社会時評エッセイ

ユダヤのマーケティング会社を使って
捏造の歴史を正せ

藤 誠志

文藝春秋が六十一年も前の河本大佐の偽告白記を再掲載

 先月号の本稿のタイトルは、「張作霖爆殺の歴史検証をせよ」だった。二〇〇九年九月二十二日、ロシアのサンクトペテルブルグで、私は、「張作霖爆殺はソ連の特務機関の犯行だ」と主張する作家のドミトリー・プロホロフ氏と対談し、Apple Townの二〇〇九年十二月号に掲載した。この事件が日本の中国侵略の原点と言われていることからして、コミンテルンの謀略戦にまんまとやられているのに、日本のメディアはほとんど注目もしなかったので、私はその前半部分を先月号に再掲載した。発行後、とあるパーティーで、自民党衆議院議員の国土交通委員長とお会いし、先月号のApple Townを送ったところ、今年四月に発行した雑誌「文藝春秋」戦後七〇年企画の「太平洋戦争の肉声」の第四巻「テロと陰謀の昭和史」を届けてくれた。このシリーズは、過去に文藝春秋に掲載された記事を、テーマに沿って再編集したものだ。
 この本の表紙からして、「太平洋戦争の肉声、テロと陰謀の昭和史」と、日本が起こしたテロと陰謀のように思わせている。その後新しい事実が明らかとなってきていて、間違えて書いた可能性が高い記事を全く注釈を加えずに、自誌『文藝春秋』のスクープ記事のように誇らしげに掲載していた。
 それは「満州某重大事件 私が張作霖を殺した」というタイトルで一九五四(昭和二十九)年十二月号に掲載された河本大作の手記である。「国民革命軍の北伐に乗じて、満州と河北の支配者張作霖を斃す。これ以外に満州問題解決の鍵はない…。謀殺計画を実行した関東軍高級参謀による手記」とリードがついている。十五ページに亘る手記の前に、当時のコミンテルンが狙った筋書き通りの文藝春秋編集部からの「解説」があった。「日露戦争に勝利した日本は、ロシアが中国から租借していた遼東半島南端の大連・旅順を中心とする『関東州』と東清鉄道の長春〜旅順間の鉄道、そして鉄道付属地の租借権を譲渡された。この鉄道を経営するために設立されたのが国策会社『南満州鉄道株式会社』(満鉄)であった」「しかし、当時の日本の政治家や軍部は関東州や満鉄の経営だけでは満足できなかった。その目的とするところは、一貫して『満蒙分離』であった。俗に東三省(遼寧省、吉林省、黒竜江省)とも呼ばれた中国東北部の満州と内モンゴル(東部内蒙古=熱河省、チャハル省、綏遠省)を中国から切り離し、日本の直接支配下に治めようという方策である。このとき日本軍首脳や出先の外交官らが目を付けたのが、奉天督軍兼省長から東三省の重鎮となり、さらに北京にまで進出して軍事政権を樹立していた張作霖の抱き込みだった。昭和二年四月に成立した田中義一内閣は、満州に張を首班に据えた傀儡政権をつくり、満蒙分離を果たすべく画策を開始していた」「一方、中国では孫文の死によって国民党を引き継いだ蒋介石が、北伐(北方軍閥の討伐)を再開して北上を開始していた。張作霖を頂点とする北方軍閥の不利は明らかであった。ここで関東軍高級参謀の河本大作大佐らは、この北伐に乗じて張を抹殺し、軍閥軍が反撃してきたら関東軍を出動させて満州全土を占領することで、満蒙一致を一挙に解決できると考えたのである。日露戦争以来、日本軍を後ろ盾に伸し上がった張だったが、東三省の実権を手にするや、しだいに対日依存政策を自主独立路線に転じていた。関東軍から見れば、それは反日政策のなにものでもないと映っていたのである」と但し書きをしている。
 今では張作霖の爆殺は、「張作霖は白軍を支援しており東清鉄道を巡りソ連と徹底的に対立していたのが動機であり、その二年前の一九二六年九月にもソ連が奉天の張作霖の宮殿で彼を爆殺する計画を立て、中国当局に発見され失敗した未遂事件もあり、」ソ連側の工作説が有力であるのに、今でも張作霖の爆殺は関東軍河本大佐が行ったと思わせる内容の記事を再び載せる神経が疑われる。

