BIGTALK

「持ち込ませず」を廃して、
核シェアリング協定を締結せよ
Vol.319[2018年2月号]

衆議院議員 中村裕之
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APAグループ代表 元谷外志雄

建設会社社長から北海道議会議員として政治の道へ。国会議員三期目を迎えている衆議院議員の中村裕之氏。自民党国土・建設関係団体委員長として建設団体と国政との架け橋となっている氏に、北朝鮮によって緊迫する東アジア情勢と日本の進むべき道についてお聞きしました。
中村 裕之氏

1961年北海道余市町生まれ。北海学園大学卒業後、北海道庁総務部札幌北道税事務所勤務を経て、1989年中村建設株式会社に入社、1992年に同社代表取締役に就任。2003年北海道議会議員に初当選、3期目途中の2012年に衆議院議員選挙に出馬して初当選。現在3期目。現在自由民主党総務、団体総局国土・建設関係団体委員長。

今が北攻撃の最後の機会
アメリカは限定公開空爆を

元谷 今日はビッグトークへのご登場、ありがとうございます。中村さんは企業経営者から国会議員になったのですね。

中村 父が建設会社を経営していたのですが、私が三十歳で跡を継いで代表取締役になりました。その後、北海道議会議員を三期やりました。その間民主党政権の三年間の悪夢があって、リスクはあったのですが彼らには任せておけないと衆議院議員に立候補して、当選することができました。

元谷 北海道と言えば左派が強いので有名ですから、大変だったでしょう。

中村 二〇一二年と二〇一四年の選挙の相手は七期連続当選の鉢呂吉雄さんだったのですが、二回とも勝つことができました。

元谷 中村さんは現在、自民党の国土・建設関係団体委員長なのですが、これはどのような役職なのでしょうか。

中村 自民党と各団体との橋渡しを行います。税制や予算に関して建設関連団体からの要望を受けて、できるだけ実現できるように活動しています。今年は、景況感があまり良くないとのことで、大型補正や当初予算の増額、印紙税の廃止等についてのご要望をいただいています。

元谷 調整役として非常に大切な立場ですね。

中村 各団体との信頼関係の醸成を図り、党勢拡大に寄与する仕事だと考えています。

元谷 十一月二十九日に北朝鮮がまたミサイルを発射、青森県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下しました。これは新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)である「火星一五」だと北朝鮮は発表しています。今年に入って北朝鮮は十六回ミサイルを発射していて、うち二回は北海道上空を通過しています。本当に許せないことです。

中村 日本海に落下するのと、上空を通過して太平洋に落下するのでは、住民の恐怖は明らかに違います。北海道上空を通過することには、憤りを禁じ得ません。

元谷 十一月の発射は、ロフテッド軌道と呼ばれる通常よりも発射時の角度を上げて、高く打ち上げる方式で行われ、その直前の二回とは異なり日本上空を通過することはありませんでした。それでも予測される最大射程が一万三千キロにも及び、アメリカ全土を射程に収めると見られています。七十五日間ミサイル発射がなかったことは彼らの態度の変化を示すものではなく、その間にエンジンの燃焼実験などミサイルの研究開発を継続していたのでしょう。発射するからには失敗できない。そのための精度向上に七十五日掛かったということではないでしょうか。今後も時間が経過すれば、確実に北朝鮮は核兵器の小型化や、苦手と言われる大気圏再突入に耐えられる弾頭の開発にも成功するのでしょう。今や北朝鮮の核兵器と大陸間弾道ミサイルは実戦配備直前の状態です。軍事的手段で破壊するのであれば、今しかチャンスはないでしょう。私は、アメリカがB‐1爆撃機や巡航ミサイル・トマホークを使用して、攻撃時間を予告した上で攻撃対象を核兵器と大陸間弾道ミサイル関連施設に限って行う限定公開空爆を主張しています。安倍首相もこれを、トランプ大統領に提案するべきではないでしょうか。

