JOURNEY TIME

Vol.6[2026年10月号]

各業界で活躍する賢人の方々にお集まりいただき、日本を元気にするための施策や日頃こだわっている仕事観について語り合うJOURNEY TIME。「ポッカレモン」や「じっくりコトコト」などロングセラー商品を多数持つポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社代表取締役社長の佐藤雅志氏、インフルエンサー&SNSを駆使した効果的なマーケティングを実践するnicoichii株式会社代表取締役の北島麗音氏、健康をテーマに管理栄養士の観点から企業向けの様々なサービスを提供する株式会社Wellness Lead代表取締役の武井香七氏をお迎えし、人生と旅について語り合いました。


ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 代表取締役社長
佐藤 雅志氏

nicoichii株式会社 代表取締役
北島 麗音氏

株式会社Wellness Lead 代表取締役
武井 香七氏

地域の素材を使った商品で地域振興を支援する

佐藤雅志氏は元々旅行が大好き。「乗り鉄」である佐藤氏は、計画を立てて列車で移動することを頻繁に行っており、長時間列車に乗ることが全く苦痛ではない。車窓から見る山や川などの自然が美しく、特急よりは各駅停車の列車で、ゆっくり移動することを好む。この形で日本全国でおいしいものを食べて宿泊するという旅を続けていたが、たまたま高知県だけ行く機会がなかった。ようやくプライベートの旅として、香川県に飛行機で飛び、そこでうどんを食べた後、列車を使って初めて高知県を訪れることができた。藁焼きしたカツオを塩で食べる「カツオの塩タタキ」をはじめ、餃子や日本酒が非常においしく、食を旅の醍醐味だと考える佐藤氏にとっては、まさしく理想的な旅になった。また、佐藤氏は都内に住んでいるが、少しリフレッシュしたい時にはアパホテル&リゾート〈両国駅前タワー〉やアパホテル&リゾート〈東京ベイ潮見〉に宿泊して、大浴場でリラックスした後にぐっすりと眠るようにしている。

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社はレモン商品が多い。広島県はレモン栽培が盛んなことから、佐藤氏は広島に出張することが多い。日本ではレモン生産の約六割を広島県が担っていて、「広島レモン」「瀬戸内レモン」として知られている。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、二〇一九年に広島県大崎上島町で自社レモン園地でのレモン栽培を開始した。これは担い手不足や耕作放棄が続くレモン生産振興を進め、レモン市場の活性化に寄与するために始めたことだ。さらに二〇二五年、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、社外パートナーと共に国産レモン生産振興を目指す農業法人「株式会社LEMONITY(レモニティ)」を設立して、広島県に加えて静岡県のレモン農家の支援も開始している。原料の生産から関与することで、国産レモンの生産振興を加速させるとともに、国産レモンの更なる商品群の拡充と安定供給を実現していく事を目指している。

臨床試験によって「ポッカレモン一〇〇」に含まれるクエン酸に、血圧が高めの方の収縮期血圧を下げる機能があることがわかった。臨床試験では、一日三〇mlの「ポッカレモン一〇〇」を十二週間継続摂取したところ、有意に高めの血圧(収縮期血圧)が下がった。この試験結果に基づき、機能性表示食品として届出をしている。
「キレートレモンMUKUMI」にはレモン一個分の果汁に加え、機能性関与成分としてレモン由来モノグルコシルヘスペリジンが三〇〇mg入っている。レモンに含まれるポリフェノールの一種であるヘスペリジンを水に溶けやすく加工したものが、レモン由来モノグルコシルヘスペリジンだ。このレモン由来のモノグルコシルヘスペリジンには、一時的に自覚する顔のむくみ感を軽減する機能があることが報告されている。このことから、「推しに会う前に飲む飲料」として、特に若年層の間で人気になっている。

ポッカサッポロフード&ビバレッジがもう一つ力を入れているのが、土地の素材を使い、その地名を入れた商品だ。「加賀棒ほうじ茶」や「北海道コーン茶」、「かごしま知覧紅茶」などの商品があり、このような形でも、地域の応援を行っている。「加賀棒ほうじ茶」の茶葉製造を担当している石川県の油谷製茶の工場は、二〇二四年の能登半島地震で被災した。クラウドファウンディングなどを通して、様々な人々の支援によって、油谷製茶の新工場は今年の五月に落成した。ポッカサッポロフード&ビバレッジも「加賀棒ほうじ茶」の売り上げの一部を義援金にあてるなどした。

キャベツとカレーで好相性 理に適った「金沢カレー」

管理栄養士である武井香七氏は、特に夏場にはレモンを取り入れることを勧める。レモンの爽やかな酸味は食欲を引き立て、含まれるクエン酸はエネルギー代謝に関わる有機酸の一つとして知られている。暑い時期は食欲が落ちやすいことから、日々の食生活にレモンを上手に取り入れることも一つの工夫だという。

武井氏が一昨年、名古屋に毎月出張で行く機会があり、いつもアパホテル〈名古屋駅前〉に宿泊していた。何回か宿泊した後、ホテルに入ったタイミングでチェックイン前に、スタッフに「お帰りなさい」と挨拶をされて、とても驚いた。そんな風に覚えていてくれることが嬉しくて、武井氏はアパホテルにまた宿泊したいと思ったという。

