社会時評エッセイ

トランプ大統領は
習近平国家主席の
皇帝化を阻止する
Vol.337[2020年10月号]

藤 誠志

ルーズベルト大統領は
再選のために戦争を望んだ

 
 アメリカ大統領選挙まで残すところ三カ月となった。この時期、歴代の大統領は再選することを最優先としており、そのためには戦争も厭わない。一九三二年の大統領選挙では、一九二九年に起こった世界大恐慌を収拾できなかった共和党のフーバー大統領が、ニューディール政策を提唱した民主党のルーズベルトに歴史的な大敗を喫した。そこで就任したルーズベルトは、何とか経済を立て直そうとした。その甲斐があってルーズベルトが大統領に就任した一九三三年以降、景気は回復過程に入り、一九三六年の大統領選挙において歴代の一般投票で最多得票率で再選された。しかし、大恐慌はその後も続き、ルーズベルトはこのままでは更なる再選はできないと理解した。そこで一九四〇年、三選を目指したルーズベルト大統領とイギリス諜報部が「米国がヨーロッパの戦争に介入するために、ルーズベルトが勝利するように画策したのでは」という説を、京都大学中西輝政氏が述べているが、その通りとなり、三選を果たしたルーズベルトは、世界恐慌から脱するには壮大な需要の創出が必要であり、一番効果的なことは戦争特需を創ることだと考えた。
 そこで、一九三九年九月にヨーロッパで始まった第二次世界大戦に対して、ルーズベルトは中立の姿勢を見せながらも、一九四一年三月にはレンドリース法(武器貸与法)を施行して、イギリス、ソビエト連邦、中華民国をはじめとする連合国への膨大な量の軍事物資の供給を開始した。これは欧州参戦への布石だった。
 実は、ルーズベルトは一九四〇年の三選を目指す選挙において、「あなた方の子供はいかなる外国の戦争にも送られることはない」と、ヨーロッパの戦争への不参戦を公約にして当選していた。この公約を反故にして参戦するために、一九四〇年九月に締結された日独伊三国同盟を利用した。日本を追い込み暴発させ、日米が開戦となれば、同時にヨーロッパでのドイツとの戦争に参戦を果たせることとなり、イギリスを救済できると考えたのだ。
 そこで一九四〇年九月には屑鉄の日本への全面禁輸を決定、一九四一年八月には日本への石油の輸出の全面禁止に踏み切る等、次々と対日経済封鎖を強めた。このままでは石油を失ってしまい連合艦隊の運用もできなくなると危機感を抱いた日本の帝国海軍が中心となり、まだ石油があるうちにとアメリカ海軍太平洋艦隊を壊滅させる為に、その基地である真珠湾の攻撃が計画された。

作られた
「リメンバー・パールハーバー」

 当時既に帝国海軍の暗号も日本の外交暗号もアメリカに解読されていて、この真珠湾攻撃を行うとの暗号もルーズベルト大統領は察知していた。暗号を解読していることを分からせないために当時のアメリカ太平洋艦隊司令長官だったハズバンド・キンメル海軍大将とハワイ方面陸軍司令長官ウォルター・ショート陸軍中将にも知らせずに、特別訓練と称して新鋭艦や空母は先に真珠湾から離脱させ、戦艦アリゾナ等、標的となるべき老朽艦ばかりを残した。帝国海軍はこの真珠湾の基地を、空母から飛び立った九十九式艦上爆撃機(急降下爆撃機)の爆弾と艦載機に搭載する魚雷で攻撃をする為、真珠湾の水深十二メートルと浅い海でも発射できる九一式魚雷等を開発、多くの艦船を撃沈した。
 当日が日曜日であったにも関わらず何故か定員よりも多い兵員が動員されていたアリゾナは、海側には別の艦艇がいて魚雷攻撃ができず、爆撃により八時六分に一番砲塔と二番砲塔の右舷に爆弾が命中し、八時十分にその爆撃による誘爆で船底にある前部弾薬庫が大爆発を起こした。爆撃されて四分後(六分後との説もある)に、弾薬庫が誘爆して陸側に大穴を空けて沈没、一千百二名もの兵士が犠牲となった。これは真珠湾攻撃によるアメリカ軍戦死者二千四百三名の約半数に及ぶ。しかし、沈没の原因が爆撃を受けた四分後に弾薬庫が誘爆したからということは考えられない。誘爆は爆撃と同時に起こるもので、時間が経ってから火災により爆発するといった弾薬庫を私は知らない。これは誘爆ではなく意図的に爆破させた可能性が高い。つまり反戦世論の強いアメリカで対日戦争を決意させるには多くの犠牲が必要であると考えたのだ。アメリカは、この攻撃を利用して「リメンバー・パールハーバー」と煽り、一転して戦争へと世論を誘導していったと考えられる。
 私は日本がこのような攻撃をするのであれば、陸・海軍の仲が悪かったとはいえ、参謀本部の指揮の下、海軍単独の作戦ではなく陸・海軍共同作戦を採り、真珠湾のあるオアフ島を占領する作戦を採るべきだったと考えている。帝国海軍は恐らく民間人が多いという理由で真珠湾攻撃に際して、ドックや石油タンクを攻撃しなかったのだと思うが、その結果、真珠湾攻撃で沈んだ船の大半がその後引き上げられドックで修理され、戦線に復帰しているのだ。そうさせないためには、ドックは占領するか破壊する必要があったのだ。さらに真珠湾攻撃の勢いのまま、潜水艦をパナマ運河まで派遣して占領するか破壊し、アメリカを東海岸と西海岸とに分断、西海岸沿いの都市に艦砲射撃と空爆を加え、初戦で多大な犠牲を与えて講和のきっかけを作るべきだったのだ。しかし最大の問題は、開戦前から解読されていた海軍暗号と外交暗号を開戦後も使い続けていたことである。真珠湾攻撃の翌一九四二年六月に行われたミッドウェー海戦でも連合艦隊は暗号を解読されていて、真珠湾攻撃を逃れたアメリカの新鋭艦や空母と対決しなければならないこととなった。その結果は歴史が示す通りで、帝国海軍は多大な損害を受けたにも関わらずその事実を陸軍参謀本部には知らせず、むしろ戦果を誇った。陸軍は暗号を解読されず中国大陸で連戦連勝していたが、ミッドウェー海戦での敗北により、その後の戦況がどんどん悪化していったのである。情報謀略戦での敗退が、先の大戦の最終的な敗北に繋がった。
 アメリカが対日戦争に勝利することの確信が持てはじめた一九四四年の大統領選挙に、ルーズベルトは戦時中の有事であることを理由に再び立候補して当選。アメリカ政治史上唯一の四選を果たした。

