GOOD TALK

「インナービューティーを通じて、人類の健康寿命の延伸に貢献する」が企業理念。Vol.17[2026年10月号]

株式会社プロラボホールディングス グループ代表 代表取締役 兼 CEO 佐々木 広行
×
アパグループ専務 元谷 拓

トップが自身の思いを様々な場で語ることで、会社と社員との正しいマッチングが実現する。

アパグループ 専務 元谷 拓

ハーブティーからメーカーとしての事業をスタート、商品を通して人々の健康と美しさに貢献するインナービューティー(内面美容)の世界的ブランドとなった「エステプロ・ラボ」。このブランドを育て上げた株式会社プロラボホールディングス グループ代表 代表取締役兼CEOの佐々木広行氏が今回のゲストです。「会社の存在意義」を社員に強く訴え、ヒット商品を連発する佐々木氏の考え方の秘密をアパグループの元谷専務が探ります。
佐々木 広行氏 Sasaki Hiroyuki
1968年神奈川県生まれ。1991年早稲田大学を卒業、1998年フリーペーパー事業で起業、2002年に株式会社プロラボホールディングスを設立し、高品質インナービューティープロダクツ「Esthe Pro Labo(エステプロ・ラボ)」ブランドを立ち上げ、国内3万店舗、海外23カ国に展開する世界レベルのインナービューティーブランドに育て上げた。
食生活をサポートする
サプリメントが大ブレイク

元谷 本日はありがとうございます。「エステプロ・ラボ」といえば、世界的にインナービューティー市場を開拓したブランドだと思います。早速ですが今、一番売れている商品は何でしょうか。

佐々木 今日はよろしくお願いいたします。今大ブレイクしているのは、今年四月に発売を開始した「メタスレンディア」です。植物由来のハーブ素材から生まれたボディコントロール特許原料の「メタボレード」を、二粒あたり五〇〇mg配合しています。食後のメカニズムに着目したサプリメントで、無理な食事制限に頼るのではなく、日々の食生活のバランスを整える新しいインナーケアとして、健康的な食習慣をサポートします。「メタボレード」はスペインのモンテローダ社が開発した特許取得原料で、脂肪代謝に関与するとされるAMPK活性や食欲抑制機能がある内因性GLP‐1分泌との関連が報告されているものです。世界の原料アワードでも多くの賞を獲得していて、アメリカでは既に約百億円もの市場が形成されていますが、日本にはまだ普及していませんでした。当社は今年三月にモンテローダ社と業務提携を締結、「メタボレード」の日本での展開に注力し始めているところです。無理な食事制限は苦手だけど、ボディケアを意識している方などにおすすめですね。原料を全て日本では当社が押さえているのですが、今生産が間に合わなくて。八月頃にやっと需要に追いつく予定です。

元谷 この商品は、私にぴったりかもしれません。他にもかなりの数の商品を展開されていますね。

佐々木 商品は百四十種類以上あります。これらを、エステティックサロンやスポーツジム、美容室など国内では約三万店舗、海外では二十三カ国で販売しています。

元谷 そもそも佐々木さんは、どのようなきっかけで今の事業を始めたのでしょうか。

佐々木 私は三十歳の時に脱サラして、フリーペーパーの事業を始めました。とにかく一国一城の主になって、お金を稼ぎたかったのです。最初の五年は勢いで上手くいっていたのですが、三十五歳の時に会社がおかしくなってきて、四十歳までの五年間は売上以上の有利子負債を抱えて、本当に地獄の日々でした。この時いろいろ悩んだり苦しんだりした経験が、今考えれば、良かったのだと思います。そうでなければ、今頃もっと躓いていたでしょう。

ランチェスター戦略に則り
特定市場での一番を目指す

元谷 そんな苦しい中、四十歳で方向転換されるのですね。

佐々木 はい、二〇〇七年に美容や健康に特化した商品を作るメーカーになりました。その直前の数年間、広告制作の立場から健康・美容業界に関わっていました。いい広告を作っていたと自負していますが、広告は大量生産することができません。いい商品を作れば、それがどんどん増産されて世界に広がっていく「モノを作る」という仕事に、だんだん憧れるようになっていき、最終的にはメーカー業に転身したのです。最初に扱ったのはハーブティーで、その商品をエステティックサロンに販売していました。

