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特別対談2|焼け野原から蘇った日本を世界中の人々が賞賛している

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新しい南アフリカの父として慕われるネルソン・マンデラ氏。
その氏の志を受け継ぐネルソン・マンデラ財団の実務責任者、アーマド・ダンゴール氏に、マンデラ氏が国づくりに賭けた思いをお聞きした。

常に寛大な精神を持って国に一体感を 与えたことがマンデラ氏最大の功績

元谷 今日はネルソン・マンデラ財団が運営するネルソン・マンデラ記念館にお招きいただき、ありがとうございます。展示物をいろいろと拝見して、改めてマンデラ氏の様々な面に触れることができて、感動しています。全ての有色人種のために、さらに人類のために価値のある仕事をされた方ということで、私も大変尊敬しています。

ダンゴール 遠い所からお越しいただき、ありがとうございます。マンデラ氏は日本のことがとても好きです。阪神・淡路大震災が発生した直後の一九九五年の七月にも日本を訪れたのですが、その時にこんなことを言っています。「想像を絶する規模の自然災害を忍耐と不屈の精神で乗り越え、驚くべき倫理観や革新性を見せる日本という国は、新しい、より良い世界づくりの中心となるでしょう」。今回の東日本大震災からも、これまで同様しっかりと復興されることを、私たちも固く信じています。

元谷 ありがとうございます。マンデラ氏はそんなことをおっしゃっていたのですか。日本人にとって、とてもうれしい言葉です。

ダンゴール 私も奨学金をいただいて、日本の筑波で学んでいたことがあるのです。主に国土の開発に関して研究していました。

元谷 では、ダンゴールさんも日本通なのですね。今日はできればマンデラ氏にも直接お会いして、元気なお姿を拝見したいと思っていたのですが、今年で御歳九十三歳、毎日はこちらにいらっしゃっていないということで、願いは叶いませんでした。私たちが訪問したことを、ぜひお伝え下さい。

ダンゴール はい。すでにマンデラ氏には元谷さんが来られることは伝えておりまして、氏からの書面も預かっています。後ほどお渡しします。

元谷 マンデラ氏は若い時から反アパルトヘイト運動に積極的に参加し、二十七年間の投獄生活の間も意志を曲げずに、不屈の精神でこれを耐えられました。出獄後に新しい政権を作り、ついには大統領に就任という人生に感銘を受けています

ダンゴール マンデラ氏はとても慎み深くて、いろいろな業績についても「私がやった」とは絶対に言わないのです。必ずまず仲間の貢献を賞賛します。また激しい戦いの中、対立する白人勢力の人々に向けても、常に寛大な精神を持っていました。これらが、マンデラ氏が最終的に広く南アフリカ国民に受け入れられた理由だと考えています。

元谷 まさにその点が、マンデラ氏が最も評価されるべきポイントだと思います。黒人政権の成立によって大きな混乱が生じるかと思いきや、優れた行政手腕によって白人も黒人も一緒になって国づくりを行い、今やBRICsの一員として素晴らしい経済成長を達成しています。

ダンゴール このネルソン・マンデラ財団は、人種を越えた国づくりを行うために作られました。姉妹機関の「ネルソン・マンデラ子供基金」と「マンデラ・ローズ財団」と連携しながら、国を良い方向に導こうと努力をしています。

アパルトヘイト廃止に 大きな貢献をした日本

元谷 いろいろお話をお聞きすると、マンデラ氏の姿がインド独立の父といわれるマハトマ・ガンジーと重なるのです。マンデラ氏はガンジーの影響を受けているのではないでしょうか?

ダンゴール はい。マンデラ氏自身が自伝の中にそのように書いています。ガンジーの生涯から、苦しくて長い道のりの果てに必ず勝利があると信じていたそうです。

元谷 ガンジーはインドをイギリス支配から独立させ、マンデラ氏は人種平等を勝ち取って、南アフリカを黒人と白人が共存する国へと変えました。その背景には、かつて日本が日露戦争に勝利したことがあるのではないでしょうか。あの日本の勝利が、有色人種も白人に勝てるという前例となり、ガンジーもマンデラ氏も、自信を持って人種平等を目指して戦うことができたのだと思うのですが。


ダンゴール
 日本の戦争がインドを含むアジアの人々の独立に大きく貢献したのは確かでしょう。南アフリカの場合の日本の貢献はもっと具体的、直接的です。南アフリカが二つの勢力に分かれて争っていた時から、経済的に深い関係にあった日本政府は、両勢力の間に入っていろいろと調整を行なっていました。また様々な黒人支援策を行い、その一つの南ア黒人奨学金基金によって、私は日本に留学することができたのです。

元谷 そこまで日本が大きな役割を果たしたことが、日本国内ではあまり知られていません。その他のことでも先の大戦で敗れた後、日本人は非常に自虐的になり、近隣諸国から貶められるばかりです。一番大きな原因は真の歴史を知らないことです。そこで私は「真の近現代史観」懸賞論文を募集して、元航空幕僚長の田母神俊雄氏などの論客を世に送りだしてきました。また「勝兵塾」という私塾を今年からスタートさせ、日本に自信と誇りを持つ人材の育成も行なっています。

ダンゴール 歴史観については、マンデラ氏も同じことで悩んでいました。歴史は一方の方向から検証するものではありません。検証のために、政府や行政組織は全ての文書を公開すべきだと。その中には報道されていない真実が必ず潜んでいますから。
日本や日本人のことを、世界中の人々が尊敬しています。戦争に敗れ原爆を投下されて国中が焼け野原になっても、世界有数の経済大国として蘇ったのですから。みんなこの事実を知っていて、日本人が成し遂げたことは凄いと賞賛しているのです。

元谷 ありがとうございます。私がもう一つ問題だと考えているのは、旧態依然とした国連のことです。戦後独立した国がどんどん加盟して、全く新しい枠組みの組織に生まれ変わるべきなのに、先の大戦の枢軸国などを敵とみなす旧敵国条項を未だに撤廃しない。そんな国連の分担金を日本は今でも中国の四倍近い十二・五%も払わされているのです。国連を戦勝国の常任理事国が差配する組織ではなく、世界のための組織へと改革すべきです。

ダンゴール それは同感です。南アフリカと日本がタッグを組んで、改革を進めていきましょう。

元谷 その通りですね。今日はありがとうございました。