中村 なるほど。

元谷 外交交渉は軍事力の背景がないと交渉になりません。今の日本の問題は、軍事力行使に関してはアメリカにやってもらうという判断しかできないため、本格的な外交交渉ができないということ。これは非常に情けないことです。やはり自分の国は自分で守るという国民の意識とそのための体制が必要でしょう。ロシア、中国、そして北朝鮮と日本は核武装国に囲まれています。最悪のシナリオは、アメリカが北朝鮮の核を容認することです。そうなれば、日本はこの先永久に隣国の核兵器に怯え続けなければならない。また北朝鮮の核保有の目的の一つは、韓国を併合して朝鮮連邦国家を作ることです。これが実現すれば、日本列島の脇腹を突き刺す位置にある朝鮮半島に、人口八千万人の明らかに日本に敵意を持つ国が誕生することになります。またこの連邦国家は、北朝鮮としての戦前戦後の賠償と、韓国としての慰安婦や徴用工の賠償を日本に求めてくるでしょう。さらに中国がこの朝鮮連邦国家を日本攻撃の尖兵とするのは間違いありません。東アジアの情勢はかつてのキューバ危機に匹敵するほど緊張感を増しているにもかかわらず、日本のメディアはモリカケ問題などとんでもない報道に終始して、肝心のことを伝えていません。結果、国民の危機感が欠如しています。もっと真剣に日本の未来を国民全員が心配し考えなければならないし、国会でも国民の命を守るための議論をしなければなりません。なのにまだモリカケ問題の質問が出る。森友問題では会計検査院の検査結果にあるように不適切な値引きがあったかもしれませんが、それは財務省の問題であって、当初から指摘されていた安倍首相の関与の結果ではありません。加計問題では、今回の特区制度が岩盤規制に風穴を開け、歪められた行政を正したとする前愛媛県知事の加戸守行氏の証言を、メディアはほとんど取り上げませんでした。

中村 モリカケ問題については、一部マスコミに政権を追い込もうとする偏った報道が横行しています。北朝鮮問題では、日本が独自の打撃力を持たないためにアメリカに頼らざるを得ないというのは確かです。日米同盟はそのような趣旨であって、これに従って日米は役割分担を行っています。トランプ大統領の全てのオプションがテーブルの上にあるという姿勢に対して、安倍首相は支持を表明していますが、これが日本のできる限界であって、私も大いに賛同しています。国際協調によって北朝鮮問題は解決されなければならないのですが、長期的な視点では自衛隊の敵基地攻撃能力も検討するべきでしょう。

原爆投下の呪縛から
アメリカを開放する

元谷 まず行うべきなのは、非核三原則の廃止だと思います。この非核三原則は国会決議です。「核兵器を持たず、作らず」は法律によって裏付けされていますが、「持ち込ませず」を具体化した法律はありません。新たな国会決議によって「持ち込ませず」を廃して、冷戦時にNATO五カ国が締結していた核シェアリング協定を日本もアメリカと結ぶべきです。一九七〇年代、核兵器を搭載したソ連の中距離弾道ミサイルSS‐二〇が東欧に配備されたのに対抗して、アメリカはドイツなどにパーシングミサイルを配備しました。このように核兵器による力のバランスが実現した上で、中距離核戦力全廃条約交渉が始まり、一九八七年に調印に至っています。交渉事は、まずお互い力を誇示することから始まります。力がある人とない人の場合は、ある人が主張を譲らないために、交渉自体が始まらないのです。北朝鮮の核保有が現実のものになろうとしている今、力のバランスを取るためには日本にも核兵器が必要です。まず「持ち込ませず」を止めて、アメリカ軍が公に核兵器を持ち込めるようにする。それから核シェアリング協定をアメリカと結んで、有事の核兵器使用の権限を日本に委ねてもらうのです。憲法改正であれば国会の三分の二の同意が必要ですが、国会決議であれば過半数あれば可決できます。安倍首相とトランプ大統領で日米が蜜月関係にある今、これをやらないと。

中村 確かに国会決議であれば過半数で可決できます。

元谷 アメリカとの関係も、彼らを原爆投下の呪縛から開放してあげることで、さらに深まると思います。先の大戦のヨーロッパ戦線で勝利を掴んだソ連は、ベルリンを他の連合国より先に占領し、そのままドイツ、フランスからスペイン、ポルトガル、さらにイギリスまでも、ヨーロッパ全てを共産化しそうな勢いでした。アメリカはその不利な状況を新兵器で相殺するオフセット戦略として、広島・長崎に原爆を投下したのです。その結果ソ連の勢いは止まり、第三次世界大戦という「熱戦」が「冷戦」に変わり、多くの人が犠牲になることがなかった。アメリカは日本に原爆を投下するために、最初はポツダム宣言に入っていた天皇制を存続させるという条項を削除し、日本が降伏を躊躇するように仕向けました。その間に原爆を完成させ投下、その後に天皇制存続を認めました。もし天皇制存続を認めなかったら日本は降伏しなかったでしょうし、そうなれば本土決戦となって、連合軍にも多数の犠牲者が出ることがアメリカにはわかっていたのです。そして原爆投下という非人道的な行動に対しては、正義の国アメリカが原爆を落とすことで悪い国日本をいい国に変えたというストーリーを作ることが必要でした。だから南京大虐殺で日本軍が三十万人を虐殺したなどという自虐史観を日本人に植えつける、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムが行われたのです。また当時のルーズベルト政権にはソ連のコミンテルンのスパイが多数入り込んでいました。この勢力も日本を自虐化することに加担したと思われます。原爆投下は日本にとっては大きな悲劇だったのですが、世界的に見ればその犠牲で多くの人の命が救われたとも言えるのです。このことを日本政府が正式に認めてあげれば、アメリカの姿勢が変わるのではないでしょうか。それによってアメリカが南京大虐殺や慰安婦二十万人強制連行を否定すれば、中国も韓国もそれ以上言い募れないでしょう。