六十一年間で明らかとなった新事実を無視し定説に拘る文藝春秋の暴挙

 しかしこの手記をそのまま今、掲載することには、大きな疑問がある。Wikipediaによると、「中西輝政は著書『歴史の書き換えが始まった!』において、『文藝春秋』一九五四年一二月号に載った『私が張作霖を爆殺した』(いわゆる、河本告白記)が、河本の義弟で作家の平野零児による口述筆記であり、平野が戦前は治安維持法で何度か警察に捕まったとされる人物であると主張し、事件に関する内容の『殆ど全部が伝聞資料』であるとし、文藝春秋に平野が持ち込んだ原稿ではないことや、当時の英国情報部も独自の調査でソ連犯人説を採用している事などを根拠にソ連の関与を肯定する主張をしている。中西は文藝春秋の『諸君!』二〇〇六年六月号の瀧澤一郎(元防衛大学校教授)らによる『あの戦争の仕掛人は誰だったのか!?』と題する座談会の中の『張作霖爆殺の犯人はソ連諜報員か』との中で、『日本側の史料として特に重要なのは、田中隆吉証言です。彼は東京裁判で「河本大佐の計画で実行された」などと検察側証人として証言していますが、その根拠はすべて伝聞で、特にこの人物の背景をもう一度掘り下げて調べる必要があります。またそれ以降に出た数々の「河本大佐供述書」も、二十数年後に中共が作成したもので、信憑性はずいぶん低い』と主張している。中西はまた事件当時、英国の陸軍情報部極東課が調査し、ソ連の仕業だとの報告を本国へ報告。報告を受けた英国政府は日本政府が関東軍の仕業と判断した事を知り、念のために再調査した処、使われた爆薬はソ連製であって、やはりソ連の謀略であるとの結論を出したと主張している」のだ。私もApple Town二〇一〇年一月号で中西輝政氏と対談したが、その中で中西氏はロンドンのナショナルアーカイブに残っているイギリス情報部の報告書の文書番号(W〇一〇六‐五七五〇)まで明確にしている。イギリスは二〇〇七年まで、この情報を公表していなかった。文藝春秋が六十一年ぶりに再度この河本手記と称するものを掲載するのであれば、これが義弟の平野零児の手による可能性があること、中西輝政氏やドミトリー・プロホロフ氏らの研究によって、この爆殺事件がソ連の特務機関の犯行であるという説が出てきていること、それを裏付けるイギリスの新史料が二〇〇七年に公表されていることなど、この間に判明していることの全てを併記するべきではないのか。あくまでも新しく発見された事実を無視して、張作霖爆殺を河本大作の犯行であるという定説を変えたくないという編集部の意図が透けて見える。
 日本のメディアは、特に日本に不利益な歴史的事実について、その後に出てくる新事実に目を向けない。そして逆に、新しい事実によって歴史を考え直そうとする人々を、朝日新聞などは中・韓・米と一体となって「歴史修正主義者」だと批判してきた。戦後七十年の今こそ、歴史検証委員会を作り、数々の捏造に塗られて、誤って教えられている教科書やメディアの報道による日本の近現代史を検証し直して、真実を明らかにしていかなければならない。まずは日本の大陸侵略の原点と言われる張作霖爆殺事件から始めるべきだ。プロホロフ氏が対談で発言していたように、ロシア大統領の古文書保管所にはこの事件に関するまだ公表されていない資料が眠っている可能性がある。さらに「南京大虐殺」や従軍慰安婦なども事実に全く反することは明らかなのに、「南京大虐殺」は未だに新しい歴史教科書をつくる会の教科書を除く全ての歴史教科書に掲載され続けている。それらを順次検証して正していく必要がある。
 アメリカ占領時代に作られたプレスコード(新聞編集綱領)の三十項目の禁止事項に、まだ日本のメディアは縛られている。プレスコードの番人が朝日新聞であり、これを順守しないメディアが出ると、徹底的に糾弾してきた。そのプレスコードを守る総本山・朝日新聞の記事捏造が露呈したのが、昨年大きな騒ぎとなった慰安婦誤報問題だ。長年に亘る朝日の従軍慰安婦キャンペーンのために、世界中で虚構の二十万人強制連行や性奴隷説が真実の様に語られるようになり、お金では到底換算できないほどの日本の名誉が失われた。しかし朝日新聞は単なる訂正記事でこの事件を済ませようとしており、反省の色が全く見られない。日本を貶めた分を回復するだけの記事を世界に向けて出す責任が、朝日新聞にはある。

