二〇一四年五月十四日、恒例「日本を語るワインの会」が代表自邸にて開催されました。公徳心を教育の根幹に位置づける東京国際大学理事長・総長の倉田信靖氏、衆議院外務委員会の筆頭理事も務める衆議院議員の原田義昭氏、二一世紀型都市再生プロジェクトを推進する内閣官房都市再生本部の審議役を務めた岡本圭司氏、UR都市機構で様々な都市再生事業に従事してきた株式会社宮本企画代表取締役社長の宮本克夫氏、建設ラッシュで二〇一五年三月も営業増益の見通しを出している鹿島建設株式会社営業本部統括部長の大根一直氏をお迎えし、東アジア情勢や放射能問題など今日本が直面する課題について、激論を交わしました。


 

国家の謀略は 歴史上枚挙に暇がない

日本は中国・韓国のプロパガンダによって、ありもしないことで非難されている。そもそも先の大戦も、選挙時の公約に反してヨーロッパ戦線に参戦したいアメリカのルーズベルト大統領の陰謀によって、日本を暴発させて始められたものだった。日本の暗号を全て解読して、真珠湾攻撃を察知していたルーズベルトは、国民の対日意識を高めるため、アメリカ軍にある程度の被害を出す必要があった。だから真珠湾にいた太平洋艦隊司令長官のキンメルにも、奇襲のことを全く伝えていなかった。攻撃後キンメルは真珠湾での被害を理由に更迭され、戦後も名誉回復はなされていない。
攻撃当日、なぜか日曜日にも拘わらず戦艦アリゾナの乗組員は船に留まることを命令された。そして謎の弾薬庫の爆発によってアリゾナは沈没、約千二百名の将兵が船と運命を共にした。結局、真珠湾攻撃では約二千三百人の将兵が戦死し、アメリカ国民は「リメンバー パールハーバー」で結束した。米西戦争の時も「リメンバー ザ メイン」と、米戦艦メイン号の爆沈原因をスペインのせいにしてアメリカは戦争を起こした。しかしメイン号の爆沈原因も「謎」だ。アメリカが「リメンバー」を合言葉にする時の事件は、いずれの場合も捏造の匂いがする。こんな謀略は、歴史上には枚挙に暇がない。一九九九年に起きたモスクワなどの高層アパートの連続爆破テロでは約三百人もの犠牲者が出たが、当時首相だったプーチンはこれをチェチェンの独立武装勢力の仕業と断定、第二次チェチェン戦争を仕掛けた。その結果、ロシア国民の人気を集めたプーチンは、大統領の座まで上り詰めた。しかし今では、この連続爆破はプーチンの自作自演だったという説が有力だ。
カルネデアスの舟板というギリシャ時代からの問題がある。船が難波し、乗組員の一人が壊れた船の舟板にしがみつく。もう一人の乗組員が同じ板に掴まろうとするが、二人だと板は沈んでしまう。だから、最初に掴まっていた男は、後から来た男を突き飛ばして水死させる。男は殺人の罪に問われるが、今でいう「緊急避難」だとして裁判では無実となるのだ。これは自衛権の話にも似ている。大多数の民族や国家を守るためには、犠牲を払わなければならないこともある。
 

宇宙飛行士が受ける線量を メディアは報道するべき

戦争をするなら、必ず勝つ戦争をしなければならない。松下政経塾は選挙の勝ち方は教えているが、当選してから何をするかをあまり教えていない。それは現場に即して物事を考える実践的なトレーニングばかりをやっているからだろう。市会議員や県会議員には向いているが、国会議員には合わない。戦術は間違っても修正が利くが、戦略は間違うと取り返しがつかない。大局観が求められる理由はここにある。松下幸之助は結局プラグマティストだったということだろう。実用的な事や道徳的な事だけではなく、もっと天下国家を論じる視点を植え付ける教育を行うべき。一万人の犠牲を出しながらも、一億人を救うような決断ができるのが、国家レベルでの真のリーダーなのだ。
原発事故では全員を一律の対応で助けようとして、病気の人やお年寄りまで無理やり避難させて、結局災害関連死をさせてしまうケースが相次いだ。もっと大局的な視野があって放射線の事も知っていれば、急ぐ必要などないのだから、ゆっくりと移動させて死なせることもなかったのだ。若田光一さんら宇宙飛行士が受ける放射線は、一日一ミリシーベルトだ。つまり一年分の除染基準の放射線を、たった一日で受けることになる。こういったことを、もっと日本のメディアは報道すべきだ。人間の体は七十兆個の細胞でできていて、毎日四千~五千億個の細胞が入れ替わっている。例えば、胃の細胞は一週間から十日で全部入れ替わる。その過程で、四千~五千程度のおかしな細胞は生まれてくるものだ。それを排除してくれるのは、免疫だ。免疫力は体が温かいと良く働く。極力冷たいものは飲まない、運動をするというのを心掛けるべきだ。
福島の放射線の影響を扱ったマンガが大きな話題となった。必死の対応を行った福島第一原発の吉田所長は癌で亡くなったが、それは放射線が原因ではない。人間には修復能力があるので、トータルでの被曝量が多くても、低線量被曝の継続には問題がない。放射線の影響で鼻血が出たなどというのは、論外だ。メディアの多くが科学的根拠や確率計算を無視した報道を行っていて、非常に問題だ。広島・長崎の原爆投下時の犠牲者の多くは、爆発時の熱によって亡くなっている。その後の放射線による影響で亡くなった人は、比較的少ない。  

