BIGTALK

二〇二四年までに
二回の憲法改正を実現する
Vol.335[2019年6月号]

衆議院議員 亀岡偉民
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APAグループ代表 元谷外志雄

高校時代は甲子園球児として活躍。野球の世界から政治の世界に飛び込み、落選にも不屈の精神で耐え、今は衆議院文部科学委員長を務める衆議院議員の亀岡偉民氏。被災した福島県の議員としての思い、文部科学担当として来年の東京オリンピックに向けてやるべきこと等をお聞きしました。

亀岡 偉民氏

1955年生まれ。1971年作新学院に入学、野球部で捕手として江川卓氏とバッテリーを組み、甲子園に2回出場。1978年早稲田大学卒業後、熊谷組に入社。仕事の一方、都市対抗野球でも活躍。1987年には早稲田大学野球部助監督に就任。1990年から1996年に4回衆議院選挙に立候補して落選、2005年に初当選して現在3期目。2018年より衆議院文部科学委員長。

野球オンリーにならないために
プロではなく大学に進学

元谷 今日はビッグトークへのご登場、ありがとうございます。亀岡さんには三年前のワインの会に来てもらって、その後勝兵塾でも講演してもらいました。

亀岡 今日はよろしくお願いします。お陰様でこの三年間、自民党文部科学部会長、自民党国会対策副委員長を務め、昨年から衆議院文部科学委員長を拝命、ずっと文部科学畑を中心に担当させていただいております。

元谷 国会で今、大活躍中の亀岡さんですが、作新学院高等学校野球部時代には甲子園でも活躍したとか。

亀岡 いえいえ、私は足を引っ張った方です。一九七三年、最初に春のセンバツに出場した時には、投手の江川卓を擁する作新学院は優勝候補の筆頭でした。しかし私の暴投で点を取られ、準決勝で敗退したのです。悔しくて一生懸命練習して、その年の夏の甲子園では全ての盗塁を刺しました。でもこの時は二回戦でしたが、江川の押し出しの四球で敗れました。勝ちを期待されるとプレッシャーになって、逆に勝てないものです。

元谷 そういうものなのですね。

亀岡 私は今、作新学院野球部のOB会長を務めていますが、就任した二〇一六年に野球部は夏の大会で全国制覇を果たしました。作新学院は一時期進学に力を入れて甲子園出場が途絶えていたのですが、今は文武両道という方針です。東大に進学する生徒もいます。学校が野球だけとか学問だけではなく、全体的に力を入れるようになると、どの部門も強くなります。

元谷 高校卒業後は早稲田大学に行ったのですね。

亀岡 はい。早稲田大学教育学部に進学し、幼児教育を専門に学びながら、野球部で六大学野球に参加しました。

元谷 プロ野球には誘われなかったのですか。

亀岡 高校生の時に誘われましたが、大学に行こうと決めていたのです。周囲から「野球オンリーになるな」と言われていたので。

元谷 では大学を卒業したら、野球は止めるつもりだったのでしょうか。

亀岡 はい。でもどうしても来てくれと社会人野球に誘われて、熊谷組に入社したのです。

元谷 アパグループも熊谷組にはマンションやホテルなど、北陸を中心にいろいろと施工をお願いしています。熊谷組は元々福井県の会社ですし。

亀岡 私は福島県を地盤に活動しているのですが、代表に建てていただき、二〇一七年にオープンしたアパホテル〈福島駅前〉も、熊谷組の施工でした。アパホテルが誕生したおかげで、JR福島駅前のステイタスがかなり上がったのではと考えています。

元谷 二〇一一年の東日本大震災の際の福島第一原発の事故では、水素爆発で建屋が吹き飛びました。その映像を見て、原子炉そのものが爆発したと思い込んだ人もいて不安が蔓延し、多くの人が福島県から避難をしました。人口が減少して、なかなか観光客も来ない。福島の人々に対してアパグループができる貢献は何かと考えると、これはやはりホテルを作ることだという結論に達したのです。観光客も減っているのに、福島駅前になぜ…という声もあったのですが、これはお金儲けではありません。ホテルで宿泊したり食事をしたりすることで賑わいを取り戻したい、安心して人が集える場所を作りたいという思いからです。

亀岡 本当にありがとうございます。

原発事故の影響について
ただ不安を煽る「左翼」

元谷 亀岡さんは、震災の時はどうしていたのですか。

亀岡 福島県の浜通り地区は、津波の後に原発事故にも襲われました。原発事故のため法律に従って、自衛隊員も避難せざるを得なかった。誰もいなくなったこのエリアで、一人の市会議員が竹の棒で遺体捜索をしていたのです。それではと、私を含む国会議員の浪人仲間十人で一緒に遺体捜索をしました。私がお世話になった人が何人も行方不明となり、まだ見つかっていません。

