社会時評エッセイ

「理論 近現代史学」 の勧め

藤 誠志

数々の歴史の「事実」を論理的に検証していく

アメリカが戦後日本統治の為に始めたWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)(戦争に対する罪の意識を日本人に植え付ける計画)の毒がどんどん効いてきて、今や全身に及び、(本当のことはわかっているのに)科学的根拠にも統計学的確率計算にも基づかない根拠なき理論を弄び、絶えず日本にとってマイナスになるように立ち回り、画策する自虐的日本人(=反日日本人)の存在、特に反日メディアが、今日の韓国や中国、そしてアメリカまでをも反日的にしてきた。
「理論物理学」という学問がある。実験や観察の結果を論理的に分析し、理論化していくという分野だ。私はこれまで世界八十一カ国を巡って各国の指導者など有力者とディベートを行い、このApple Townに社会時評エッセイを二十三年間に亘って執筆し続けてきた。そして二〇〇八年に「真の近現代史観」懸賞論文制度を創設し、二〇一一年には勝兵塾を立ち上げ、常に真実を科学的かつ論理的に追求する場を提供してきた。それらの場で私は近現代史の歴史認識を数多く取り上げてきたが、定説に捉われず、新しい情報と時代背景を踏まえた歴史観を醸成することで真実を追求してきた。その一環として、「理論物理学」に倣って「理論近現代史学」を提唱する本を私は今執筆している。「理論近現代史学」とは「理論物理学」と同じように、過去から伝えられているものから最近判明したものまで、数々の歴史の「事実」を集め、それらが論理的にあり得るかどうかを冷静に検証していくことだ。本のまえがきで私は十の史実を挙げて具体的に論じている。私の主張のさわりを以下に綴っておく。
一九二八年六月四日に起こった張作霖爆殺事件は、直後から関東軍の河本大作大佐の犯行とされていて、日本の中国侵略の起点という見方が定説だ。当時撮影された爆破現場の写真を見てみると、客車の天井が大きく破壊されていることから、客車内で爆発があったとしか考えられない。しかし河本大佐は京奉線と満鉄線がクロスする地点の橋脚を爆破したと証言していて、事実と大きく食い違っている。科学的に考察すれば、絶対に河本大佐の犯行という結論には至らないのだが、未だに歴史家は定説を変えようとしない。
所謂南京大虐殺では、中国は日本軍によって三十万人の民間人が虐殺されたと主張しているが、そもそも当時の南京市の人口は二十万人であり、日本軍の南京入城一カ月後の調査では、人口が二十五万人に増えていたという。論理的に考えれば、「虐殺などなかった」としか考えられないだろう。日本軍が朝鮮半島から二十万人の女性を従軍慰安婦として強制連行したと韓国は主張するが、ではその際に「朝鮮の男性は誰も抗議をしなかった」のだろうか? 暴動や抗議の記録は一切存在しない。一方、二〇一五年三月三十日付の産経新聞には、ベトナム戦争時、韓国がサイゴン(今のホーチミン)に慰安所を作り、ベトナム人女性を慰安婦としていたことがアメリカの公文書館で発見され明らかになったという記事が掲載されている。  真珠湾攻撃について、アメリカのルーズベルト大統領は先に情報を掴んでおり、航空母艦と新鋭艦は演習を行うという名目で真珠湾から離脱させていた。日曜日にも拘らず定員を越える将兵が乗り組まされた戦艦アリゾナは、「弾薬庫の誘爆」が原因で沈没した。真珠湾攻撃での犠牲者二千四百人の半分の千二百人が、アリゾナ一艦で亡くなったのだ。通常航空機からの爆撃程度では船底にある弾薬庫は誘爆しない。アメリカは戦艦メイン号を自らの手で爆発させて沈めながら、「リメンバー・ザ・メイン」の合言葉で国民の対スペイン戦への戦意を盛り上げ、スペインと戦争を始めてグアムやフィリピンを奪った。これと同じことを、アメリカは真珠湾でも繰り返したのだ。
 

