社会時評エッセイ

今回の教訓として
日本は生物兵器対策を強化すべきだ
Vol.334[2020年7月号]

藤 誠志

メディアの報道は
連日新型コロナに集中

 
 新聞の一面トップにこれだけ長い期間、同じ事案が掲載され続けるのを、私は初めて見た。もちろん「新型コロナウイルス」のことだ。例えば産経新聞もここ数週間はそうだ。四月二十五日の一面トップの見出しは「GW 休暇延長を要請」「政府、接触八割減徹底へ」、四月二十六日は「北、コロナ死者二六七人」「実態隠蔽 全て『疑い例』処理」、四月二十七日は「五輪 二割でスポンサー離れ」、四月二十八日は「日銀経済対策を下支え」「無制限で国債購入」、四月二十九日は「七都道府県 感染進む」「死者四倍、予断許さず」、四月三十日は「緊急事態解除 首相厳しい」「一カ月程度の延長案 浮上」、五月一日は「緊急事態延長 五月末軸」「一〇万円給付 補正成立」、五月二日は「緊急事態宣言 全国で延長 一カ月程度」、五月三日は「レムデシビル承認へ」「一週間程度で 初のコロナ薬」、五月四日は「緊急事態 三一日まで」「きょう全国延長決定」、五月五日は「感染防止へ『新たな日常』」「緊急事態宣言 三一日まで延長」、五月六日は「都、休業協力金を追加支給」「都立休校 月末まで」と、この二週間でも毎日、一面には新型コロナウイルスもしくはその関連のニュースが掲載されてきた。こんなことはこれまではなかったことである。人類が滅亡するとしたら、巨大噴火や巨大地震や核戦争ではなくて、未知の細菌やウイルスによるパンデミックが原因となる可能性が最も高い。

新型コロナウイルスは
人工的に作られた可能性が

 五月六日付の夕刊フジの「コロナに負けない緊急提言」というコラムに、ノンフィクション作家の河添恵子氏が「パンデミックをもたらした中国政府とWHO」というタイトルで、以下のような一文を寄せている。「日本ではいまだに、『武漢市の海鮮卸売市場で売っていたコウモリから、人間が感染した』という、中国当局が主張する『天然ウイルス説』が前提になっている。だが、世界はそのように報じているだろうか?」「ドナルド・トランプ米大統領は三月一三日の記者会見で、『(中国の)習近平国家主席と私は、ウイルスがどこから来たのかを知っている』と語り、笑いを誘った」「この発言は、中国外務省の趙立堅副報道局長が前日、自身のツイッターで、《米軍が武漢に今回のウイルスを持ち込んだのかもしれない》と発信したことへの、余裕のカウンターアタック(反撃)だったと推測できる」「一カ月後の四月一三日、米CNNが報道した『中国政府はウイルス起源に関する米中論議のなか、コロナウイルス研究把握を強化する』の内容は注目に値する。要点は以下の通り。
 〔一〕新型コロナウイルスに関する学術論文は今後、出版前にすべて政府当局の審査対象になる。承認がなければ出版できない、という中国政府の通達が同一〇日、上海の復旦大学のウェブサイトに出た。
 〔二〕CNNが、通達文の連絡先に問い合わせたところ、『これは内部文書』と語り、数時間後にはサイトから削除された。武漢市の中国地質大学のウェブサイトにも出ていたが削除された。
 〔三〕この通達は、新型コロナウイルスの予防と管理に関する中国国務院のタスクフォースによる会議中(三月二五日)に出された指示に基づく」「CNNの報道で、中国共産党が『プロパガンダ』だけでなく、世界共通言語である科学をも、『政治』で徹底管理しようとしていることが暴かれた」「この報道には、中国の研究者と協力して国際医学雑誌に新型コロナウイルス症例の臨床分析を発表した香港の医療専門家(匿名)らによる、『二月の段階では(政府当局の審査は)なかった』ことも加えられていた」「とすれば、中国の研究者が三月下旬までに国際医学雑誌に発表した論文は『科学者の知見』によるものだった可能性が高い」「その一つが、科学者向けグローバル情報共有プラットフォーム『リサーチゲート』に二月六日、『新型コロナウイルスの可能な起源』と題して発表された英文リポートである」「主筆の肖波涛氏は、生理学・生物物理、医薬生物学、生物データ学、生化・分子生物学、微生物学などが専門という、広州市の華南理工大学の教授だ。二〇一三年までハーバード大学医学部ボストン小児病院に籍を置き、一七年まで武漢市の華中科技大学物理学院生物物理所の教授と副所長だった」「このリポートには、『コウモリは市民の食料源ではなく、(海鮮卸売)市場で売買されていない』『武漢市疾病予防管理センター(WHCDC)では二年以内に(研究目的で)コウモリを湖北省から一五五匹、浙江省から四五〇匹調達した』『SARS(重症急性呼吸器症候群)(*中略)コロナウイルス、(*もしくは)その誘導体が実験室から漏れる可能性がある』などと記されていた」(*箇所は著者編集・追記)「WHCDCは、早々に『医療崩壊』を起こした武漢市中心医院や、協和病院、湖北航天医院と地理的に近い。武漢市中心医院は、いち早く警鐘を鳴らした武漢市の眼科医、李文亮氏が亡くなった病院である」「肖氏らのリポートは現在、リサーチゲートから削除され、肖氏らは行方不明とされる。中国当局にとって『不都合な真実』だったのか?」「『ラジオ・フリー・アジア』が四月一五日に報じた、台湾疾病管理局(CDC)の副局長による会見内容も興味深い」「台湾政府は昨年一二月下旬、武漢で原因不明の肺炎が人から人へ感染している可能性があり、直ちに検疫措置を取ることをWHOに伝えたが、取り合わないどころか、反撃してきたという」「中国政府が、WHOのテドロス・アダノム事務局長らと結託して、新型コロナウイルスの流行を隠蔽したことが、パンデミックにつながった可能性が高まっている」という。ここで重要なことは、新型コロナウイルスが天然由来のものではなく、人工的に作られた可能性があるということだ。