誤報を流すメディアには
法的な責任を負わせる

中村 確かに一つの考え方だと思います。代表は非常に率直にご自身の意見を述べられるのが素晴らしい。私も「TPP反対」とか、自民党の中では意見を言う方でしたが、そろそろ場合によっては意見を控えめにしようと考えています。

元谷 私は歯に衣着せぬというスタンスでやってきました。南京事件も捏造の歴史だとはっきり主張してきたのです。そのために勃発したのが、二〇一七年一月の書籍事件でした。アパホテルの客室に置かれている私の著書の中で南京大虐殺が否定されていると、中国人とアメリカ人のカップルが中国の動画サイトに画像をアップ、多くの人がそれを見て炎上したのです。挙句の果てには中国外務省の報道官が名指しでアパホテルを批判、中国国内からの予約ができない措置を取りました。しかし私は一歩も引かず、「日本には言論の自由がある。反論があるなら後学のために是非聞きたい」と返したのです。しかし中国から反論は全くありませんでした。

中村 事業に影響はなかったのでしょうか。

元谷 事業にはプラスになりましたよ(笑)。一躍アパホテルの知名度は世界的に高まりました。何万通もの応援のメールが届きましたし、多くの方が応援宿泊をしてくれました。お陰様で、事件以降毎月売上記録を更新し続けてきました。また台湾の方が中国人に間違われないということで、アパホテルを利用することが多くなりましたね。台湾人は個人旅行も多く、マナーなど日本人に近い感覚なのですが、大陸中国からの方は団体旅行が多いからか、地元にいるのと同じ作法で、大声で話したりします。台湾人はそういった中国人と一緒に見られるのが嫌なようです。

中村 札幌冬季アジア大会でもいろいろと報道されましたね。

元谷 札幌冬季アジア大会では、大会実行委員会がアパホテルをまるごと借り上げる契約で、その条件として最初から客室に置かれている書籍などは撤去することになっていました。単に契約に基づいて撤去しただけなのに、中国のメディアは炎上事件が理由で書籍を撤去したと報道、朝日新聞などがその報道を引用した記事を書いたのです。この誤報は中国政府がメディアに指示をして行わせたものだと私は見ています。私が全く譲らなかったので、中国政府も振り上げた拳の下ろしどころに困っていたのでしょう。アパホテルが撤去したのなら、それで一件落着という体を取りたかったのではないでしょうか。また六月の記者会見でロイターの記者が、「札幌では撤去したが、東京オリンピック時はどうするのか」と質問してきました。私はそもそも札幌では撤去していないし、東京でもしないと答えたのですが、四、五時間後にネットに掲載された記事には、しつこく「札幌では撤去」となっていました。ロイターや朝日新聞のような「一流」のメディアでもこれです。トランプ大統領ではありませんがフェイクニュースが非常に多く、メディアを信頼することができません。インターネットの情報は玉石混交ですが、多数の人によって検証されますから、正しい情報を見出すことも可能です。しかし旧来からのマスメディアは、少数のジャーナリストが書いたり言ったりしたことが、検証なしに多くの人に伝わってしまいます。未だに朝日新聞に出ていたとか、NHKで言っていたとかの方を、インターネットよりも信じる人も多いでしょう。その分マスメディアには重い責任があります。きちんと根拠を明らかにして報道するのはもちろんのこと、間違った報道を行った場合には会社として責任を負わせる法律が必要ではないでしょうか。放送の場合には間違いが続くようならば、法律に従って電波を止める。以前高市早苗総務大臣の発言が問題になっていましたが、彼女は法律の真っ当な解釈を語っただけです。批判する方がおかしいでしょう。