コミンテルンの陰謀で戦わさせられた国府軍と日本軍

 先の大戦の遠因は、メディアのせいで、ユダヤ人を敵に回してしまったことだ。日英同盟によるイギリスの支援と、アメリカなどのユダヤ人による資金援助によって日露戦争に辛勝した日本だが、日清戦争に勝利した時の台湾などのような領土や十分な賠償金は取れなかった。これをメディアが批判して民衆を煽り、日比谷焼打事件など一大暴動に発展した。事態を重視した外務大臣の小村寿太郎は、桂首相がアメリカのユダヤ人鉄道王ハリマンと合意していた南満州鉄道の共同経営プランを大反対により白紙撤回させたのだ。その結果、日本はユダヤ人の不興を買い、その後のアメリカの対日戦争計画・オレンジ計画に繋がっていく。
 国を失い二千年に亘って流浪の民となり、辛酸をなめ尽くしたユダヤ人だが、その間にユダヤのネットワークを作り、世界中で金融・メディア・法曹界を牛耳り、自分達を守る手段として、情報謀略戦を展開してきた。日本人がユダヤ人に貢献したことも多い。一九三八年、ヒトラーの迫害から逃れた二万人のユダヤ難民が満州国に到着、関東軍特務機関長の樋口季一郎少将は、関東軍の参謀長だった東條英機中将を説得して、彼ら難民を受け入れた。この時のドイツ外務省からの抗議を東條は「人道上の配慮」として一蹴している。また一九四〇年にリトアニアの領事代理だった杉原千畝が、日本通過ビザを発給することで六千人ものユダヤ人難民を救ったこともよく知られている。しかしそのような事実は先の大戦後覆い隠された。
 アメリカの軍事援助で軍事的モンスターとなったソ連を牽制し、第二次世界大戦後の世界赤化の戦争を防ぎ、冷戦に変え、戦後世界の覇権を握るために議会機密費で密かに開発した原爆を広島・長崎に投下したアメリカは、戦後も正義の国であり続けるために、日本を悪の国とするウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムという日本人洗脳計画を実行した。メディアや私信の検閲から都合の悪い本の焚書、そして二十万人にも及ぶ人たちを公職から追放し、その地位に社会主義者や共産主義者を就けた。一九四三〜一九八〇年まで、ソ連とアメリカにいるソ連のスパイとの通信を傍受、暗号解読を行った記録である「ヴェノナファイル」が一九九五年に公表された。それによると、ルーズヴェルト政権の中には、ソ連・コミンテルン要員が二百名もいたという。その代表格が、ハル・ノートの原案を書いたハリー・デクスター・ホワイトだ。一九二八年の張作霖爆殺事件の時にも関東軍の中にコミンテルンの要員がいて、河本大作大佐が犯行を行ったように見せかけた可能性が高い。その後、一九三六年に張作霖の息子の張学良は父を殺した日本軍を恨み、中国共産党と共謀して蒋介石を拉致する西安事件を起こし、コミンテルンの思惑通り蒋介石の国民党政府軍と共産党軍が協力して日本と戦うことを決めた第二次国共合作を招いた。その後日中戦争のきっかけとなったといわれる一九三七年の盧溝橋事件は、中国共産党の後の国家主席・劉少奇が指示して訓練中の日本軍と国府軍の双方に向かって銃撃し両軍を戦わせたのだという発表が、共産党軍の兵士向けのパンフレットにも記載されている。張作霖爆殺犯が当時からソ連の特務機関の犯行だと明らかにされていれば歴史が変わっていて、日中戦争はあんな形では始まらなかっただろう。

