社会時評エッセイ

世界は昔も今も
情報謀略戦を闘っている

藤 誠志

事業と言論活動について
出版発表会でスピーチ

 去る六月二日に明治記念館での、「本当の日本の歴史『理論 近現代史学Ⅲ&増補版』出版記念並びに代表バースデーイブの会」に各国大使等、二十三カ国三十一名の大使館関係者や三十六名の国会議員から出席のご返信をいただく中、千三百名を超える方々にお集まりいただき、盛大に同パーティーを開催した。そのパーティーに先立ってメディア向けに行った出版発表会の冒頭の挨拶で、私は次のように語った。
 ******アパグループの事業活動は絶好調で、建築・設計中やフランチャイズ・パートナーを含めて、アパホテルネットワークは現在四百二十五棟七万五五九室となった。東京だけでも七十二棟一万七四二二室となり、土地の価格が急上昇している中、今これだけの土地を仕込むのは難しく、絶妙のタイミングで土地を仕込み、順調に事業が進んでいる。
 二〇一〇年からスタートした頂上戦略(中期事業計画)「SUMMIT5」では、リーマンショックにより、地価が大暴落した最安値と言っても良いときに、これらの土地を全て購入時にキャッシュで買うことができた。二〇一五年からの第二次頂上戦略「SUMMIT5‐Ⅱ」開始以降は、都心のみならず地方中核都市にも進出し、大阪、名古屋、京都、広島、福島にホテル計画を進めた。都心で集中してホテルを建設する計画は大成功であり、そのほとんど全てのホテルの月間稼働率は一〇〇%を維持している。一般には二〇階建て以上の建物をタワー型と呼ぶ。アパホテルではこのタワーホテルだけでも十一棟あり、五棟が運営中、六棟一万二一〇五室が設計・建設中となっている。タワーホテルの中には、ホテル単体の建築物としては日本最高層のアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉や、二〇一九年秋にオープン予定の、国内最大級、二三一一室を擁する三五階建て地下二階のアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉がある。特に力を入れているエリアは、日本最大の歓楽街・歌舞伎町と世界一の乗降客数を誇るJR新宿駅があり、アジアからの観光客が多く訪れる新宿エリアと、アパの六本木ホテル群を建設しようとしている、欧米系の観光客が多い六本木エリアだ。また二〇一九年二月中旬オープン予定なのが、首相官邸前に建設される、アパのランドマークホテルとなるアパホテル〈国会議事堂前駅前〉だ。
 言論活動としては、一九九〇年四月に月刊Apple Townを創刊、その一年後にスタートした企画「BIG TALK」では、これまでに内外の三百十二人の要人と対談を行ってきた。さらに一九九二年十二月からペンネーム藤誠志で綴ってきた「エッセイ」は二百九十八回に及ぶ。二〇〇八年からは「真の近現代史観」懸賞論文制度を作り、募集を開始した。勝兵塾は二〇一一年にスタート。現在は東京、大阪、金沢で毎月開催されており、これまでの参加者は延べ一万三千人を超える。私と他の講師の話は毎月YouTubeにもアップされていて、多くの人が視聴している。
 日本は冷戦漁夫の利で高度経済成長を満喫してきたが、冷戦終結によってこの構造は崩れた。冷戦後、各国の諜報機関は生き残りを懸けて産業スパイと化し、彼らの活動によって、日本の海外での事業の多くが失敗に終わり、経済の縮小を余儀なくされるようになり、追い込まれて疲弊して今日に至っている。この状況を打破するため、日本の近現代史の真実を多くの人々に伝え、日本の誇りを取り戻さなければならないと考え、二〇〇八年に『報道されない近現代史』を著し、その中でかなり大胆な切り口で真実の歴史を見る眼を読者に提供した。
 例えば北朝鮮の金日成・金正日親子の確執だ。折しも大飢饉に見舞われ、国際援助を引き出すために、カーター元大統領が仲介者となった米朝枠組み合意を結び、核兵器開発を凍結する代わりに、提供される核拡散の恐れが少ない軽水炉への転換を図り、毎年重油五十万トンの供給も受けるという条件で、核開発を断念した父金日成を排除して、金正日は合意直後から密かに核兵器開発を継続し、完成間近になった二〇〇三年にはNPT脱退を宣言した。これに危機感を覚えた中国の江沢民は金正日に訪中を命じ、核を断念させようと説得したのだが、金正日が同意しなかった為、訪中の帰途に爆殺することを計画し、二〇〇四年四月、龍川駅の本線沿いの支線の地下深くにかねてから準備をして仕掛けていた、高性能爆薬TNT八百トンを使って一列車全てを破壊する列車大爆発事件を引き起こした可能性が非常に高い。
 北朝鮮は地政学的に見てもロシアと中国、アメリカにとっての緩衝エリアであり、金正日の暗殺を望んでいない、アメリカかロシアの情報リークで辛くも金正日は難を逃れたが、出迎えに集まっていた小学生を含む二百人近くが死亡、千数百人の負傷者を出した。そして二〇〇五年、金正日は核兵器の保有を宣言、二〇〇六年に初めての地下核実験を行った。理解していない人が多いが、北朝鮮の核は常に金体制を護る為の中国に対するものである。……
 ―このような内容を盛り込んだ『報道されない近現代史』を上梓したが、メディアはこれを全く無視した。そこで、それでは真の近現代史を世に問うてみようと「真の近現代史観」懸賞論文制度を創設したところ、現職航空幕僚長の田母神俊雄氏が応募してきて最優秀藤誠志賞に選ばれ、多くのメディアからは同氏がその立場で日本政府の公式見解とは違う論文を発表した事で批判され、降格、退職へと追い込まれた。その後に田母神騒動と言っても良い、嵐のような田母神氏支持の動きが起こって世に知られるようになり、第二回の最優秀藤誠志賞は、今論客として大活躍中の竹田恒泰氏が受賞、世間にすっかり定着した。この懸賞論文制度は今年で第十回目を迎え、最優秀の賞金も今年から三百万円から五百万円へと増額した。この間の九年で日本には保守化傾向が広がり、特攻隊の心情を伝える映画「永遠の0」が絶賛され、大ヒット作品となり、靖国神社参拝に若い女性が溢れる大ブームを起こし、第二次安倍政権の誕生へと繋がっていった。しかし先の大戦直後にアメリカ占領軍が制定した新聞編集綱領=「プレスコード」は今でもメディアを拘束していて、私が産経新聞に広告として掲載した以外、メディアでプレスコードの全文が報道されたことはない。第七回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀藤誠志賞受賞の杉田水脈衆議院議員が二〇一四年に国会でその事について質問したところ、外務省大臣官房参事官が「サンフランシスコ講和条約の発効に伴って失効している」と答弁したが、「プレスコード」は今でも朝日新聞を中心に全ての大手新聞社によって自主規制として守り続けている。その「プレスコード」に対抗するために、私は言論活動を続けてきたのだ。

