジアラビアに良い印象を持つ人が多いですが、サウジアラビアはイスラム教の戒律が非常に厳しい国です。日本での報道には、全て世界的にメディアを牛耳るユダヤとアングロ・サクソンのフィルターがかかっているのです。海外の多くの要人と話をすることで、私は真実と日本での報道の乖離に気づいたのです。とにかく日本の教育とメディアを早急に改めないと。

田畑 第一次安倍政権時に教育基本法の改正が行われました。新しい前文では公共の精神や伝統の継承などがしっかり謳われています。これに基づき、教科書から自虐史観を排して、真実を伝えるものに変えていかなければなりません。国民に自虐史観が刷り込まれているのは、私達政治家の責任です。

元谷 嘘ではないかと疑ってみても、反日メディアや反日政治家の積み上げてきた虚構によって、雁字搦めになっている人が多いのです。勝兵塾の出席者の中でも、話を聞いて目から鱗が落ちたという人が非常に多い。今はマスメディアよりもインターネットの方に真実があります。

田畑 まずはメディアを鵜呑みにしないこと。そしてネットを含めいろいろ自分で調べて、考えるという習慣をつけるべきでしょう。

元谷 産経新聞を第一に読むべきです。それから朝日新聞でも日本経済新聞でも好きな新聞を、産経新聞と比較しながら読むのがいいでしょう。最近は朝日も日経も読売もトーンは似ています。次世代の党の結党の取り上げ方は、朝日新聞よりも読売新聞の方が小さかったのです。そして選挙当選互助会としか思えない維新の党を読売新聞は持ち上げていました。選挙当選互助会の党の政権担当能力のなさは、民主党がしっかりと証明したはずです。やはり政策で一致出来る人が、一緒にならないと。

田畑 選挙当選互助会の党が取り敢えず政権を取ったとしても、魂のある政治はできないでしょう。
元谷 全く同感です。自民党の国会議員の七割が日本派になれば、日本は変わります。それに向けてぜひ頑張ってください。最後にいつも「若い人に一言」をお聞きしているのですが。

田畑 若い人の可能性は無限大です。だからこそ、どれだけ頑張るか、自らの意識が未来を決めていきます。泥水を飲むような苦労も決して無駄にはなりません。できるだけ自分を高めていくという意識を持つことを一番に考えて、一緒に日本を良い国にしていって欲しいです。

元谷 若い時には気づかないのですが「若さは武器」です。それを十分に活かすべきですね。今日はありがとうございました。

田畑裕明氏
衆議院議員

対談日:2014年10月3日