新型コロナウイルスは
中国の生物兵器なのか

 ここ数カ月の世界情勢を見ると、今や正に米中戦争が開始されたと考えるべきだろう。現代の戦争は兵器によって制海権、制空権を奪って、敵領土を占領するだけではなく、ウイルスや生物兵器を使って相手を疲弊させるという場合もあるのだ。中国・武漢にある生物兵器研究所から流出したともいわれる新型コロナウイルスは瞬く間に世界中に広がり、八月二日時点での全世界の感染者は一千八百二十二万六千六百人、死亡者数は六十九万二千四百二十人に及ぶ。第三次世界大戦と言っても良い数字だ。
 不思議なのは、白人国家の人口百万人当たりの死亡数が、黄色人種国家の百倍にも達しているということだ。致死率も白人国家が数倍高くなっている。八月十四日時点のデータでは、人口百万人当たりの死亡者数が最も多い上位の十か国はベルギーの八百五十四人、それに続くのがペルー六百五十七人、スペイン六百十二人、イギリス六百一人、イタリア五百八十三人、チリ五百三十八人、アメリカ五百十四人、ブラジル四百九十六人、フランス四百六十五人、メキシコ四百二十三人と、六カ国が欧米の白人国家であり、残り四カ国が南米の白人との混血国家だ。それに比べて、アジアの三か国については、中国の人口百万人当たりの死亡者数は三人で致死率は五・五%、韓国は六人で二・一%、日本は八人で二・一%となっている。武漢ウイルス研究所において、人種間のDNAの違いによって白人の致死率が十倍も高くなるような、生物兵器としてのウイルスを開発していたのではないかという疑念を、私は捨てきれない。
 アメリカでの新型コロナウイルスによる死亡者数(八月二日時点)は十五万八千三百六十五人で、これはベトナム戦争の八年間に犠牲になったアメリカ軍兵士の数の二・七倍、第一次世界大戦での戦死者も超えるのだ。今のところ中国人のDNAに近い日本人や韓国人の新型コロナウイルスによる死者数は欧米などに比べて百分の一も少なくて済んでいるが、今後研究が進んで日本人と中国人の微妙なDNAの差を判別、日本人の致死率を高めた生物兵器としてのウイルス兵器が開発された場合には、日本は大変なことになるだろう。