いよいよ憲法改正の発議を

 二〇一五年の参議院選挙で、衆参共に改憲勢力が三分の二を越えた。このタイミングで憲法改正を発議できなければ、再び改憲のチャンスが訪れることはない。五月の憲法記念日のタイミングで安倍首相が言い出した憲法第九条の一項と二項を残して第三項を加える所謂「加憲」は、妙案かもしれない。一気に自主独立の憲法に変えることには、多くの賛同は得にくい。公明党も改憲は認めず加憲なら認めるという立場だ。第三項の加憲は発議のための支持を得やすい案だ。しかし従来のポジティブリストでしか動けない警察同様の自衛隊ではなく、ネガティブリストで運用できる自衛隊にするためには、「自衛のための戦力の保持を認め、自衛のための交戦権も認める」と、自衛隊の位置付けを第三項に明確に書かなければ改憲の意味がない。この条件をクリアした九条の改憲を二〇二〇年までに行なえるよう是非支援したい。
 書籍問題で中国に大宣伝をしてもらったお陰で、一月以降二月、三月、四月、そして五月も、アパホテルは最高売上と最高稼働率を更新し続けている。私の中国在住の友人は「アパホテルは世界的に有名になり、中国で一番知られている日本人は安倍首相とあなただ。」と語った。今や中国人がいないホテルとしてアパホテルは有名になり、中国人に間違えられたくない台湾人にも大人気だ。また二万を超える多くの日本人からメールやFAXでアパや私への支援を表明して頂き、さらに応援宿泊までして頂いている。日本の景気も世界の景気も上向きで、世界中の株の時価総額が最高値を付ける勢いだ。この良い環境の中で経済活動も言論活動も、より活発に、「二兎追うものは二兎共得る」の精神でこれからも進んでいく。******

