日本を語るワインの会194

ワイン194二〇一九年七月十二日、代表邸で恒例「日本を語るワインの会」が行われました。第四次安倍改造内閣唯一の女性閣僚として奮闘する参議院議員の片山さつき氏、日本地図を作ったことで知られる伊能忠敬の玄孫にあたる外交評論家の加瀬英明氏、最近は婚姻人口を増やす活動も手掛ける株式会社ユミカツラインターナショナルの桂由美氏、人々を結びつける新しいITサービス「Peekmeup」の会社をシンガポールに設立したクロード・パトリック氏、アイヌ民族の血を引く父とポーランド人の母とのハーフである深月ユリア氏をお迎えし、外交から内政まで今の日本について語り合いました。
ハーモニーは意図的だが
和は自然と成立する
 御代替わりの緊張感は、自民党政権じゃないと耐えられなかった。「令和」という新元号も一切事前に漏れなかった。新元号は四月一日の「元号に関する懇談会」と「全閣僚会議」を経て閣議によって決定した。閣僚会議では自由発言で討議が行われたが、最初は令和を推す人は少なかった。しかし漢字の見た目だけではなく、「れいわ」という音が良いという意見に、次第に令和を推す人が増えたという。発表後も「令」は命令を想像させると批判する人もいたが、それは日本語の多義性を無視する解釈だ。また「和」をハーモニーと英訳する人もいたが、これも違う。ハーモニーは意図的に合わせようという概念だが、和は申し合わせがなくとも成立する極めて日本的な概念だ。
 日本の戦後は富岡八幡宮から始まった。一九四五(昭和二十)年三月十日の東京大空襲の後、昭和天皇はその焼け跡の視察をご希望になり、空襲の少ない日曜日の朝に一時間で往復できる場所として、三月十三日に富岡八幡宮に訪れることになった。神殿が焼け落ち、大鳥居も破壊された様子や周囲の焼け野原を見、内務大臣の説明を聞いた昭和天皇は、ここで終戦の決断をされたに違いない。しかも富岡八幡宮の例大祭は毎年八月十五日だ。この所以から三月十七日、富岡八幡宮に「昭和天皇 救国の御決断」の石碑が建てられた。
「かが」と「ワスプ」の由来を
米大統領は理解していた
 
アメリカの来年の大統領選挙、民主党の候補としては、オバマ大統領の副大統領だったバイデン氏が有力だ。彼の出身はデラウェア州だが、この州は全米で一番人口が少なく、カリフォルニア州との人口差は百倍にも及ぶ。こんな小さな州出身の人が大統領になっていいのかという疑問が湧き起こるが、アメリカの場合、州は人口の多寡に関わらず平等で、上院議員の議席数も平等に二議席だ。日本の都道府県とアメリカの州では、その位置付けが全く異なる。
 片山大臣は、トランプ大統領が五月に令和初の国賓として来日したときに地域活性と規制改革を担当していると話したところ、大統領は規制改革に敏感に反応した。この感覚は敏腕ビジネスマンならではだ。トランプ大統領は規制改革が大好きで、連邦の規制撤廃をかなり実行している。大統領はいかにも成功したオーナー経営者という雰囲気で、スタッフへの要求水準も非常に高い。こういうタイプに慣れていれば大丈夫だが、そうではないアメリカの閣僚や官僚は厳しいだろう。トランプ大統領は日本にとって非常に良い大統領なのだが、それが理解できていない日本人が多い。
 アメリカ大統領は再選のためなら大抵のことは行う。ルーズベルト大統領も大恐慌を克服して再選をするために、日本を挑発して真珠湾攻撃を行うように仕向けた。「リメンバー・パールハーバー」と国民を戦争へ煽るのは、「リメンバー・アラモ」や「リメンバー・メイン」同様、アメリカがよく使う手段だ。アメリカが行う国外での戦争で兵士は死ぬが、軍需産業は潤うというのがアメリカの戦争パターンだ。
