BIGTALK

日本と中国は
力の均衡によって
共存していくべきだ
Vol.354[2021年1月号]

株式会社ケイ・ユニバーサルプラニング 代表取締役
 ノンフィクション作家 河添恵子
×
APAグループ代表 元谷外志雄

十代から海外留学を視野に入れ、中国を自らの意思で選び、帰国後は作家として執筆活動で活躍。中国をリアルに捉えた著作も多いノンフィクション作家の河添恵子氏。第十三回「真の近現代史観」懸賞論文にて「今も歴史の瞬間を生きている〜中共に迎合したマスメディアの死」が最優秀藤誠志賞を獲得した氏に、中国の真実をお聞きしました。

河添 恵子氏

1963年千葉県松戸市生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学(大連)へ留学。帰国後、株式会社ケイ・ユニバーサルプラニングを設立し、執筆活動を開始。教育関連書から幅広く社会問題を取り上げる書籍まで多数の著書があり、産経新聞や『正論』『WiLL』『夕刊フジ』などにも執筆。最新刊は『習近平が隠蔽したコロナの正体 ~それは生物兵器だった!?』(WAC BUNKO)。

平和を唱えるだけでは
平和は守れない

元谷 今日はビッグトークへの登場、ありがとうございます。また第十三回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀藤誠志賞受賞、おめでとうございます。

河添 お招きありがとうございます。また賞も本当にありがとうございます。びっくりしました。錚々たる顔ぶれの審査委員の皆様に評価されて、大変嬉しいです。

元谷 第一回の藤誠志賞を受賞したのは、当時現役の航空幕僚長だった田母神俊雄氏でした。彼が論文で「日本はいい国だ」と書いたら航空幕僚長から更迭されて、国会で証人喚問を受けました。しかし多くの人が実際に田母神論文を読み、その通りだと感じ、保守に目覚めるきっかけとなったのです。それから十二年、日本の保守化はかなり進んだと思います。

河添 仰る通りだと思います。

元谷 まず河添さんがどういう方なのか、自己紹介からお願いできますか。

河添 はい。短大を卒業した後、留学先を中国に決め、八六年秋から北京に、翌年の秋から大連に移りました。なぜ中国? なぜアメリカやイギリスじゃないの? と多くの人に聞かれてきたのですが、これからの時代の旬になる国に行きたいと考え、自分だけの判断で中国行きを決めました。当時の中国は、基本的に商売が好きなはずなのに眠れる獅子状態で、日本企業の駐在員は「左遷された」と考える方も少なからずいました。駐在員や出張者から「シルクロードが好きで中国に来たの?」と尋ねられたのですが、私はまったくロマンチックな人間ではないので(笑)。当時の日本人ビジネスマンは概して「中国は遅れている、未来はない」と上から目線でしたが、私は日中関係がより緊密になる未来を予測していました。

元谷 最初は北京にいて、それから大連に移ったのですね。

河添 はい。北京というのはプライドが高い街で、環境的にギスギスするものがありました。下見で何度か大連へ行き、移ろうと考え、試験を受けて合格したのが遼寧師範大学で、ここでは中国人学生と一緒に授業を受けていました。旧満州の玄関口だった大連はとても親日的で、街を歩いていると満州族のお年寄りがこっそり「日本人か?」と聞いてくるのです。そんな方とまた約束をして会ってお話をしたり。大連の隣の旅順は外国人には解放されていない軍港でしたが、人民服に見える服装をして、そのお爺さんに連れて行ってもらったこともあります。旅順では、義叔母が終戦前に住んでいた大きな家を訪ねることができました。

元谷 私が中国に行った時も、懐かしそうに日本語で話しかけてくるお年寄りがいましたね。

河添 一九八〇年代は、服装と髪型で日本人とわかりましたから。私は日本企業の通訳などの仕事もしていたのですが、中国の国営企業と仕事をすることは、共産党にお金を貢いでいることだと気づきました。日本は一九七九年から中国にODAを行っていますが、ODA大綱では「軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入などの動向への注意」が明記されていて、明らかに中国は日本のODAの対象からは外れるのです。それを指摘すると、駐在員の偉い人から「まあまあ」といなされる。こんな日中関係には疑問があると主張していると、だんだん中国と関わる日本人に「変な人」と見做されるようになっていきました。しかしこの考えは今に至るまで変わりません。

元谷 日本と中国の地政学的な関係を変えることはできません。制度や考え方の違いはあるけれども、どう共存していくかが重要です。その際重要なポイントはバランス・オブ・パワーでしょう。日中は力の均衡によって共存していくしかありません。このために日本は憲法を変えて、それなりの軍事力を持つ必要があります。