GHQによる日本人洗脳はプレスコードからも明らか

広島・長崎への原爆投下の意思決定に大きく関与したのは、当時のアメリカの国務長官だったジェームズ・F・バーンズだ。政治力のあるバーンズは、陸軍長官のヘンリー・スティムソン、海軍長官のジェームズ・フォレスタルら全ての軍の最高幹部の「無警告の原爆投下」に対する反対を退け、ルーズベルトの急逝後大統領となって初めて原爆開発の事実を知ったトルーマンに、ソ連による世界赤化を食い止めるためには原爆投下しかないと働きかけて実行した。第三次世界大戦が勃発せずに冷戦となったのは、このバーンズの冷徹な判断によるものだ。
無警告の原爆投下を行いながらもアメリカが良い国であり続け、日本人に、原爆投下に対して復讐心を抱かせないようにするために、冒頭に書いたように、戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は徹底的に日本人を洗脳した。全ての責任は非道な侵略戦争を行った軍国主義者にあり、アメリカはその軍国主義者から国民を解放した正義の味方であるという考えを、日本人に徹底的に刷り込んだのだ。この洗脳のためにGHQが行ったのが、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)であり、これに基づき原爆に関する調査や記録映画の作成、報道などが禁じられた。占領直後の九月十八日に朝日新聞が、「原爆は国際法違反の戦争犯罪である」という鳩山一郎の談話を掲載したことに対して、GHQは朝日新聞に発行停止二日間の処分を下した。翌九月十九日には三十項目に亘るプレスコード(新聞編集綱領)を発令し、言論の自由を保障する憲法に反し、密かに日本の歴史上類を見ない言論弾圧を続けてきたのだ。このプレスコードの一番目は連合国最高司令官もしくは総司令部に対する批判の禁止であり、二番目は極東国際軍事裁判批判、三番目はGHQが憲法を起草したことに対する批判の禁止だった。これは後に起案される憲法をGHQが起草したとの批判を禁止したのだ。二〇〇四年の龍川駅列車爆破事件は中国軍事委員会主席の江沢民が核開発を進める北朝鮮の金正日を爆殺しようとした暗殺未遂事件だ。核開発を放棄すれば金王朝は持たないと判断した後継者金正日は、1994年に元米大統領ジミー・カーターとの会談で大量の石油と軽水炉を無償供与することと引き換えに、核開発を断念した父の金日成を排除して自ら権力を握り、秘かに核開発を続けていたのだ。これが江沢民が金正日を暗殺しようとした最も大きな動機だ。恐らく、北朝鮮軍の一部が中国軍諜報部の指示と協力とによって、本線沿いの支線の地盤改良工事と称して、一列車全てを爆破するための八百トンにも及ぶTNT(軍事用高性能爆薬)を土嚢に見せかけて支線の地下に埋めたのだろう。
以前から日本固有の領土で、一九五二年に発効したサンフランシスコ講和条約でも日本の領有が認められていた竹島だが、条約の署名から発効するまでの七カ月の間に、韓国大統領の李承晩は「竹島を組み込む李承晩ライン」を宣言して竹島の領有を主張、近づく日本漁船を銃撃したり、拿捕したりしていて、一九五三年四月に韓国の独島守備義勇隊が竹島に進駐したが、これは武力侵攻に他ならない。以来竹島の軍事占拠は続いている。かつて日本人が居住して、鰹節の製造工場もあり、日本の民間人が所有していて、明らかに日本領である尖閣諸島は一九七一年になって中国が自国領だと主張し始めたが、それは一九六九年の国連の機関であるECAFEの調査で、石油など海洋資源が豊富だと判明したからだ。
そして最後に触れているのは、戦争を望む軍需産業のことだ。「軍国主義=悪」のアメリカによる洗脳のせいか、日本では軍人が戦争を望むと思われている。しかしどの国でも戦争を回避しようとするのは、まず有事で前線に立つ軍人であり、次に彼ら彼女らの家族でもある一般の国民だ。戦争が絶えないのは、軍需産業が戦争を望むからだ。一説によれば、ベトナム戦争を望む軍需産業がケネディ大統領を暗殺し、自分達の意に沿うジョンソンを大統領に昇格させたと言われている。このように「理論近現代史学」では、様々な歴史の例を挙げて、私の論理的な考察を述べている。
 