中村 その通りです。

元谷 また責任を負わせるのはメディアが会社として行った報道に対してです。個人としての発言は、表現の自由を極力重視する意味からも、規制すべきではないでしょう。

中村 本来は代表の仰る通りだと思います。二〇〇九年の衆議院議員選挙では、メディアは世論を煽って一回やらせてみればいい、政権交代可能な国にしなければと、民主党政権誕生をサポートしました。実際の民主党政権は非常に問題が多かったのに、それを実現させたメディアは誰も責任を取らなかったのです。

九条二項の削除で
自衛隊を「戦力」にする

元谷 現在与党二割、野党八割となっている国会での質問時間の配分を、議席数を考慮して与党の時間を増やすべきという議論が行われています。野党がモリカケ問題のようなくだらない質問に終始するのであれば、与党五割、野党五割でもいいのではないでしょうか。

中村 例えば北海道議会の場合は、議員数に応じて各党の質問時間が配分されています。道民の負託に応じるにはこれがベストでしょう。ではなぜ国会では野党に質問時間を譲るのか。私は素朴に疑問に思っています。

元谷 私も同感です。また森友問題で言われる過大な値引きの払い下げと言えば、その恩恵をこれまで受けてきたのはメディア各社です。田中角栄が国有地の一等地を、メディアに大盤振る舞いで分け与えたのですから。むしろ与党議員はメディア各社に払い下げられた土地の価格が正しい査定に基づくものなのか、質問してもいいぐらいでしょう。メディアは自分達のことは棚に上げて、政権攻撃に終始しています。北朝鮮危機という国が一丸となるべき時の態度ではありません。

中村 代表と同じように思っている国民は多く、それが先日の選挙結果に出たのではないでしょうか。

元谷 テレビや新聞などメディアに踊らされない人が多くなってきた結果でしょう。改憲派議員が増えたのですから、憲法改正発議を急ぐべきです。問題は改憲派議員といっても、どこを改憲するかの意見が異なること。基本は安倍首相が提案した自衛隊を認めるための加憲で良いのではないでしょうか。しかしただ自衛隊の存在だけを認めて、自衛隊が「戦力」であることを認めないのであれば意味がありません。同時に九条二項を削除して、自衛隊を警察とは異なる軍として認める改正を行うべきです。現状の軍法会議もないままでは、自衛隊員が戦闘で人を殺したら犯罪者になってしまいます。九条以外の改正は後回しでもいいでしょう。まず自衛隊を認めることで合意して改憲を行い、その後にまた改憲を議論して行うという二段階改憲で進めるべきです。

中村 確かにこれまで発議されたことがありませんし、具体的な改憲案の選択肢を提示されたこともありません。まずやってみることが必要だと思います。ただ九条二項削除については、まだいろいろな議論や世論調査が必要だと考えています。

元谷 一度改憲を行えば、国民にも国会議員にも「できる」という意識が芽生えます。問題は衆参共に発議ができても国民投票がどうなるかでしょう。二〇一九年の参院選と同時に国民投票を…という声もあるようですが、私はさらに国民間での議論を活発化するために、衆議院も解散してトリプル選挙にするべきだと思います。この三つの投票で一気に日本の骨格を変えるというぐらいの気持ちで取り組まないと。安倍政権の間に改憲ができなければ、私はもう日本では永久に改憲できないのではと感じています。安倍首相の在任中に可能な限り日本の備えを固めないと、朝鮮連邦国家の誕生や中国の台頭にはとても対応できないのではないでしょうか。特に東シナ海や南シナ海での領土拡大意欲を見せる中国に対して、フィリピンもベトナムもその軍事力と財力に屈して文句を言わなくなってきています。日本がいつの間にか中国の一自治区になってしまわないよう、国会議員にはここで頑張ってもらわないと。

中村 まずは「持ち込ませず」を廃するということですね。

元谷 その通りです。自衛のために核兵器を保有することは、現行憲法にも違反しません。北朝鮮がアメリカに届く核兵器を手に入れたとたん、日本への核の傘は消滅します。一刻も早く、日本は核シェアリング協定をアメリカと結んで、東アジアのバランス・オブ・パワーを維持しないと。今後の中村さんの活躍に期待しています。

中村 わかりました。

元谷 最後に「若い人に一言」をお願いします。

中村 中国や韓国による情報戦で、南京大虐殺や性奴隷としての慰安婦など、誤った歴史が世界に広まっています。政府もこれを正そうとしていますが、若い人もぜひ正しい歴史を学んで、海外の人々に伝えていって欲しいですね。

元谷 サンフランシスコの慰安婦像など、世界への拡散はさらに酷くなっています。日本も手をこまねいているだけではなく反撃しないと。今日はありがとうございました。

中村 ありがとうございました。

対談日2017年11月30日