日本を語るワインの会183

ワイン183二〇一八年八月十日、代表邸で恒例「日本を語るワインの会」が行われました。著書『徹底検証「森友・加計事件」 ―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪―』に関して、朝日新聞から損害賠償を求める訴訟を起こされた一般社団法人日本平和学研究所理事長の小川榮太郎氏、弁護士や法政大学大学院教授として活躍後政界入りした衆議院議員の串田誠一氏、介護福祉を学ぶ学校と声優などを養成するアートスクールを経営する学校法人中央学園理事長の宮杉早苗江氏、在日外国人向けの英語の月刊フリーペーパー「メトロポリス」を発行するジャパンパートナーシップホールディングス株式会社 代表取締役CEOのニール・バトラー氏をお迎えし、今後の政局を中心に話が盛り上がりました。
三期務めた安倍首相は
キングメーカーになる
 九月の自民党総裁選で安倍首相の三選は確実だ。問題は三年後。安倍首相の後を誰が引き継ぐのかだ。一旦女性が首相となって…ということもあるかと思えたが、なかなか難しい。この三年の間に人材が成長することを期待するしかないだろう。一番良いのは、外交や安全保障畑で仕事ができる人に限定することだ。今回出馬を表明した石破茂氏は、負けたとしてもここで出た方が三年後の総裁選で有利だと思っているようだが、それは大間違いだ。石破氏は予想以上の大敗北を喫して、政治生命すら危うくなるだろう。とはいえ、出馬を見送った岸田文雄氏に芽があるのかというと、そうでもない。石破・岸田両氏とも負け犬というイメージが定着し、三年後には出馬すらできないだろう。この三年で海外とタフなネゴシエーションができた人物を後継に指名することで、安倍首相は首相引退後、かつての森喜朗氏のようなキングメーカーになるのではないか。三選して二〇二一年に総裁から降りても、安倍首相は六十代。十分にまだまだ政界で活躍できるはずだ。
 G7の首脳の中でも、安倍首相はドイツのメルケル首相に次ぐ在任期間となっていて、首脳陣の中でも一目置かれる存在だ。アメリカのトランプ大統領も安倍首相を非常に頼りにしていて、実質的な彼の外交のアドバイザーとなっている。報道されるよりも多く、自らのスタッフにもいちいち断らずにトランプ大統領は安倍首相に電話を掛けてきて、「シンゾー、どう思う?」と相談している。
 トランプ大統領は、日本にとっては八年続いた民主党政権の後の「希望」だ。彼の政策はおかしいと批判されるが、それはおかしな民主党オバマ政権の八年間と比較しているからであって、本当は極めて真っ当なものだ。トランプ支持者は共和党にも少ないと言われていたが、実際にはそんなことはなく、今年に入って支持率は上昇傾向にある。共和党も、今やトランプ党と言ってもいいくらい、彼を支持している。今年十一月の中間選挙に勝つために、十月後半から十一月に掛けて、トランプ大統領は北朝鮮に強硬な姿勢で臨むはずで、北朝鮮危機に対する緊張が最大にまで高まったところで強硬策に打って出て解決を図り支持率を上げる。日本はこのタイミングを改憲に利用すべきだ。

北朝鮮危機をチャンスに
憲法改正を実現する
 昨年、安倍首相が憲法記念日に二〇二〇年までに憲法改正といい出したことで、一気にモリカケ問題による安倍叩きが激しくなった。今は衆参共に改憲賛成派が三分の二を占めているが、来年七月の参院選の結果次第では、三分の二を失う可能性もある。まず安倍首相が九月の総裁選で三選を決め、アメリカが中間選挙を控えて北朝鮮危機の緊張感を高める時が、憲法改正の発議のチャンスだろう。それから六カ月以内の国民投票となるわけだが、九条の会やメディアが改憲反対の総攻撃を掛けてくるのは明らかだ。必要によっては衆議院を解散して国民投票とのダブル選挙に打って出る可能性もある。
 自主憲法の制定には二段階が必要だ。まず一回目は多くの人の支持率を得られることで改正を行い、二回目で理想の憲法に持っていく。最初から第九条第二項の削除などと主張しても、公明党が付いてこない可能性が高い。日本を真っ当な国にするべきだが、理想的な改憲に固執すると、改憲のチャンスを全て失い、アメリカの属国状態が続く。まずはとにかく改憲することに意義があり、二回目の真っ当な改憲を実現してくれる人を安倍首相は後継に選ぶべきだ。
 トランプ大統領がやっていることは全て再選戦略だ。三五%程度のコアな支持層があり、そこに五%強程度の流動層が乗って、今の四〇%台の支持率になっている。残りの六〇%のうち一〇%強程度の支持を得れば、再選が確実になる。彼は聞き心地の良いことばかりを語って全ての人の支持を得ようなどとは、最初から考えていない。民主党政権が進めたグローバル化は、巨大金融資本にはメリットのあるものだが、多くの人が置き去りになっていた。トランプ大統領はそんな人々に着目した政策を行っている。前回の大統領選挙でも、負けが確定的な州は捨て、接戦州に金と活動を集中した。だから総得票数ではクリントン氏に負けながらも、選挙人の数で凌駕し、勝利することができたのだ。戦略が実業家的で合理的だ。NATO各国に対して約束通りの応分の負担として、GDPの二%を軍事費とせよと迫るのも、過去の大統領らしくはない発言だが、理屈には合っている。日本の防衛費が、基準としている一%をも切っているというのはおかしい。もっと予算を増やし、憲法を改正して、抑止力としての攻撃力を高めるべきだ。軍事用語に専守防衛などという言葉はない。