自由民主主義を踏みにじり
覇権主義に走る中国

 近年の中国の人権を無視した膨張主義的な行動は、目に余るものがある。新疆ウイグル自治区では百万人から二百万人もの人々を、理由もなくただウイグル人だから回教徒だろうと強制収容所に入れている。新興宗教の法輪功への弾圧も厳しく、信者は令状なしで逮捕されて収容所送りとなる。そこで血液型等で臓器を必要としている患者と適合すると判明すれば、直ちに処刑して臓器を抜き取ってその患者に移植するという臓器ビジネスが行われていると言われている。
 一九九七年、中国が五十年間一国二制度を維持することを条件にイギリスから香港が返還されたが、その半分の二十五年も経たない内にこの約束は反故にされた。日本やアメリカ等、海外にいる人も取締りの対象となる香港国家安全維持法がこの六月に制定され、香港では一国二制度の維持を求めてデモに参加した人々が次々と逮捕・拘束されている。
 日本に対しても「中国は実際に、“尖閣を奪いに来ている”と思わざるを得ない行動をとっている」とするのは、八月五日に配信されたダイヤモンド・オンラインの「米国は中国に『事実上の宣戦布告』」という記事だ。「第一一管区海上保安本部(那覇市)は二二日、沖縄県石垣市の尖閣諸島の接続水域(領海の外側約二二キロ)内を中国公船四隻が航行していると発表した。接続水域内での航行は、これまでに四月一四日から一〇〇日連続となった。(読売新聞七月二二日)。ちなみに中国は年初から七月二二日までに、領海侵犯を一四回行った。」と、このように領海侵犯の回数を数えるのではなく、領海侵犯を犯した艦船には警告を発し、従わない場合撃沈すれば、再び領海侵犯する艦船はなくなるだろう。要するに、中国は日本にとっての安全保障上の脅威であり、領海・領空を犯す艦船や航空機は警告の上、従わなければ攻撃を加えるべきである。そうすれば、領海・領空の侵犯はなくなる。

南シナ海の二隻の米空母は
臨戦態勢を意味する

 このような中国に対して、アメリカはどう出るのか。正に今年はアメリカ大統領選挙の年であり、今の段階での世論調査では、トランプ大統領は民主党のバイデン氏に支持率で一五%も負けているが、これは当てにならない。トランプ支持者は調査に「支持」と正直に答えることが少ないからだ。また今後、トランプ大統領は現職ならではの力の全てを使って再選を目指すだろう。十一月の米大統領選挙の一カ月ほど前に、アメリカは中国共産党主席の二期十年の任期を撤廃し「皇帝化」を図ろうとしている中国の習近平主席を失脚させるために、反撃できないような軍事行動に出るのではないだろうか。具体的には中国が南シナ海の公海上の岩礁を勝手に埋め立てて、滑走路を整備して軍事基地化しているエリアへの攻撃だ。攻撃の三時間ほど前に人員の退避通告を行った上で、B1可変翼超音速戦略爆撃機や世界最強のF22(ラプター)ステルス戦闘機による爆撃の他、弾道ミサイル等で跡形もなく破壊する。これでトランプ氏は決断のできる勇気ある大統領という評価を確かにし、再選を果たす。そして攻撃を受けた習近平主席は、党の長老からの圧力で二期十年の従来からの任期で引退せざるを得なくなるだろう。
 アメリカに基地を攻撃されても中国は反撃できない。公海上に不法に建設し撤去通告したにも関わらず従わなかった基地を強制排除しても、国際世論はアメリカを支持するといった側面もあるが、何よりもアメリカの軍事力と中国の軍事力との差が、まだ二倍以上あるからだ。かつて米中の軍事力の差は五十倍から百倍もあった。それが十倍から五倍にとだんだん縮小していき、今や二倍程度になっている。今ならまだ中国はアメリカに手出しできないが、今後数年の内には米中の軍事力は拮抗、その後は中国が上回ることもあり得るだろう。やるなら今しかないとトランプ大統領は判断し、行動を起こす可能性が高い。
 六月三十日に中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法を成立させたことで、トランプ政権は中国への圧力を一層強め、七月になって、アメリカは空母ニミッツと空母ロナルド・レーガンを中心とする二つの空母打撃群を南シナ海に派遣した。空母打撃群とは、空母に加えてこれを守る為に上空には艦載機、複数の護衛艦艇に、海中には攻撃型原子力潜水艦で編成される群団だ。それを二つ動かしたということは、アメリカが単なる威嚇から臨戦態勢に入ったことを意味する。空母が一隻では甲板が被弾すれば飛び立った飛行機が帰還できなくなる。だから実際に戦闘の可能性がある場合には、必ず二隻以上の空母が派遣されるからだ。これに習近平主席は大いに脅威を感じているだろう。トランプ大統領があまり早くに攻撃を行うと反作用で支持率を失う恐れがあるため、やるなら選挙の一~二週間前だ。トランプ大統領の大統領選挙での勝利が危うくなれば、再選するためにはルーズベルト大統領のように戦争も起こす。そして一五%の支持率の差を一気に挽回し再選を果たすだろう。このように事態が推移することを、私は確信している。

2020年8月15日(土) 11時00分校了