河添 その通りです。でも、中共政府は日本に軍事力がない上で、憲法改正への流れが加速しないことも知っています。ほくそ笑んでいるでしょう。

元谷 共存はバランス・オブ・パワーに基づくものであるべきで、支配による平和共存であってはならないのです。軍事力を増強し続けている中国に対抗して、日本の自衛隊は非常に良く頑張っています。制海権も制空権もきちんと守れており、侵入者を排除することができています。今後侵入から滞在を認めてしまうと、どんどんその既得権益を拡大しようとしてくるでしょう。尖閣諸島周辺も最初は漁船だけだったのに、今はその漁船を取り締まるという名目で公船がやってきています。いずれ天候を理由に島に上陸、居座り続けるという竹島の二の舞のようなことが起きるのではないでしょうか。このようなことを防ぐためにも、軍事力の増強が必要なのです。しかし日本には、平和を唱えれば平和になるという考えの人が多い。

河添 同感です。核兵器のない世界を! と強く主張する人々もいますが、核兵器以外にも化学兵器や生物兵器等、数多くの大量破壊兵器があるのです。それがわからない。

モンゴル語の教育中止
漢化を進める中国政府

元谷 生物兵器にはウイルス等が含まれます。今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中で約百二十万人、アメリカだけでも約二十四万人の方が亡くなっています。特にヨーロッパ、北米、南米と白人や白人との混血の人々が多いエリアで死亡率が高くなっています。一方中国や日本等、東アジアでの人口に対する死亡者数は白人国の約百分の一です。これは私の推測ですが、遺伝子の違いを利用して、特定の遺伝子を持つ白人が重症化するように作られた生物兵器の可能性もあるのではないでしょうか。核兵器や化学兵器は使用されても被害エリアは限定的ですが、ウイルスによる生物兵器の場合は感染拡大により全世界に被害が及びます。非常に怖いことです。ペストやスペイン風邪よりも致死率が高い菌やウイルスが自然界で発生しても、人類は滅亡の危機に瀕するでしょう。

河添 私もこの新型コロナウイルスが生物兵器である疑いを持っています。そうだとしたら、戦争の形が大きく変わったということですね。

元谷 その通りです。もし中国が新型コロナウイルスを兵器として作ったという証拠が出れば、第三次世界大戦になりかねないと思います。このウイルスが中国の武漢発祥であることは間違いないと思うのですが、中国は頑なに「中国ウイルス」や「武漢ウイルス」と呼ぶことに抵抗、結局WHOはCOVID‐一九というわかりにくい名称を提唱しています。

河添 WHOのテドロス事務局長が中国に配慮したのでしょう。

元谷 テドロス氏の母国・エチオピアは、中国から多額の援助を受けています。このような金銭を使って圧力をかけ、中国は自分達の思い通りに他国を動かそうとしているのです。

河添 そこが問題なのです。上品なロビー活動ではなく金と恫喝。アメは凄いがムチも強烈なのです。

元谷 ヨーロッパでまずイタリアに感染が広がったのは、一帯一路に賛同する等、中国と関わりが深かったからでしょう。

河添 そうです。そんなイタリアが今後どうなるのか。近年中国軍はアドリア海の研究を行っているので、昨年八月に三週間、私も沿岸のイタリアのトリエステやベネチア、旧ユーゴスラビア諸国を視察してきました。

元谷 私もクロアチアのドゥブロブニクに行ったことがあります。海がとても美しいですね。世界中を訪れ、多くの人に会うことが知恵となるのです。私は世界八十四カ国を訪れ、当地の有力者とディベートをすることで自分の知恵としています。正に「発想は移動距離に比例する」のです。

河添 私も全く同じ考えです。さらに私は世界を見る時、日本と中国という二つの国だけでは見ません。アメリカと中国はどうか、ヨーロッパと中国はどうか、この三エリアの関係を軸に世界を見ていると、先の動向の予測ができるのです。そのために英語と中国語のニュースには毎日三時間ほど、目を通しています。多い時は、ほぼ終日です(笑)。