誤った情報に基づいた
ロイターの捏造報道

 六月二日の出版記念パーティーに先立っての記者発表の後に、質疑応答の時間を設けた。最初に産経新聞の記者から六周年を迎えた勝兵塾の今後の展望を聞かれ、今後さらに影響力を増し、憲法改正への道筋を付けていきたいと答えた。さらに二〇一八年六月には国会で発議を行い、その後衆議院解散を行い、総選挙と国民投票を同時に行うのが良いのではないかと付け加えた。
 二人目の質問者はロイター通信の女性記者だった。聞かれたのは、「書籍問題が理由で今年二月の冬季アジア札幌大会では札幌のアパホテルから書籍を撤去したと思うが、二〇二〇年の東京オリンピックでも同じ問題が起きる可能性がある。どう対応するのか」ということだった。まず私は、記者の質問の誤りを訂正した。アパホテル&リゾート〈札幌〉は、冬季アジア大会期間中、組織委員会の全館借り上げとなっていた。昨年から決められていたこの借り上げ契約の条件に、情報物を全て撤去することが入っていたので、それに従ったまでであり、書籍報道による抗議で撤去したのではないと伝えた。続けて私は、言論の自由が許されている日本では書籍を客室から撤去する理由はなく、当然東京オリンピックでも撤去は行わないと明言した。
 この質問に回答したのは一五時三〇分頃だったが、約二時間後の一七時三九分にはロイター通信として、アメリカニューヨークから「アパホテル、東京五輪でも南京大虐殺否定の書籍は撤去せず」というタイトルの英文の記事が配信され、朝日新聞の英語版にも転載された。その後ロイター通信の日本語サイトに日本語の記事が掲載され、それはYahoo!ニュースにも転載された。私が不信に感じたのは、英語と日本語で記事の内容が異なることだ。英語版には「APAは北海道のスポーツイベント(冬季アジア大会)開催前に、中国からボイコットするという抗議要請を受けて、一時的にスポーツ選手が宿泊するホテルの部屋から書籍を撤去した。」と、記者の質問と同じく、書籍問題が理由で札幌のホテルから本を撤去したという記述があるが、日本語版ではその部分はない。そして英語版の最後に、「今年、本を撤去した(北海道での冬季アジア大会)という報道がなされていたが、これは以前から大会組織本部との契約として、様々な情報が掲載されている書籍は撤去するという方針にしたがったものだ(抗議があったから撤去したものではない)。」と契約に従って情報物を撤去しただけという、私への質問に対する回答が記載されている。この部分も日本語版にはない。
 中国からの抗議で書籍を部屋から撤去したと書いたのは、新華社通信が行った意図的誤報記事を、アパの確認も取らずに転載した朝日新聞の「本撤去 アパが約束」という記事だ。おそらくこのロイター通信の記者は、これを前提として先に記事を書いていて、私が東京オリンピックでどうするのか、曖昧な答えをするとでも思っていたのだろう。しかし私が彼女の思惑と異なる答えをしたために、私の言葉を慌てて記事の最後に付け加えたのだ。結果として、英語版記事は、思い込みで書いた間違った情報を私の言葉が否定する矛盾のあるものになってしまった。日本語版記事ではその矛盾部分を削除して、辻褄合わせをして、中国や韓国はこのホテルを使わなかったと報じた。であれば、英語版からも同じく事件が理由で書籍を撤去したという記述を削除するべきだ。中国の外交方針は日本に贖罪意識を持たせること、日本に謝罪させること、日本が自ら考えられないようにすることの三つだが、今回のロイター通信の報道は中国の片棒を担いで、私が謝罪したかのような印象操作を行うものであり、私は非常に不誠実な報道だと思う。