あまりにも激しく違う
欧米とアジアの感染状況

 世界の人口等、様々な数字をリアルタイムで表示するサイト、ワールドメーターによると、五月七日時点での新型コロナウイルスの世界全体の感染者数は三百八十三万五千百九十三人、死亡者数は二十六万五千二百四十五人となっている。五月六日のデータを国別に見ると、感染者数も死亡者数も断トツに多いのはアメリカで、感染者数百二十五万七千百五十六人、死亡者数七万四千百四十二人、人口百万人当たりの感染者数は三千七百九十八人、死亡者数は二百二十四人になる。感染者数でアメリカに続くのは、スペイン、イタリア、イギリス、フランス、ドイツと全てヨーロッパの白人国家だ。人口百万人当たりの感染者数と死亡者数も多い。以下、カッコ内の前者が感染者数/人口百万人、後者が死亡者数/人口百万人で示すと、スペイン(五千四百二十六人、五百五十三人)、イタリア(三千五百四十七人、四百九十一人)、イギリス(二千九百六十二人、四百四十三人)、フランス(二千六百六十九人、三百九十五人)、ドイツ(二千七人、八十七人)と白人国家の感染者数が非常に多く、ドイツ以外は死亡者数も多い。これらの数字は東アジアの国々と比較してみると顕著だ。日本(百二十一人、四人)、韓国(七十一人、五人)、中国(五十八人、三人)と、中国をはじめとして数字は非常に少なく、ヨーロッパの国々とは二桁異なる。致死率もスペイン一〇・二%、イタリア一三・八%、イギリス一五・〇%、フランス一四・八%に対して、日本三・六%、韓国二・四%、中国五・六%とこれも欧米と東アジアで大きく違う。なぜ地域によってここまで致死率が異なるのか。なぜこんなにもヨーロッパの裕福な先進国での感染者が多く、東アジアやその他の貧しい国での感染者が少ないのか。その一因にヨーロッパなどの白人国家のほとんどはBCG(結核予防)ワクチンを接種していないことが挙げられる。BCGワクチンを実施している国々との差とも言えるが、この新型コロナウイルスは、白人国家を狙って人工的に作られた生物兵器なのではないかという疑いが湧く。
 大量破壊兵器のことをNBC兵器とも呼ぶが、これは核(Nuclear)、生物(Bio)、化学(Chemical)の略だ。核兵器や化学兵器の場合、被害エリアは限定的になるが、細菌やウイルス等の生物兵器は、一気に世界中に広がる可能性がある、正に大量破壊兵器と呼べるものだ。夕刊フジのコラムにあった武漢市疾病予防管理センターの他にも、武漢市には中国科学院武漢ウイルス研究所がある。これらの施設で開発されたウイルスに誤って研究員が感染、それを知らずに外に出て、武漢から中国全土、そして韓国、日本、世界へと感染が広がっていった可能性もある。もしこのウイルスがBCGを接種していない白人に感染しやすくて重症化リスクが高く、BCGを接種している人には感染しにくく重症化リスクが低くなるように設計されていたとすれば、アメリカ・ヨーロッパの国々と東アジアの国々の感染者数と死亡者数の差の説明になる。またそのようなウイルス兵器を開発する場合には、その被害を抑える薬やワクチンを同時に開発するのは常識だ。中国の感染者数、死亡者数の低さはそれが要因と考えることはできないか?
 核兵器が使用された場合には原爆残留物質から製造国を即座に割り出し、その国に対して壊滅的な核反撃を行うとアメリカは宣言している。しかし生物兵器では、どこの国が感染を広めたのかの確定が難しく即座に反撃することが困難だ。本当は偶然かもしれないが、これだけ欧米の白人国家とアジアやその他の有色人種国家とで大きな差があると、そこに何らかの意図を感じざるを得ない。