元谷 中国は一九八〇年代までと今では随分変わりました。八〇年代には豊かになれば民主化するという思いで、西側諸国は中国を援助したのです。ところが政治体制は変わらず、中国は援助で育成した経済力を軍事力に変えてきました。今や中国はアメリカに並び立つ勢力となり、かつての米ソ冷戦が米中冷戦として蘇ってきています。中国の強みは十四億人の人口とその国を共産党一党独裁で治めているということです。自由民主主義国が人権や平等に配慮しなければならない一方、中国は富を一部の人間に集中させたり、人権を無視して国民を集約して一つの力にしたりすることができます。そんな国が今、世界覇権を握ろうとしているのです。相当怖い話だと思います。

河添 独裁政権がサイバー空間とAI(人工知能)技術をフル活用していますから。スマートフォンによって、誰がどこにいるのか、誰とどんなやり取りをしているのか、全て国が把握しています。

元谷 防犯カメラが全国に何百万台もありますから、これからも誰が誰と会っているかがわかります。これらのシステムを活用して、新疆ウイグル自治区ではいきなり拘束され、収容所に送られる人が続出、衛星から見た収容所の大きさは百万人から二百万人規模にも上ると言われています。刑ではなく教育という建前なので、収容者がいつ釈放されるかはわかりません。

河添 チベットもウイグル同様、「漢化」を強要されています。内モンゴル自治区ではこの九月からモンゴル語教育が中止され、中国語の教育になったと報道されています。

元谷 言葉を絶やすことは、歴史との繋がりを断ち切ることです。韓国が正にそうで、今の若者はハングルだけで漢字が読めませんから、過去の漢字混じりの書籍が一切読めない。これは過去の本を読んで学ぶと、日本の朝鮮半島への貢献がわかってしまうからではないでしょうか。

河添 でしょうね、残念な話です。

元谷 自分達では調べられないようにして、若者に誤った歴史を教えているのです。徴用工問題についても、日本の方が高給なので多くの朝鮮半島の人が密航をしてまで日本に来ようとした史実をすっかりなかったことにして、逆に日本人が強制的に朝鮮人を日本に連れて行ったと事実と正反対のことを主張しています。

河添 とんでもないことだと思います。

元谷 先の大戦では日本は武士道精神で戦いましたが、細菌兵器にはそんな精神は通用しません。昔は戦争でも死ぬ人間は多くなかった。これが変わるのが、機関砲や戦車、飛行機が登場した第一次世界大戦です。そして今では、あっという間に約百二十万人が新型コロナで亡くなっているのです。

河添 気象兵器も世界に存在します。中国の四川省では七、八月に豪雨が続き長江が氾濫、三峡ダムが決壊する恐れも出ました。この豪雨は神の怒りなのか、ひょっとしたらロシアかアメリカの怒りなのかもしれません。

元谷 巨大ダムが決壊した場合、その損害は多大です。気象兵器だとしたら、恐ろしいことですね。

河添 自然災害に見える分、事実だとすれば怖い話です。

表現が豊かな日本語には
ジェスチャーが必要ない

元谷 河添さんは、中国に留学してから中国語を学んだのですか。

河添 日本で一年間勉強してから、留学しました。八十年代は「株を買う」など資本主義的な単語は、官製メディアや日常会話にもありませんでした。その辺りの単語は、九十年代以降、日本や台湾から入っていきました。

元谷 台湾は繁体字ですが、中国は省略された簡体字です。漢字を見ても、意味がわからない時があります。

河添 確かに。例えば飛行機の「機」も、「机」と書きます。慣れていないとわからないですね。

元谷 アルファベットはそれぞれには意味がありませんが、漢字には意味があります。日本語はそれにひらがなとカタカナが加わって、非常に表現力が豊かなのです。これ以上の言語は存在しないのではないでしょうか。

河添 日本語は外来語もカタカナで、音のまま取り込むことができます。

元谷 そうです。また日本人は言葉で全てを表すことができますから、ジェスチャーをする必要がありません。英語等は言葉では表現し切れないからジェスチャーを使うのです。また周囲に敵が多かった欧米では、言葉に加えてジェスチャーや表情で敵意がないことをきちんと示す必要があります。

河添 エレベーターで同乗しても、目を合わせて挨拶をします。

元谷 しかし日本は平和な国ですから、人に敵意がないことをわざわざ示す必要がないのです。

河添 なるほど。また日本語には「青」を表現する言葉だけでも、沢山ありますよね。

元谷 微妙なニュアンスの違いを表現することができます。

河添 昔の文人たちの語彙がどうだったか、詳しくは知らないですが、現代中国語では青は青、緑は緑で会話は単純化されています。

元谷 また漢字ばかりだと読みにくい。ひらがなとカタカナが漢字と混じっていると読みやすいのです。

河添 確かに日本語は、速読や斜め読みがしやすいと思います。また中国語は主語と動詞が近くにくっついていますから、意志を早く強く出す言語で、英語と非常に良く似ています。中国人が、英語がすぐ上達するのは文法が似ていることと、メンタリティーが同一方向だからなのでしょう。日本語は相手の顔を見ながら途中で表現を変えていくことができます。文化が全く異なるのです。