書籍撤去せずの記事で
百万を超える「いいね」を獲得

 Yahoo!ニュースに「アパホテル、東京五輪でも南京虐殺否定の書籍は撤去せず」というタイトルで掲載された日本語版の記事に対して、瞬く間に三千八百二十二ものコメントがついた。その九五%はアパの姿勢を賞賛している。最も多い二万七〇六四個もの「いいね」を付けられているコメントは、「この姿勢を支持し、なるべくアパホテルを利用しよう!」というものだった。コメントへの「いいね」を全て足せば、百万個は超えているだろう。書籍問題が勃発したときにもメールやFAXで二万件もの応援メッセージが届いた。南京大虐殺や慰安婦の強制連行、性奴隷説など、多くの日本人が学校で習ったり、メディアの報道を聞いたり、政治家が河野談話や村山談話で謝罪したりする姿を見てきたけれども、本当の事とは思えなかったということだろう。中国が日本に対して何度も使用してきた南京虐殺カードや、韓国が使用してきた慰安婦カードは、もはや日本には通用しなくなった。
 『【増補版】理論近現代史学』の冒頭に、日本の近現代史で虚構がまかり通っている代表的な三つの歴史の真実を写真を通じて知らせるようにした。そうすることによって、読者が歴史に対して新しい視野を持つことができるからだ。張作霖の爆殺はソ連の特務機関によるものだ。この二年前にも張作霖の宮殿爆発未遂事件があり、張作霖はソ連の領事館員を拘束していた。また爆発現場の写真は、犯人だとされる関東軍の河本大佐の供述と合わない。
 南京大虐殺はなかった。一九三八年に撮影された東宝映画『戦線後方記録映画「南京」』には、占領直後に爆竹で遊ぶ中国人の子供やその脇を通り過ぎる丸腰の日本兵の姿が写っていて、虐殺の気配は微塵もない。しかし日本軍が南京に入城する前に行なわれた蒋介石軍による親日派市民の処刑(漢奸狩り)は、多い日には一千人を超えたという。これを覆い隠すために捏造されたものが日本軍による南京大虐殺説だ。
 慰安婦募集の広告には、月給が今の金額で三百万円と書かれている。彼女らは性奴隷ではなく、収入の良い高給売春婦だったのだ。これらが真実の歴史なのだ。
 多くの人々が私の歴史観や中国への姿勢に共感してくれるようになった今が憲法改正の好機だ。九条に加憲で自衛隊を明記するにせよ、自衛のための戦力と交戦権を認め、「してはいけないこと」のみを定めたネガティブリストによる交戦規定の設定と、戦闘で人を殺した自衛隊員を殺人犯にしないための軍法会議の設置を可能にするべきだ。その上で同じ敗戦国である、ドイツ・イタリア・オランダ・ベルギーのNATO四カ国が締結しているニュークリア・シェアリング協定を日本はアメリカと結び、核兵器に対する独自の抑止力を持たなければならない。メディアによる煽りによって高まった民衆の圧力による戦争を避けたい中国共産党首脳部は、本音では日本がこのような形で軍事力を強化してメディアや中国民衆を牽制することを歓迎するはずだ。日本は憲法を改正して軍事力を強化することで東アジアの平和に大きく貢献できる。こういう思いで今回『理論 近現代史学Ⅲ』と『【増補版】理論近現代史学』を出版した。より多くの日本人がこれらの本を読み、本当のことを知って誇りを取り戻し、日本再興に尽力することを私は望んでいる。

2017年6月22日(木)22時00分校了