元谷 どうして、ハーブティーをエステティックサロンに売ろうと思ったのですか。

佐々木 当時、ランチェスター戦略に基づく「一番化戦略」を学びました。どこかの市場で一番になることに、経営資源を集中させるという考え方です。そこでエステティックサロンという特定の市場において、ハーブティー販売で一番になろうと決めたのです。エステティックサロンの場合、まずウエルカムティーに施術後のアフターティー、さらには物販のニーズもあって、ハーブティーのニーズが大きいと考えました。二〇〇七年にまず三百種類以上のハーブなどの素材を、美肌など女性のお悩み別に処方して、十種類程度のハーブティーラインナップを開発しました。二〇〇八年から一軒二軒とエステティックサロンのお客様を増やしていって、まず一番になりました。そこからさらに他の業種の店舗にも、卸先を拡大していきました。

元谷 商品の種類も拡大していったのですね。

佐々木 はい。ハーブティーのビジネスでエステティックサロンを訪問するうちに、インナービューティーというワードに出会ったのです。エステは外側からの施術によって美しさに磨きをかけるものですが、やはり食生活が乱れていては結果が出にくくなります。私がエステティックサロンを訪問し始めた当時は、アウタービューティーが主力で、食事の指導を行うエステティシャンはいませんでした。まだ「腸活」という言葉もありませんでした。アウタービューティーに対して、インナービューティーも大切だということを私の事業では訴求していくようになり、それに伴って商品数も増えていきました。

納入店舗の徹底的
な啓蒙で他社との差別化を図る

元谷 実店舗で体感した上で気に入った商品を購入、それが継続的な購入に繋がっていくというエステプロ・ラボのビジネスモデルは、非常に巧みなものだと感じています。

佐々木 パッケージデザインを褒めていただくことも多いですね。もちろん、商品の中身にもこだわりがあります。エステプロ・ラボには厳格な基準を定めた開発ポリシーがあり、その基準をクリアしたもののみが商品化されています。「腸活」で言えば、極力腸に負担のかかる素材は使用せず、いいものだけを腸に吸収させるようにしているのです。そうして開発した商品自体の強みに加え、当社がマーケティングとして力を入れているのは「教育」です。つまり、当社の商品を取り扱っているエステティックサロンなどの店舗に、商品の価値やその背景にある栄養学を教えることに注力してきたのです。当社にあるセミナールームを使ったり、TKPさんと提携してもっと大きな会場で行ったりと、研修を繰り返してきました。

元谷 商品の説明であれば、どのメーカーも行っているのではないでしょうか。

佐々木 そうなのですが、大事なのは背景にある栄養学なのです。例えば「腸活」の話でも、腸の役割がわかっていないと、本当にお客様の健康・美容に役立つようなアドバイスやカウンセリングはできません。血液、体内の水分、細胞内のミトコンドリアの働きなど、体の中のメカニズムを医学のレベルまで教育するカリキュラムを作成、数多くの研修講師を社内で育ててきました。この講師達が研修を繰り返すことで、全国三万店舗の納入先に正しい背景情報を伝達し啓蒙できていることが、当社のマーケティング上の一番の強みだと思います。

元谷 そんなエステプロ・ラボの経営理念は、何になるのでしょうか。

佐々木 「インナービューティーを通じて、人類の健康寿命の延伸に貢献する。そして世界一になる」が理念でしょうか。健康寿命の延伸は今、国の施策でもあります。健康寿命とは、介護が必要なく自立して生活できる期間を指します。平均寿命が延びるに従って健康寿命も伸びてはいるのですが、やはりこの二つには十年程度の差があり、人生の最後の十年は介護が必要だったり、寝たきりになったりする人が多いことを示しています。私は健康寿命の延伸とは、予防医療への注力だと考えています。これを国も民間も行わなければなりません。