日本学術会議は
バランスの良い人選を

元谷 よくその文化が異なる中国で、四年間も頑張れましたね。日本は豊かに作物が実って、人から奪わなくても食べていける国です。ヴァイキングは寒くて作物がとれない北欧に住んでいるから、南に行って略奪を繰り返したのです。ヴァイキングの博物館に行ったことがありますが、地中海まで遠征していたことを誇らしげに記述しているのです。略奪された側にすれば、とんでもないことでしょうが。

河添 それに比べ、日本は略奪する文化もなく、その必要もありませんでした。戦前の台湾や朝鮮半島の統治を見ても、それはわかります。

元谷 日本は台湾も朝鮮も日本として処遇したのです。支配ではなく日本化です。日本領となった当時の台湾は気候風土が厳しく疫病も蔓延し、様々な風習を持つ民族が暮らしていました。これを多大なる労力と投資によって、改善していったのです。日本の統治によって台湾も朝鮮も人口が増加しているのは、生活が向上した証です。小学校や帝国大学も建設して教育にも力を入れました。西欧列強の植民地政策は収奪でしたが、日本は台湾や朝鮮に資本を投入して、成果を皆で分かち合おうとしたのです。しかし「与えた」史実とは逆に、韓国からは「七奪」という名称で日本が全て奪ったと批判されています。

河添 ひどい話ですね。対抗するためには、日本人が真実の歴史をきちんと学ばないといけません。日本学術会議に日本の先人たちを正当に評価する教授がいらっしゃるなら良いのですが、とても偏った組織のようですね。

元谷 政府批判は良いのですが、極めて偏った思想に基づく政府批判をする人々に、政府がお金を出す必要はありません。

河添 今回の騒動は良い機会ですから、日本学術会議や日本学術振興会、科研費などについても議論を深め、メスを入れてもらいたいです。

元谷 最初は少し心配していたのですが、菅首相は非常に頑張っていると思います。

河添 安倍前首相は世界との人脈も相当におありでしょうから、いずれ外交のシンクタンクを立ち上げたら良いと思ったりしますが、いかがでしょう。

元谷 私は健康が回復したら、安倍氏には桂太郎のように三度目の首相になって欲しいと思っています。アメリカ連邦議会の上下両院合同会議で堂々と演説できる日本人首相は、なかなかいませんから。

河添 そうですね。また、私はトランプ大統領の再選を願っているのです。

元谷 私もそう考えています。バイデン候補との支持率の差がありますが、トランプ支持者はまともに世論調査に答えないとも言われています。やはり中国に厳しいトランプ大統領の方が日本にとっては良い。しかし日本のメディアはアメリカメディアと歩調を合わせて、反トランプになっています。

河添 台湾のメディアはトランプ大統領の応援で盛り上がっていますよ。

元谷 米中冷戦の今、中国をこれ以上膨張させない政策が取れる政権が必要なのです。

河添 前回の選挙でヒラリー・クリントン候補が勝っていたら、この四年間でさらに中国は膨張していたでしょう。

元谷 そして高めた軍事力によって、世界覇権奪取です。

河添 そうなったら、私は政治犯として刑務所行きかと(笑)。

元谷 そうならないようにお互い頑張って活動していきましょう。最後にいつも「若い人に一言」を聞いています。

河添 まず自分の信じることを貫くことですね。損得で考えてはいけません。私が作家になったのは、この職業が好きで、自分の力を発揮できると信じたからです。どんな仕事でも信念を持って続けていく人が増えることを願っています。それと、誰もが皆、国を背負っているのです。ですから海外に行っても、日本人であることを忘れずに振舞って欲しいですね。

元谷 日本人としての誇りを持って生きて欲しい。そのためには過去の歴史を正しく知る必要があります。日本が先の大戦を戦っていなかったら、世界は未だに人種平等ではなく、西欧列強が植民地を支配している世界だったでしょう。

河添 そうですね。そしてこの瞬間も歴史の一ページであること、先人達を誇りに、自分もいつかはその先人になることを心に留めておいて欲しいです。

元谷 全く同感です。今日は本当にありがとうございました。

河添 ありがとうございました。

対談日:2020年10月30日