アメリカ人やイギリス人は日本人を人間扱いしていなかった

 先の大戦時には、アメリカやイギリスなどの国は白人優越主義の国で、有色人種に対する偏見があった。ドイツとは白人国同士として最低限のルールを守った戦いを行っていたが、日本人を人間として見ていなかった。「白旗を掲げて降伏してくる日本兵を機関銃で撃ち殺したり、飛行機から日本兵捕虜を投げ落として日本兵は捕虜になりたがらないと報告したり、日本兵の頭部を煮て作った骸骨や骨で作ったペーパーナイフを得意げに本国の恋人に送ったりした」と大西洋無着陸横断で知られるリンドバーグの従軍記には、その残虐さが綴られている。イギリス軍の捕虜となった会田雄次の名作「アーロン収容所」には、次のような記述がある。「その日、私は部屋に入り掃除をしようとしておどろいた。一人のイギリス人の女性が全裸で鏡の前に立って髪をすいていたからである。ドアの音にうしろを振り向いたが、日本兵であることを知るとそのまま何事もなかったようにまた髪を梳かしはじめた」。イギリス人は日本人を、犬か猫かのように思っていたのだろう。「もし私が白人であったならば彼女は金切り声をあげて裸を隠しただろう」と書かれていた。歴史を見る時にも、当時の彼ら欧米人の考え方を考慮しながら見なければならない。
 どこの国でも自国の国益の為であれば、嘘もつけば人も殺す。日本人も「真実はいずれわかる」などという甘い考えではいけない。日本も国益に沿って積極的に世界に向かって真実を広く伝えていかなければならない。この点からも、安倍首相の戦後七十年談話は素晴らしかった。西欧列強による植民地支配に対する密かな批判やブロック経済によるABCD包囲網などで日本を経済的に締め上げたことが先の大戦の原因となっていることにも触れ、また「あの大戦に関わりのない子や孫、子孫に謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と明言した。
私はこれまでも主張してきたように日本はこの機会に三千人の要員と三千億円の予算を持つ情報省を創設すべきだと考える。世界中のメディアを絶えずウォッチし、誤った報道に対してはその国の言葉で即座に反論を行うのだ。ただ日本人が反論しても効果は薄い。そこでユダヤ資本のアメリカのマーケティング会社の力を借りることも一つの方法だ。
 アメリカのマーケティング会社は大統領選の時には膨大な予算を使って依頼候補を応援したり、敵側候補を非難するネガティブキャンペーンを実施して効果をあげている。ユダヤの情報ネットワークを使い事実に反する記事や報道を改めさせる。特定のミッションを与え、成果報酬で機密費からその費用を支払う。その予算を充てることに民間からの寄付金等も募っても良いだろう。尖閣諸島を東京都が保有しようとした時の寄付金の集まり具合を考えると、かなりの額が期待できるのではないだろうか。原発停止で毎日百億円、年に三兆六千億円ものお金が石油メジャーへの支払いに使われていることを考えると、多少の出費などは問題ない。そもそも二、三千億円の出費が高いと白紙に戻した新国立競技場の件も、メディアが騒ぎ過ぎたせいだ。二千億円や三千億円などはオリンピックの経済効果を考えれば全く高くはない。小さなことで騒ぎすぎ、肝心なことを見失ってしまった典型例だと言えよう。
 マーケティング会社を利用して、張作霖爆殺がソ連の特務機関の犯行であること、南京大虐殺や従軍慰安婦が全くの虚構であることを、NHK等テレビメディアや朝日新聞・日経新聞等に頼ることなく理論的に世界中に知らしめていく必要がある。そのためにも政治家はこれまでの学校での歴史教育やメディア報道からの知識ではなく広く世界の識者から正しい歴史を学び、それに対処するしっかりとしたお金の使い方を考えるべきだ。明治維新から日清・日露戦争までの日本人の知恵を取り戻せば、日本再興は今からでも遅くはない。安倍政権が今後三年続くことは確実となったが、できればさらに三年、東京オリンピック開催まで続けて、日本を誇れる祖国に再興させていって欲しい。私も助力を惜しまないつもりだ。

2015年9月24日(金)12時00分校了