「三つの活」の普及によって
健康寿命を延伸していく

元谷 予防医療のためには、どのようなことを行えばいいのでしょうか。

佐々木 私達は最近、インナービューティーには、「腸活」「温活」「眠活」の「三つの活」が大事だと言っています。「腸活」は発酵食品などを摂取することで、善玉菌など腸内細菌によって生み出される「腸内フローラ」のバランスを整えることです。「温活」とは、三六・五度といわれている理想的な体温を保つこと。最近は三五度台の低体温の人が増えていますが、この温度帯はがん細胞が一番活発になるのです。これだけ医療が発達してもがんが増える要因の一つは、低体温ではないかと私は考えています。低体温から脱却するために、体温を一度上げていくのが「温活」です。このための施設として、当社でマグマスタジオ「INSEA(インシー)」を、今都内に五店舗展開しています。富士山の天然溶岩プレートを敷いたスタジオでヨガプログラムを行い、遠赤外線効果で体を深部から温めることができます。同様の効果が得られる施設として、富士山の溶岩を敷き詰めた完全会員制の「ザ・プロラボサウナ」も麻布十番で営業しています。

元谷 「眠活」は睡眠の質を向上させることだと思うのですが、既に多くの企業がこの分野には参入されていますね。

佐々木 当社は一九六八年から水分子のコントロールを研究していた企業に出資、低電圧で人間の中の水分をコントロールするWOTT(WATER OPTIMIZING TOTAL TECHNOLOGY ウォット)という技術を搭載したマットを開発しました。背中に敷いて眠ると、血流がとても良くなり、深く眠れてすっきり起きることができます。睡眠だけではなく、リカバリーやパフォーマンス維持のためにと、多くのトップアスリートも使用しています。これらの「三つの活」がインナービューティーには非常に大事だという考えの下、他にも様々な商品開発を行っています。

元谷 佐々木さんが今、一番思い入れがある商品は何でしょうか。

佐々木 酵素飲料の「ハーブザイム」が今一押しです。東京農業大学と共同研究で開発した商品なのですが、天然の酵母や乳酸菌が棲みついたヒノキ樽を使って、百十三種類の国産植物を発酵させた植物酵素原液を九八%配合した飲料です。これまで三種類が販売されていたのですが、昨年十月に四種類目の「ハッコウブラック ハーブザイム」を発売しました。この商品には植物酵素原液に加え、オートファジー研究の第一人者である吉森保先生が監修する「阿波晩茶」の濃縮エキスが配合されています。オートファジーとは細胞が自らを分解して、それを再利用して新しい細胞に生まれ変わる仕組みのことで、二〇一六年に大隅良典先生がこの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞されています。五〇〇mlで一本一万五千百二十円と少々高価ですが、ぜひ多くの人に飲んでいただきたい商品です。

元谷 エステプロ・ラボの社員の方は、皆さんとても元気で主体的に働いてらっしゃる印象があります。佐々木さんは、どのように社員の皆さんに接しているのでしょうか。

佐々木 元谷さんがおっしゃるように、当社の社員にはやらされ感がなく、自分から楽しく働く人が多いと思います。人材教育についてはこれまで常に悩んできました。まずは同じ志の人が集まるように採用活動を行うこと。当社はなんの目的のためにあるのかという「会社の存在意義」や、仕事を通じて人格を高めていくという「在籍する価値」を私は明確化していて、YouTubeをはじめ至るところでそれを語っています。この成果として、今はマッチングが進んで当社に合った人が入社してくれるようになりました。また社員に対しては定期的に「理念勉強会」を実施して、私からいろいろと社員に話す時間を設けています。「何のために働くのか」などは大きな命題ですが、若い人にも考えてもらえるように。そういう環境作りをずっと行ってきました。

元谷 それが実を結んで、素晴らしい会社になっていると思います。本日は本当にありがとうございました。

佐々木 ありがとうございました。