絶対安全を求める福井地裁の判断は不当だ

四月十五日の新聞各紙の一面は、福井地裁が高浜原発再稼働差し止めの仮処分を出したことで占められていた。読売新聞の記事はこうだ。「福井地裁は一四日、運転を停止している関西電力高浜原子力発電所三、四号機(福井県高浜町)の再稼働の差し止めを関電に命じる仮処分を決定した。樋口英明裁判長は『原子力規制委員会が策定した新規制基準は緩やかにすぎて合理性を欠き、適合しても安全性は確保されていない』とし、福井など四府県の住民九人の申し立てを認めた。再稼働を含め、原発の運転を差し止める仮処分決定は初めて。関電は決定を不服として同地裁に異議や執行停止を申し立てる」「仮処分決定は訴訟の判決と異なり、切迫した危険を止めるため直ちに効力が生じる。高浜三、四号機は二月、東京電力福島第一原発事故を受けて施行された新規制基準を満たすとし、原子力規制委員会の安全審査に全国二例目で合格した。関電は十一月までの再稼働を目指すが、今後の司法手続きで判断が変わるまで運転を再開できない」「決定は、二〇〇五年以降の地震のうち全国四原発で五回、想定の地震動を超えたことを重視し、『高浜の想定だけが信頼に値する根拠はない』と指摘した」という。
読売新聞の場合、三面には「科学的知見を否定」「『絶対安全 結論ありき』識者批判」という見出しの後に、今回の仮処分を批判する以下のような記事が続く。「新規制基準は福島第一原発事故を教訓に重大事故や地震、津波の対策を大幅に強化しており、策定した規制委は『世界一厳しい』(田中俊一委員長)と自負する。高浜三、四号機については一年七カ月で延べ約七〇回の安全審査を経て、今年二月に『合格』とした。これに対し、樋口裁判長は、昨年十二月の仮処分申請から今年三月まで二回で審尋を終結。関電が求めた専門家による意見書提出も認めなかった。決定では、同じく樋口裁判長が、関電大飯原発三、四号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じた昨年五月の判決同様、独自の論理構成で、原発に絶対の安全を求める『ゼロリスク』の姿勢が示されたが、それに対する批判は数多い。元東京高裁判事で中央大法科大学院の升田純教授(民事法)は、『どんな地震がいつ原発を襲うか分からないとの不安感から、絶対安全を求めるという結論が最初にありきの決定。裁判官は原発の専門家ではなく、科学的な知見に謙虚に向き合う必要があるが、そのような姿勢があったか疑問だ』と指摘する」。
この世に絶対ということはなく、確かに福島第一原発では事故が起きた。しかし千年に一度という規模の東日本大震災の揺れに原発は耐えたにも拘らず、その後の津波で電気系統が浸水、全ての電源を失い原子炉の冷却ができなくなったのが事故の原因だ。高温となり燃料棒を覆うジルコニウムが水と反応して水素が発生、これらが配管や容器の破損箇所を通って建屋に漏れ出して水素爆発を起こしたのであり、原子炉自体が爆発したチェルノブイリの事故とは全く異なる。また民主党政権の事故対応の拙さが事態をさらに悪化させた。年間累積一〇〇ミリシーベルト以下の放射線被曝で、ガンの発生の確率が増えた例はないと医学的に分かっているにも拘わらず、日本の平均自然放射線値一・四ミリシーベルトを一ミリシーベルト超えるところは除染すると決定し、除染基準を世界の平均自然放射線値二・四ミリシーベルト以下にしてしまった。
危険手当も付き報酬が良い大規模な除染作業に多くの東北の人々が従事することで、出稼ぎ労働者が首都圏に来なくなり、建設業を中心に非常な人手不足に陥っている。その結果、工期遅れや建設費高騰が発生していてその損害額は天文学的だ。
 