元谷 津波にさらわれたのですね。

亀岡 はい。また私は多少原発の業務に関わったことがあったので、国土交通省をすぐに訪れ、原発が爆発しないよう日本中のポンプ車を手配して、海水を原子炉に注入するべきだなど、提言しました。ただ東京電力本店には、一切入れなかったですね。勝兵塾で講演をした時には、そのような震災の話をさせていただきました。

元谷 当時の民主党政権が原発事故に対して過剰な対応を行ったことが、今にまで尾を引いています。除染基準を年間一ミリシーベルトにしたのは、やり過ぎです。広範囲な除染が必要となり、莫大な費用が掛かりました。一〇〇ミリシーベルトの被曝でも発がん率が〇・五%しか上昇しないことを考えると、避難指示基準の年間二〇ミリシーベルト基準は厳しすぎです。

亀岡 不安を煽る騒ぎは続きました。長崎大学の山下俊一先生に福島県放射線健康リスク管理アドバイザーになっていただいて、冷静に科学的根拠に基づいて話していただいても、それを嘘だという人が沢山出てきたのです。

元谷 「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀藤誠志賞を受賞している高田純さんや稻恭宏さんが、放射線の影響についてどれだけ正しいことを主張しても、左翼は不安を煽ることしか主張しないのです。

亀岡 沖縄の基地反対の運動家が、福島に来ると反原発の運動家になるのです。これはおかしいでしょう。

元谷 よく考える人は保守になりますが、考えが浅いと左翼になるのです。変な主張をする政党を支持する人が多いことも、常々私はおかしいと思っています。

亀岡 野党は迷走を繰り返して、民主党も解体されて。国民の支持を受ける体をなしていないと思います。

元谷 日本のためには、亀岡さんのような議員に頑張ってもらうしかありません。

亀岡 私は東京オリンピックによって、福島の風評被害をしっかり払拭したいと考えています。ですから、未だに福島県や近隣の県の食品の輸入を禁止している中国や韓国や台湾等を、福島市でのオリンピックの開会式に招待し、現実を直接目で見てもらいたいと考えています。

元谷 輸入禁止には全く根拠がありませんから。

亀岡 また、ようやく被災した子供達が勉強に励めるような、返済の必要のない給付型奨学金の拡充も創設しました。二〇二〇年度からは高等教育無償化も始まります。本当に学びたいという人は、津波の被害を受け経済状況の苦しい家庭の子供たちでも教育を受けることができます。思う存分良い人材を育成していき、日本を盛り上げていきたいと考えています。

元谷 また急がないといけないのは、憲法改正の発議でしょう。参院選までに発議しないと、改憲賛成議員の三分の二が失われ、当面発議できなくなる可能性があります。まず国会の会期を延長して、参議院選挙を七月ではなく、八月二十五日に持っていくべきです。そして二〇〇五年の小泉首相の郵政選挙と同様に、衆参両院の議員が改憲賛成か反対かを質し、反対の議員は公認せず、刺客を送るのです。衆議院を解散して、衆参同時選挙に…というカードを見せる手もあります。この姿勢をとることで、今国会でなんとか改憲の発議を行うのです。そして国民投票の期限である六カ月の間に一大国民運動を起こして、改憲を実現する。賛成が五〇・一%でも改憲は成立します。ただ今の改憲案は公明党に配慮して、単に自衛隊の存在を憲法上に明記するという加憲による改正です。独立自衛の国家となるための真っ当な憲法にするには、第九条第二項を削除するなど、もう一度改憲を行うことが必要でしょう。

亀岡 大規模な災害時などに、一時的に政府に権限を集中させる「緊急事態条項」を憲法に盛り込むことも大切です。

元谷 その通りです。しかし安倍首相の任期は三期九年で二〇二一年までです。そこまでに二回の改憲が可能なのか。トランプ大統領は特別検察官の報告でロシア疑惑が晴れました。先日、元米大統領主席戦略官のスティーブ・バノン氏がここ数カ月の危機を乗り切れば再選確実と言っていた通り、再度選挙に勝って、二〇二四年まで任期を務めるでしょう。もし自民党の党則を変えて四選を認めれば、安倍首相も二〇二四年までの任期となります。今からまだ五年ありますから、二回の憲法改正も可能かもしれません。一方最近マスメディアは憲法改正について一切報道しません。無視することで改憲を阻む戦略を実行しているのです。