目指すべきは新型コロナの
「インフルエンザ化」だ

 新型コロナウイルスが武漢のどこから感染が始まったのかは、世界中のあらゆる国が追求を始めている。五月三日にアメリカのトランプ大統領やポンペオ国務長官は、武漢ウイルス研究所からの流出説を示唆している。今後出されるという報告書で決定的な証拠が示されれば、トランプ大統領は中国をさらに激しく批判し、損害賠償の請求等何らかの制裁を加えようとするのではないだろうか。そうすれば世界が一層不安定になる可能性が高い。日本は近隣諸国からの攻撃や巨大自然災害、今回のような感染症の拡大(パンデミック)等あらゆる事態に対応するために、一日も早く憲法を改正するべきである。特に重要なのは、核バランスの維持だ。核バランスが崩れると核威嚇のもと不当な請求を押し付けられ巨額の負担を強いられる。今や日本を取り巻くアメリカやロシア、中国、北朝鮮は全て核保有国だ。
 日本は憲法を改正してアメリカと緊密に連携して、核弾頭を搭載した弾道ミサイルに対する迎撃システムを保有すると共に、アメリカとニュークリア・シェアリング協定を結ぶことで、核抑止力を保持する必要がある。また近隣核保有国は間違いなく生物兵器も化学兵器も研究開発し、保有しており、いつでも使える体制になっていることを日本は認識すべきだ。生物兵器が核兵器よりも脅威なのは間違いない。今回の新型コロナウイルス騒動を大きな教訓として、日本はあらゆる要因から発生する感染症の拡大を抑え込む体制を、強化する必要があるだろう。
 新聞やテレビ等メディアの報道は連日新型コロナウイルス一色だ。緊急事態宣言が出されていたこともあり、街には人通りが絶えて、寂しいGWだった。新型コロナウイルスでは死者が七百人程度だが、季節性のインフルエンザによって、日本では毎年約三千人が亡くなっている。しかし、その死がニュースになることはない。それはインフルエンザにはワクチンがあり、タミフル等の治療薬も用意されているからだ。新型コロナウイルスに関しては、五月七日にレムデシビルが国内初の治療薬として特別承認されたが、その治療効果の評価も定かではない。今後の研究・開発によって新型コロナウイルスに対する特効薬やワクチンが登場すれば、コロナを「インフルエンザ化」することができ、人々の不安は払拭される。しかしそれにはまだまだ時間が掛かりそうだ。

過剰報道による風評被害

 外出制限が緩和された中国では五月上旬の連休に、一億一千五百万人が旅行をしたという。しかし中国もヨーロッパも日本も、今後第二波、第三波に備える必要がある。一九一八年から一九二〇年に大流行したスペインかぜは、当初は普通のインフルエンザだったのが、感染が広がる内に突然変異が起こって強毒化、全世界で一千七百万人から五千万人の死亡者を出した。医学の発達した現代では突然変異が起こってもここまでの死亡者は出ないと思われるが、グローバルネットワークの時代となり、人もモノも金もネットやジェット機で高速で動く時代となった今、それが止まることによる影響は大きい。その結果、既に世界では何百~何千兆円もの富が失われている。その大半は新型コロナウイルスに感染したり、亡くなることによるのではなく、ロックダウンとか「ステイホーム」等といった人の動きを止めてしまうことによる。緊急事態宣言によりどれだけ大きな経済的損失と、どれだけ多くの自殺者が出てくるかを統計学的確率計算に基づき検証すべきである。また、日本において毎年百三十万人が亡くなり、そのうち肺炎による死者数は約十万人であるのに対し、新型コロナウイルスによる死者数は約六百から七百人に過ぎず、本当に深刻なことはコロナ禍を報じるメディアの過剰報道による風評被害であり、緊急事態宣言はその過剰報道の結果である。
 台湾やベトナムは、発症国からの入国を即座に閉じる判断を下し、感染者を病院に、軽症者や無症状者を宿泊施設に収容し、家族は自宅で隔離する強力な分離処置により感染者の急増を抑えこんだ。日本は国賓として招待していた習近平に忖度し、中国からの入国遮断が遅れたことによる影響は大きかった。人命と経済に多大なダメージを与えるこの新型コロナウイルスの騒動が、多くの人々の努力によって一刻も早く収束することを、私は心から願っている。

2020年5月15日(金) 18時00分校了