科学的根拠に基づかない低すぎる基準と同様に事実に基づかない近現代史

民主党政権のもう一つの失敗は、風向きを考えず、同心円状に避難地域を定めたことだ。風上から風下側に避難して、逆に多くの線量を浴びた人もいる。そして科学的根拠に基づかない年間積算線量が二〇ミリシーベルト以上になる地域が対象だという非常に厳しい基準によって強制的に避難させたことで、三千人を越える人々が「震災関連死」で亡くなっている。この人々は避難しなければ、死ななかったのだ。一方放射線被曝で亡くなった人は一人もいない。地球上の全てに太陽の恵みとも言える自然放射能があるのに放射線量ゼロが一番良く、少しでもあれば駄目だという考え方には科学的根拠は全くない。イランのラムサールのように、年間四〇〇ミリシーベルトも自然放射線で被曝する地域もあるが、人々はこの地域で一生暮らし、子どもを産み、健康に暮らしている。飛行機のパイロットや宇宙飛行士もかなりの被曝をするし、レントゲンやCTスキャンでも放射線を浴びる。またラジウム温泉やラドン温泉に行く人もいる。これらを総合して考えると、一ミリシーベルトでの除染や二〇ミリシーベルトでの強制避難には科学的根拠は全くなく、統計学的確率計算にも基づかず、あまりにも非論理的だ。
基準は厳しければ厳しいほど良いという態度もおかしい。水に対する放射能基準は、日本では一リットルあたり十ベクレルだが、アメリカでは千二百ベクレル、ヨーロッパでは千ベクレルだ。基準を超える放射能を含む水が日本では「高濃度汚染水」と呼ばれているが、欧米ではそれでコーヒーを飲んでいる。科学的根拠に基づかず、感情的にただ厳しければ良いという姿勢は、歴史認識にも当てはまる。侵略をした日本は、自虐的であればあるほど良いという考えだ。放射能基準に明確な根拠が必要なのと同様に、歴史の検証にも明確な根拠が必要だ。
この自虐的な姿勢を続けていると、日本が大変な努力をして築いてきた国富が、国際情報謀略戦で奪われてしまう。全ての原発の運転を停止させている今、欧米の石油メジャーに支払う発電用の燃料費は毎年三?四兆円増え、それが電力料金の値上げで国民の負担となっている。原油価格の下落によって、円安にも拘らず燃料費の増加はまだ抑えられているが、これは日本から原発を取り上げるための謀略戦だと言える。生産調整が進み、アメリカがシェールオイルの生産を減らせば石油価格は一気に上昇し、更に多くの日本の富が国外に流出することになるだろう。東日本大震災の前は日本の電力は二五%を原発に依存していた。これが今やゼロとなっている。全面的に石油や天然ガスなどの輸入にエネルギー源を依存するのは、安全保障上も極めて危険だ。
歴史の真実を追求し、根拠なき批判にはしっかりと反論する姿勢が今求められている。時が経過すればいずれ真実が明らかになることを待っていては駄目なのだ。特に、明らかに嘘を根拠に日本を貶めている勢力が国内外に存在している今の状況では、より正しい歴史への向き合い方が重要だ。正しいことを見極め、謀略戦に乗せられない。そういう教育やメディアの報道が行われないと、国民の多くは真実を知らずに自虐化してしまう。私が主宰する東京、大阪、金沢の三拠点に広がった勝兵塾では、これまでに述べ約一万人の人々にこういった私の考え方を披瀝してきた。そして今回さらに多くの人に伝えるべく、新しく書き起こした文章に過去一年の本稿を加えた『理論近現代史学』というタイトルの本を出版し、六月に出版記念パーティーを行う。ぜひ一人でも多くの人達にこの本を読んで欲しい。
 

2015年4月21日(火)23時00分校了