参議院選挙の前に
改憲の発議を行うべきだ

亀岡 自民党は今、全国の衆議院小選挙区支部に、それぞれ「憲法改正推進本部」を設置しようとしています。ゴールデンウィークの間に各支部で総会を行って、推進本部を立ち上げていきます。これによって地方自治体の議員も巻き込む改憲の地盤作りを行い、多くの人に改憲の意義を理解していただけるように盛り上げていきます。改憲が実現したとしても、国民が「自分達が憲法を作ったんだ」という誇りを持てるようにするのが肝心ですから。このように自民党は、着々と改憲準備を進めているのです。

元谷 それは是非進めてもらって。しかし参院選後では遅いので、今国会で是非発議を。国民投票で過半数を獲得できるかどうかは、現時点では私も非常に不安です。しかしだからといって、改憲賛成議員が三分の二いるのに発議をしないという理由にはならないでしょう。とにかくまず発議をして、六カ月の間に国民運動を盛り上げて。日本国憲法制定時には数多くの解説パンフレットが発行され、憲法定着に寄与しました。同様に改憲の意義を解説した冊子を数千万部作成して、国民に配布するのです。努力して汗もかいて金も使って、なんとか改憲を実現するのです。今の憲法下の日本が安全保障上、いかに危険か。日本の周りは全て核保有国となりました。米朝首脳会談を行っても、北朝鮮は決して核兵器を手放しません。ノドンやテポドンなどの中距離ミサイルが実戦配備され、そこに搭載できる核弾頭の小型化にも成功しています。日本が核攻撃される可能性が極めて大きくなっていますし、アメリカの核の傘はとっくに機能していません。

亀岡 仰る通り、危険が迫っていると思います。にも拘らず、日本の安全保障は専守防衛に拘っています。専守防衛を貫くなら、人命が奪われるまで反撃できない。国民の生命と財産を守るのが国家の役割であり、人的犠牲を前提とした安全保障政策など、本来あり得ないはずです。

元谷 だから急がないと。自民党の中にも「改憲は時期尚早」などという議員がいますが、それは間違っています。最近自民党の改憲の動きがメディアでも報じられないので、少し不安です。

亀岡 着々と進行していますからご安心を。やはり心配は国民投票です。今の政界は「安倍一強」であり、この独裁者を倒せば良い政治が帰ってくるというマスメディアが作ったイメージを多くの国民が信じていて、これがボディブローのように効いてきているのです。

元谷 モリカケ問題の原因は、二〇一七年五月三日のビデオメッセージで、安倍首相が憲法改正に期日を設けたからです。それからメディアによる猛烈な安倍叩きが始まりました。しかし現時点で安倍首相に代わることのできる人はいないでしょう。六月に大阪で行われるG二〇サミットでは、日本が議長国となります。長く国のリーダーを務める安倍首相は、サミットでも大きな存在感を発揮しています。

亀岡 外交に力を入れ、就任以来数多くの国を訪問して、確固たる関係を築いてきました。これを評価していただきたい。

元谷 その通りです。政権を批判するメディアは国益を全く考えていません。東アジアが緊張状態にある中、またかつてのように毎年首相が代わる国になったらどうなるのか。日本は早晩、中国の自治区となっているでしょう。

亀岡 全く同感です。

夢を追うことで得た力は
後の人生で役に立つ

元谷 三月十九日にアパホテルプライド〈国会議事堂前〉がオープンしました。議員会館の前にありますから、国会議員の皆さんにも使っていただいています。

亀岡 代表はアグレッシブにその土地に合ったホテルを建設していますね。土地を購入するかどうかは、直感なのでしょうか。

元谷 まずは立地で、駅から徒歩三分以内ではない土地は買いません。そして私が実際に土地を見て、活用法をイメージできた土地しか買いません。容積率も考慮して、何階建てのホテルができるか、即座に計算するのです。全てのホテルの土地の購入は、そこに建つホテルのイメージがわくことです、基本設計は私が行っています。駅近の「駅」も、宿泊需要が旺盛な新宿や池袋などのターミナル駅が理想です。宿泊需要が多くあれば高くても買え、需要がなければ安くても買うなが私のポリシーです。購入の決断は、どれだけ収益が上がるかを見て判断をしています。需要があれば、少々値段が高くても金利が低いので買います。これを弊社では「高値買い」と言っているのですが、続けていると土地に関する情報がどんどん集まってくるようになります。

亀岡 横浜にも大きなホテルを建設中ですね。国際会議は今全部が横浜で行われていますから、需要も大きいかと。先見の明ですね。

元谷 国内最大級となる二三一一室のアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉ですね。平日はビジネス客、週末の金曜日、土曜日は国内観光客、国内客の需要が落ちる日曜日や月曜日は訪日外国人旅行者を狙っていて、一年を通して高稼働率が見込めると考えています。