アパホテル&リゾート〈両国駅前タワー〉の朝食ビュッフェを食べた武井氏が驚いたのは、ご当地メニューとして供される「ちゃんこ風鍋」の具材が非常に豊富で、出汁にもこだわりを感じたことだ。食材補充のタイミングも完璧で、料理のクオリティやサービスに対して、朝のビュッフェにおいても非常に力が入っていることを実感したという。また朝食ビュッフェにも登場する「アパ社長カレー」の横には、必ずキャベツの千切りや焼いたキャベツが置かれている。これは「アパ社長カレー」が「金沢カレー」をルーツに持っているからだ。カレーの脂質とご飯の糖質に、キャベツのビタミンCや食物繊維が加わると、バランスが非常に良くなる。金沢カレーは、理に適った組合せを実現している。

武井氏は年内出版の著書を現在執筆中だ。好きなものを食べながらも、病気をどう予防して健康な生活を維持できるのかということについて、いろいろな方法を具体的に伝える内容になる予定だ。

アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉は花火に最高のロケーション

北島麗音氏が経営するnicoichii株式会社は、YouTubeやTikTokなどSNSを活用したマーケティングサービスを提供しており、フォロワー総数四億人のインフルエンサーを抱えている。北島氏が二十一歳の時に創業、現在第五期の伸び盛りの勢いのある会社だ。企業の売りたい商品やサービスについて、どこにどういう手法で売るかの全体設計を行っていて、特に十代から三十代をターゲットとするケースを得意としている。設計に際しては、インフルエンサーを使用するのか、どのような動画を撮影するのか、広告をどれくらい投入するのかを検討する。一番の強みである三千人にも及ぶインフルエンサーはそれぞれ美容や健康など得意な分野を持っていて、案件に応じてnicoichiiがキャスティングしていく。アパホテルでは、客室で観ることができる館内利用方法の動画の制作なども行っている。nicoichiiでは地方の企業からも、インフルエンサーによるプロモーションを請け負うことが多く、会社のオフィスや近隣の観光スポット、自治体の役所などで動画撮影を行う。また最近北島氏は日本ハンドボールリーグのマーケティングアドバイザーに就任、いかにハンドボールを盛り上げ、どれだけ試合に観客を呼べるかに挑戦することになった。

SNSの動画に関して、どれだけ再生回数を上げることができるかがマーケティング企業の腕の見せ所だが、nicoichiiでは数多くの成功例を持っている。歌手のCrystal Kay 氏やTRFのDJ KOO氏のSNSのサポートも行っており、様々な企画によってYouTubeで二百万回再生の動画も生み出している。制作した動画の全てを高再生回数にすることは難しいが、いくつか制作しているとどれか一つの再生が跳ねてくる場合がある。そうなると他の動画の再生回数も増えてくる。

北島氏の出張は毎月二、三回程度で、全国の取引先を訪れるようにしている。好きなエリアは北陸など、日本海側で海鮮がおいしいエリアだ。冬のシーズンには港のタグの付いた極上のズワイガニが味わえる、石川県の片山津温泉にあるアパリゾート佳水郷にも、何度も訪れたことがある。北島氏は遠方に旅をした時の「普段自分が感じない空気感」を楽しみにしている。北島氏は福井県に行くと、必ず安くておいしいと評判の焼鳥店「秋吉」に立ち寄る。ここは店員が男性には全員「社長」、女性には全員「お嬢さん」と呼びかけることで有名だ。

北海道も北島氏が好きなエリアだ。夏でも涼しく、乗馬をしたり、バーベキューをしたり、エスコンフィールド北海道で野球を観たり、札幌競馬場に行ったりと、行くといつもたっぷり楽しんでいる。また毎年八月一日に幕張で行われる花火大会の時には、アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉のスイートルームに宿泊する。花火大会側でも観覧席が用意されているが、高層階の冷房の効いた部屋の中、虫に刺されることもなく花火鑑賞ができる最高のロケーションだからだ。

物事の考え方によって人生を良い方向に進める

故元谷外志雄会長の「APA的座右の銘」には、「発想は移動距離に比例する」という言葉がある。一志CEOも今の日本人のパスポート保有率が一八%しかないことを、非常に残念がっている。特に若い人は海外に行って世界を見るべき。海外に行くことで、初めてわかる日本の良さが数多くある。日本では治安の良さや交通機関の時間の正確さ、低価格で高品質の外食などが当たり前になっているが、こんな国は他にはない。

また会長は「人間、どう考えるかで人生が決まる」と言っていた。会長は十四歳の時に病気で父親を失った。通常であれば一家の大黒柱が亡くなったのだから、悲しみに暮れるはずだ。しかし会長は「早く大人になるチャンスをもらった」と、極めて前向きに考えていた。こんな感覚があったからこそ、アパグループを今のように日本最大級のホテルチェーンにまで、大きくすることができたのだろう。

人とは出会いが大事なのではなく、出会い方が大事だ。また紹介することが大事ではなく、紹介の仕方が大事だ。人は自己紹介を一生で二万回、多い人で十万回行うと言われているが、恥ずかしがったりいい加減な自己紹介を何度も繰り返すよりは、戦略的に自分にまた会いたくなるような、印象深いアピールを含む自己紹介を行うべきだ。