 訪日したトランプ大統領は、旧帝国海軍の定めた海軍記念日の翌日となる五月二十八日に海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察、その後アメリカ軍の強襲揚陸艦「ワスプ」で訓示を行った。「かが」がその名前を受け継いだ空母「加賀」は真珠湾攻撃にも参加、翌一九四二年のミッドウェー海戦で沈没した。一方先の大戦ではワスプの艦名も空母に名付けられていたが、この艦も一九四二年に日本の潜水艦・伊一九の雷撃を受け沈没した。トランプ大統領は間違いなく「かが」と「ワスプ」の名の由来を知っているのだが、日本のメディアは全くこのことを報じなかった。日本が先の大戦を戦ったことで世界から植民地が無くなり、人種平等が達成された。日本は戦闘には負けたけれども、戦争をしたことで果たした役割は大きい。
自衛隊高齢化を防ぐため
憲法の改正が急がれる
 一九四九年共産党による中華人民共和国が建国され、国民党の蒋介石は台湾に逃れた。しかし兵を全員連れて行くことはできず、取り残された国民党兵士が不穏分子となることを恐れた毛沢東は、朝鮮戦争に参戦、元国民党兵士を最前線に送り込んで多くの戦死者を出した。しかし副作用として、中国軍司令官・彭徳懐の通訳となっていた毛沢東の長男、毛岸英がアメリカ軍の爆撃で死ぬこととなった。このため中国は、北朝鮮のような世襲の毛帝国となることはなかった。今、習近平主席が五年二期十年の任期を撤廃して周帝国を築こうとしているが、党長老の抵抗もあり本当に十年以上主席の座に留まれるかは、予断を許さない。
 ベトナムへの投資セミナーが人気だ。リゾート開発も進んでいて、元軍人のディベロッパーが、元南ベトナムの基地だった場所を取得、そこに海岸線だけでも三・五キロメートルに及ぶリゾートを建設している。中国でもベトナムでもビジネスを行うには賄賂が必要だと言われている。中国ではその場その場で金額が変わるが、ベトナムは賄賂もシステマチックなところが面白い。ベトナムはトップ四人による集団統治体制だが、チャン・ダイ・クアン主席は昨年来日後に死去、グエン・フー・チョンが党書記長と主席を兼任する三人体制となって、従来の原則が崩れている。その理由は謎だ。
 自衛隊を憲法に明記する大きな理由の一つは、今の若い応募者が減少している状況を打開するためだ。実際自衛隊は非常に高齢化が進んだ軍隊となっている。旧陸軍の中隊長の平均年齢は二十八〜二十九歳だったが、今は四十代後半だ。これでは短い戦闘には耐えられるが、長時間戦闘となると体力が持たない。現在は募集を従来の二十八歳上限から三十二歳に引き上げたり、体重制限を外したりと門戸を拡大している。女性自衛官を増やす動きも活発だ。これらを改憲で後押しする必要がある。
迅速な規制緩和によって
日本の技術はもっと磨ける
 地方創生には中山間地域、有人離島への考え方を改める必要がある。例えばバスの停留所からさらに登る山間地の上下水道も完備した農家の人が、八十を越えてもそこで暮らしたいと思うのは当然だ。これまでは彼らを住みたくもない平地に転居させることを推進してきたが、それは地域のコミュニティを破壊することになる。中山間地域や有人離島の人々を、科学技術の革新によって、低コストでそのまま住まわせてあげることを目指すべき。そのためには遠隔医療、遠隔教育、遠隔介護が重要になる。日本には素晴らしい技術を持った企業がごまんとあるが、日本は規制が厳しいために実験ができない。また慎重な国民性もあり、そもそも中国にはマインドで負けている。これからは高速通信の五Gの時代になり、遠隔操作での手術も可能になる。これらに対応したハイレベルな科学技術の世界を築き上げれば、日本は無敵だ。そのためにも、もっと「アジャイル」な規制緩和が求められているだろう。
 日本のクリスチャンは人口の一・五%なのに、結婚式の五五%がキリスト教式で行われている。二五%が宗教に関係のない人前式、一八%が神社という割合だ。これはホテルなど会場に結婚式場ができていることが大きい。もっと神社での結婚式を盛り上げていくべき。また式や披露宴を質素に行う「地味婚」や、そもそも式を行わない「ナシ婚」も増えている。であればもっと結婚記念日を祝うべき。六〇年のダイヤモンド婚式でウェディングドレスを着用してもいいのではないか。
 年を取ってから始める武道は空手が一番だ。柔道は投げられるので危険だし、剣道は用具に金が掛かる。空手は一回型を覚えれば一人でもできるし、服装も自由で道着も必要ない。