亀岡 来年の東京オリンピックの野球・ソフトボールのメイン会場は横浜スタジアムです。大きな需要が見込めると思います。

元谷 それもありますし、この〈横浜ベイタワー〉のオープンは今年の九月二十日を予定しています。この日はラグビーワールドカップ日本大会の開幕日なのです。翌日から横浜国際総合競技場での試合も行われます。その他様々なイベントが横浜で予定されています。

亀岡 高稼働率の秘密はまず立地なのですね。

元谷 またアパホテルはビジネスユースがメインですが、ビジネスマンを中心とした千五百万人にも及ぶアパホテルの累積会員がいることも大きいですね。ポイントが貯まればキャッシュバックを受けることができますから、どこに出張に行ってもアパホテルを探すことになるのです。一般的なホテルの稼働率は良くても七〇〜八〇%のところ、東京都心のアパホテルは平均稼働率が一〇〇%を越えていて、一〇五%というところもあります。これはお客様が早くにチェックアウトした部屋をすぐに清掃して、日帰り利用の部屋として販売しているからです。これを効率良く行うために、〈国会議事堂前〉にはフリーチェックアウトでキーをボックスに入れると、その部屋番号を読み取って担当者のスマホに連絡が入るシステムを導入しました。一秒でも早くチェックアウトしたことがわかれば、それだけ売れる部屋が増えます。特に大浴場のあるホテルでは、日帰り入浴プランとして販売しています。入浴の後、部屋で寛ぐことができるので好評です。日帰りプランは宿泊料金の約半額で提供しています。

亀岡 徹夜国会の翌日とか、大きなお風呂に入って少し休みたい時にぴったりですね。

元谷 現在建築設計中のホテルが五十二棟、一万九千室です。東京だと土地代と建築費を合わせて、一部屋ざっと二千万円掛かりますから、これだけで三千億〜四千億円の事業になります。これらが、これからの一年半で完成してオープンします。

亀岡 凄いですね。

元谷 アパホテルプライド〈国会議事堂前〉は良いホテルですが、利益率は低いのです。日本最高層のアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉や日本最大級のアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉も利益率の低いホテルです。しかしこれらのホテルはアパホテルのブランドを上げてくれます。一方、一番儲かるのは東京都心一等地の二〇〇〜三〇〇室のホテルです。ブランドを上げてくれるホテルと儲かるホテルを同時に運営することで、相互作用で全体的に上手く回っているのが現在のアパホテルです。今、力を入れようとしているのは、ドミナント戦略と巨大化戦略です。特定のエリアに集中してホテルを建てると、入社五、六年の若い支配人でも安心して業務ができます、エリアのベテラン支配人から学ぶことで問題が起こっても対処できるからです。そのエリアの価格支配権も握ることができます。巨大化は、人手不足対策でもあります。二三〇〇室の一つのホテルと二〇〇室のホテル十一棟では、やはり一つのホテルの方が従業員は少なくて済みますから。

亀岡 海外からのお客様も多いのではないでしょうか。

元谷 アパホテルの訪日外国人旅行者の比率は全体では二五%、東京では五〇%を越えています。すぐに東京では七〇%近くになるでしょう。通常のホテルでは中華圏からのお客様が多いですが、アパホテルで一番多く来てくれる国はアメリカからです、ヨーロッパも多いです。

亀岡 多くの雇用も生み出し、訪日外国人旅行者の受け皿にもなっている。日本の国益にかなった事業だと思います。

元谷 ただ私は、日本への貢献に関しては言論活動の方が重要だと考えています。例えば十一年前に始めた「真の近現代史観」懸賞論文ですが、第一回で最優秀藤誠志賞を獲得した田母神俊雄さんを巡る騒動の結果、世の中が保守に覚醒し、第二次安倍政権の誕生に繋がったとも言えます。

亀岡 その通りです。これからも政権を支えていただければ幸いです。

元谷 もちろんです。最後にいつも「若い人に一言」をお願いしているのですが。

亀岡 教育関連に携わって感じるのは、若い人にはもっと夢を追って欲しいということですね。夢を持って、それをどうやったら実現できるかを考えるのは楽しいものですし、夢に向かうことが自分の力になります。たとえその夢が達成できなくても、付いた力が後で役に立つのです。

元谷 若い時に野球に打ち込んだ亀岡さんらしい言葉ですね。今日はありがとうございました。

亀岡 ありがとうございました。

対談日 2019年4月9日