吉田松陰が行ったのは ディベート教育だった

先の大戦直後の占領中にアメリカ軍が作った新聞の検閲基準であるプレスコードは、今でもマスメディアに影響を与えている。二〇〇〇年五月、神道政治連盟国会議員懇談会での当時の森首相の挨拶が、「神の国」発言として大問題になった。その場に出席していた人の話によると、挨拶が終わるなり、某通信社の記者がそそくさと出てきたという。この発言が問題になったのも、「神国日本の宣伝」を禁じたプレスコードに従ったからだ。
山口県萩市の松陰神社には、吉田松陰の私塾・松下村塾の跡が残されている。松蔭の教え方は、徹底的な対話の中にあったという。高杉晋作など教えを請うた人々も、近所から来ていて、なんら特別な人々ではない。しかし松蔭との会話で目覚め、明治維新の中核を担っていく。これこそディベート教育の真髄だろう。戦後日本が駄目になったのは、偏差値を重視する暗記教育を偏重したからだ。暗記に強い東大法学部出身者が戦後敗戦利得者として、政官財にまたがるステルス複合体と呼ばれる共同体を作り、アメリカと結託しながらこれまで日本をコントロールしてきた。これを改める必要がある。
人間を一つのモノサシで測ると、コンプレックスに際限がなくなる。東大でも経済学部よりも法学部、卒業後の進路は官庁でも大蔵省、大蔵省の中でも次官…となり、これから外れると、コンプレックスが増していく。もっと異なる能力を評価する多彩なモノサシを持つべきだ。十八歳の時の記憶力だけで左右される人生はつまらないし、そんな社会はおかしい。
アパグループの第一回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀賞を獲得した田母神俊雄氏は、現役の時はもちろん、今でも自衛官の中での人望が厚い。部下に自由にやらせて責任は自分が取るという姿勢もあるが、制服組のトップとして防衛庁の背広組にしっかりと物申していたことも、その人望の理由だ。また中国訪問時に、滔々と日本批判を続ける中国軍幹部に対して、初めてしっかりと反論を行った自衛官としても知られている。しかも性格は極めて明るい。その田母神氏は、今新しい保守政党を立ち上げるために奔走中だ。自公連立では日本は良くならない。アメリカ派でもなく中国派でもない日本派の政治家を集め、自民党の先をいく砕氷船のような保守政党を作ろうとしているのだ。維新の会やみんなの党が勢いを失う中、新しい保守政党がなければ、自民党は単独で進むタイタニック号となり、いつかは沈んでしまうことになるだろう。今の日本の希望は、保守の考えが浸透しつつある若い人々だ。彼らは新聞を読む全共闘世代とは異なり、ネット世論の中核となっている。二月の東京都知事選の時のネット調査では、田母神氏が全体の八割の支持を得たこともあった。時間が経過すれば、この層はもっと増えていくだろう。
 

中国の崩壊は時間の問題 警戒しつつ注視すべきだ

中国も若い人々の間でのインターネットの普及で、以前とは様子が変わりつつある。元々中国で共産主義を信じている人はいない。古くからの皇帝中心の統治が、共産党中心の統治に変わったという感覚だ。十三億人以上の人口があり、しかもその中に多くの民族を含む国を統治するという行為は、いわば有史以降初めての実験だ。しかし問題は、今中国がイスラム教を敵に回してしまったことだ。多くの死傷者を出した四月三十日のウルムチ駅の爆発など、新疆ウイグル自治区でのテロが激しくなってきている。ジハード的な行動が活発化してくると、中国の崩壊がどんどん近づいてくる。この崩壊課程を、いかにソフトランディングにできるかが、周辺国の関心の焦点だ。チベットやモンゴル、東トルキスタンなど自治区は、独立国家になっていくと思われる。習近平はまだ軍部を掌握していない。共産党対人民解放軍の権力闘争が行われている真っ最中だ。特に最近シャドーバンキング規制の話が出てくるのは、この闇の金融のバックにいるのが、人民解放軍だからだ。今後習近平が江沢民派を一掃し、軍部を抑えることができるかどうかに、中国の崩壊がいつになるかが掛かっている。日本は警戒しつつ、注視していかなければならない。
日本が幸福だったことは、少数民族を除いて、同じ宗教、同じ民族で、ガラパゴス的に国を成り立たせてきたことだろう。これは世界でも極めて珍しい。運にも恵まれていた。蒙古襲来の時に神風が吹かなければ、日本は元に支配されて男は皆殺しの目に合っていたかもしれない。実際、日本が戦争に勝ったことは少ない。日清戦争も日露戦争も引き分けに近い。先の大戦は完全な敗戦だった。しかし、それでも今の日本は世界第三位の経済大国としての繁栄を謳歌している。これは民族の優秀さと結束力の強さの賜物だろう。この日本の強みを将来にまで残すため、右でも左でも関係なく、過去の歴史をしっかりと学び、未来への道筋を構築していくべきだ。