イデオロギーに拘泥して
非合理を積み重ねる日本
 合理的なトランプ大統領の主張は、安倍首相にとっては追い風になるものばかりだ。日本の悪いところは、イデオロギーに捉らわれて、非合理的なことばかりを積み上げていることだ。トランプ大統領は日米同盟が合理的になることを望んでいる。安倍首相が本音で語るとメディアが叩くので、まずはトランプ大統領に強引な主張をさせて、それに追随する方が結局は日本のためということが多い。
 新聞がテレビを支配して握っている言論空間での論調と、インターネットでの人々の論調は正反対だ。各メディアが行っている世論調査も、RDDと呼ばれる方式で、無作為抽出の番号に電話を掛けて行われる。最近は携帯電話にも掛けているとはいえ、こんな調査に応える人は、それなりの年齢になっている人であり、偏っている。今やどんな人でも世界に向けて自分の意見を発信できるようになった。トランプ大統領もツイッターがあるから、あれだけ直接人々に好きなことが言えるのだ。
 日本は海外の人も認める、治安が良くて、歴史があり自然もある素晴らしい国だが、そのことを海外に発信するのが非常に下手だ。ニール・バトラー氏の「メトロポリス」は毎月三万部発行の外国人向けのフリーペーパーだ。成田空港や外国人が居住するマンションなど、東京を中心とした五十箇所で配布されていて、英語で日本の素晴らしさを伝えている。
 訪日外国人旅行客の増加もあって、東京のホテルの部屋数が不足してきている。宿泊施設の不足を補う民泊の解禁として、今年六月から導入されたはずの民泊新法だが、手続きの煩雑さもあって、結局はヤミ民泊の撲滅に貢献することになり、逆にホテルの稼働率が上がっている状態だ。

日本で事業が成功すると
必ず中国に おもね るようになる
 アパホテルは二〇二〇年に十万室の目標に向かって邁進中。国内最大級の二三一一室を擁するアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉も、来年秋の開業を目指して現在建設中だ。このように都心のホテルは建設して会社で保有しているが、地方のホテルは買収して保有するものも多い。さらにアパホテルを冠しながらも別にオーナーがいるフランチャイズや、ホテル名は元のままでアパカード会員のポイントシステムを共有するパートナーホテルがある。アパホテルでは、パートナーホテルがフランチャイズになれるよう、綿密なサポートを行っている。六本木が特に顕著だが、首都圏のアパホテルはドミナント戦略で同一地域に集中して出店している。これは人材育成にも効果を発揮していて、複数のホテルの先輩から指導を受けることができるため、新入社員の成長が早い。早い人は入社して五年目で支配人になる。今年アパグループには二百七十人の新卒社員が入社したが、来年は新卒を三百二十人採用する予定だ。
 QVCジャパンのテレビショッピングにホテル社長が出演、アパ社長カレーを二十四時間で二十一万五千食販売、売上が六千六百万円に達した。金沢カレーの流れを汲む、具をしっかり煮込んだカレーは、食べた人の九九・三%が美味しいと言うほどの逸品。アパホテル〈飯田橋駅南〉、アパホテル〈御堂筋本町駅東〉、アパホテル〈広島駅前〉にあるアパ社長カレー専門店でも味わうことができる。
 代表が主催する勝兵塾には、これまで延べ一万五〜六千人の人々が参加して、自らの意見を述べあった。この月刊Apple Townも毎月九万部発行、影響力のある人々に読まれている。また最優秀賞賞金五百万円の「真の近現代史観」懸賞論文や新設した賞金一千万円の「アパ日本再興大賞」などで、さらに多くの人々に本当の歴史の大切さを伝えている。こういうことをこれまで誰もやらなかった。成功した人ほどリスクを取らない。成功した企業の多くは中国に生産拠点があるか、中国を市場としている。だから中国に対しても無難なことしか言えない。しかしアパホテルはそれらの企業とは異なり、昨年の書籍問題の時にも中国に対して毅然とした態度をとった。その結果、全宿泊客の中で五%を占めていた中国人客はいなくなったが、逆に多くの日本人が応援宿泊と称して宿泊してくれて、その穴を完全に埋めた。また二万通以上の「がんばれ」という激励メールが来た。
 アパホテルに来る訪日外国人旅行客は、今ではヨーロッパや北米、あとタイからの人々が増えている。中国本土からはアパホテルの予約ができないが、日本に来れば予約することができる。それもあって中国人客も再び増加してきている。代表は、書籍問題のような騒動の後は、事件の記憶は薄れるがアパホテルの名前だけが頭に残り、しばらくすると予約は増えるはずと予想していたが、その通りになってきている。中国人で日本に旅行に来るのは、都市戸籍の四億人の内、共産党員八千万人を中心とする富裕層の六~七千万人の人々だ。しかし中国の人口・十三億七千万人の内、九億四千万人は農村戸籍であり、この人々の暮らしぶりは昔とさほど変わらない。中国の支配方式はデバイドアンドコンカー、すなわち分割統治だ。この実態を理解するためには、実際に現地に行ってみるしかない。